
「すでに限度額いっぱいに借り入れしている」
「契約しているカードローンの借り入れ限度額を増額したくない」
こうした理由から、現在利用しているカードローンとは別にもう1社検討したくなることもあるでしょう。
ただし返済中にもう1社契約を増やす際、そもそも申込受付してもらえるのか、返済ができるのか様々な不安があるものです。
このコラムでは、2社目のカードローンを利用する時の注意点や選び方を解説していきます。
カードローンの2社目を選ぶ際のチェックポイント
カードローンの2社目を検討する時、事前にチェックしておきたいポイントを紹介します。
1.借り入れ可能かどうか簡易診断を受ける
アイフルの「1秒診断」やレイクの「お借入れ診断」のように、カードローンの公式ホームページには、質問事項を数点埋めるだけで借入可能かどうか診断するツールがあります。
年齢や他社の借り入れ金額など3つ程度の質問に答えるだけで簡単にチェックできるので、2社目を決める前に診断しておくのがオススメです。
ただし、簡易診断の結果に関わらず審査で落ちる可能性がある点は理解しておきましょう。
<大手消費者金融の借り入れ診断>
アイフル「1秒診断」
レイク「お借入れ診断」
プロミス「シミュレーション」
SMBCモビット「お借入診断」
2. 審査通過率をチェックする
2社目でも3社目でも、カードローンで借り入れをするなら必ず審査は発生します。
2社目以降の審査は「この人は1社目も返済中なのに大丈夫だろうか」と厳しめにチェックされる可能性が高いため、審査通過率は見ておいて損はありません。
2社目は、審査通過率が高いところへ優先して申し込むと良いでしょう。
<審査通過率>
業者名 | 審査通過率 |
アイフル | 29.4%(2022年4月) |
プロミス | 36.7%(2022年5月) |
レイク | 36.1%(2022年3月) |
引用元:
アイフル公式HP「月次データ」
SMBCコンシューマーファイナンス「月次データ」
新生銀行公式HP「四半期決算情報」
3. 1社目に相談する
何らかの理由があって2社目を検討している方もいますが、現在借り入れしているカードローンで何とかならないか相談してみると、解決策が見つかるかもしれません。
また、カードローンは借入限度額に応じて金利が決まる場合がほとんどなので、1社目を増額することで金利が下げられる可能性もあります。
例えば、楽天銀行スーパーローンは利用限度額50万円だと年14.5%の金利ですが、増額して限度額が100万円以上200万円未満になれば年8.6%~14.5%の金利になります。
借り入れ先が増えると返済日や残額など管理の負担が増えるため、もし1社目で何とかなるのであれば2社目の契約は避けた方がいいでしょう。
2社目のカードローンを利用するときの注意点
それでも2社目のカードローンを検討したい時の注意点を、3つ紹介します。
1. 1社目の借り入れ限度額をチェック
2社目を検討する前に、現在借りている1社目の借り入れ限度額を確認しましょう。
限度額50万円中借り入れは40万円、100万円の限度額中70万円など、まだ枠を使い切っていなければ追加で融資を受けられます。
2. 収入の1/3以上は借りられない(総量規制)
消費者金融系カードローンを利用中で、新たな借り入れ先も消費者金融を考えている方は、総量規制に気を付けましょう。
総量規制は貸金業法が定めた消費者を守るための法律です。
総量規制では、借り手の年収3分の1を超える貸付はしてはいけない決まりになっています。
例えば、年収が300万円の人なら100万円を超える金額は借りられません。
2社目へ申し込む前に、1社目と2社目の合計金額が年収の3分の1を超えていないか確認しておきましょう。
3. 審査に通りにくくなる
1社目に加えて、2社目のカードローンにも申し込みをしたとなると、審査をする側は「何故、こちらにも申込をしたのだろう」「前のカードローンで問題を起こしたのでは」など様々な観点で審査を行います。
1社目の借り入れを踏み倒そうとしている、1社目の返済が遅延しているなどの情報は、必ず2社目の審査でバレます。
それは、各カードローンで申込者の信用情報を共有できる仕組みがあるからです。
信用情報にはカードローンの返済状況はもちろん、クレジットカードの支払いも記録されるので、常にクリーンな状態にしておけば2社目への申し込みの時も慌てずに居られます。
2社目のカードローンの審査に落ちたときの対策
2社目のカードローンに申し込みをしても、審査に落ちてしまった場合はどのような対策が必要になるでしょうか。
1. すぐに他のカードローンへ申し込まない
お金が必要なのにカードローンの審査に落ちてしまったら、焦ってすぐに他のカードローンへ申し込みをしてしまうかもしれません。
しかし、一度審査に落ちてしまうと「申込をしたが契約できなかった」ことが信用情報に記載されるため、しばらくは審査に通りにくくなります。
審査に通りにくい状態で他のカードローンへ申し込んでも、審査に落ちて信用情報がどんどん汚くなってしまう悪循環に陥ってしまうのです。
審査に落ちると、半年間は申し込んだ情報が信用情報に残るので、信用情報がキレイになってから次の手を打つと良いでしょう。
2. 借り入れ残額を少しでも減らす
2社目の審査に落ちてしまったら、まずはコツコツ目の前の返済と向き合うしかありません。
1社目の借り入れ残高を少しでも減らし、2社目で借りようとしていた額は1社目に相談してみましょう。
3. クラウドローンを活用
クラウドローンとは、お金を借りたい人と金融機関を繋ぐサービスで、借りたい人は金融機関からの提案を確認して、自分の条件に合うサービスへ申し込むことができます。
申し込む際は、年齢・職業・年収・借り入れ目的などの質問に加えて、カードローンなどの利用件数を入力する項目があります。
まずは3分診断で、自身が登録できるかどうかをチェックしましょう。
〈クラウドローン参加銀行・提携金融機関〉
- 三井住友銀行
- SMBCモビット
- 横浜銀行
- 伊予銀行
- 三重銀行
- 中国銀行
- 但馬銀行
- 北日本銀行
- 富山第一銀行
- 清水銀行
- 西日本シティ銀行
- 武蔵野銀行
- 十六銀行
- みなと銀行
- 滋賀銀行
- 名古屋銀行
5. クレジットカードのキャッシング
所有しているクレジットカードにキャッシング枠が付帯していれば、審査なしでお金を借りられる可能性があります。
キャッシング枠は、クレジットカードを作成する時にあらかじめ付帯している場合と、後から追加する場合があります。
もともとキャッシング枠があれば、カードローンの審査に落ちた直後でもすぐに現金を引き出すことが可能です。
ただし、カードローン2社目の審査に落ちた後、手持ちのクレジットカードでキャッシング枠を付けようとすると、審査があります。
審査の分時間がかかり、さらにカードローンの審査落ちが影響するので、注意しましょう。
返済に困らないための対策
複数のカードローンから借り入れをした時に一番怖いのは、返済できなくなることです。
万が一返済できなくなることがないように、「1社目返済中で2社目検討中」の段階でできることをまとめました。
1. おまとめローン・借り換えローンの利用
おまとめローンは「複数社からの借り入れを1社にまとめること」、借り換えローンは「A社からの借り入れをB社からの借り入れに変更すること」です。
おまとめローンのメリットは複数の返済を集約できること、借り換えローンのメリットは金利がより低い会社へ借り換えれば、総返済額を減らせることです。
現在2社目を検討している人は、アイフルの「かりかえMAX」や銀行系の借り換えローンもおすすめです。
2. 1社目の借り入れ限度額を増額
シンプルに、「1社目でもっと借りる」という方法です。
1社目で借り入れを完結できれば、返済日は月に一度のままで済みます。
増額することで返済金額は増えて返済期間も長くなるかもしれませんが、2社目3社目と借り入れ先を増やすより安全なので、今一度検討してみましょう。
どうしても返済が苦しくなったら弁護士に相談して債務整理を
どうしても返済できなくなった場合は、債務整理に踏み切りましょう。
債務整理と言うと名前のインパクトが強いので「自己破産」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、任意整理や個人再生という方法もあります。
どれも債務整理は信用情報に事故情報として記録が残り、俗にいう「ブラックリスト」の状態になります。
ブラックリストの状態になったら、5~10年はクレジットカード・カードローンを利用することはできません。
債務整理するための「自己破産」「任意整理」「個人再生」は、どのような方法なのか以下で簡単に紹介します。
1. 自己破産
自己破産は、債務の返済ができなくなった人が、裁判所を通して破産手続きを行うことです。
自身で行うこともできなくは無いのですが、専門家である弁護士に破産手続きの依頼をした方が手続きがスムーズに進みます。
とはいえ「弁護士を雇えるお金があるなら、既にカードローンを返している」という方もいるでしょう。
そういった場合は、法テラス(日本司法支援センター)が行っている民事法律扶助を利用すれば、立て替えてもらえることがあります。
自己破産をするにしても、若干お金に余裕がある段階で手続きを行うのがおすすめです。
2. 任意整理
任意整理は裁判所を挟まず、借り入れ先と話し合いをして返済総額を減らしていく方法です。
こちらも自分一人でできないことはありませんが、弁護士などの専門家に任せた方が、最終的に損をしないで済むでしょう。
任意整理では、カードローン会社やクレジットカード会社と交渉をし、将来的に発生する利息をなくして3~5年で完済できるように調整します。
返済額を0円にすることはできませんが、強制執行による差押えの前に手続きをすることで、財産を手放さずに済みます。
3. 個人再生
個人再生をすると、借り入れ額を5分の1から10分の1まで減額させ、3年間かけて支払うことになります。
こちらも弁護士などに依頼し、裁判所での手続きを代理で行ってもらった方がいいでしょう。
弁済額は最低100万円からで、将来継続的に支払える経済状況にあることなどの条件があります。
法的な知識が少ない状況で借り入れ先との話し合いをすると、損をする可能性も出てくるので注意しましょう。
借入先を増やす前に、月々の返済額・返済日を必ずシミュレーション
まずは総量規制の範囲内かチェックし、返済額と返済日に問題ないかシミュレーションしておくと、2社目の借り入れを後悔する可能性は低いでしょう。
消費者金融系カードローンの借入金額の限界は、年収の3分の1までです。
また、1社目の返済中に2社目を申し込むなら、審査のハードルが上がることは理解しておきましょう。
もしも返済が難しくなったら、踏み倒したり延滞しようとは思わず、借入先への相談が必須です。
無料相談を行っている弁護士事務所は多いので、まずは電話で話を聞いてもらうのも良いかもしれません。