
ローンには様々な種類のものがありますが、今回は以下2つについて解説します。
- 目的ローン
- フリーローン
どちらもお金を借りられるサービスである点は同じですが、内容の異なる商品です。
目的ローンの種類や利用するメリット・デメリットなどもお話するので、ローンの利用を検討している方は最後まで読んで参考にしてみてください。
目的ローンとは?フリーローンやカードローンとの違い
目的ローンとフリーローンには、どのような違いがあるのでしょうか。
目的ローンは特定の目的にのみ利用できる
目的ローンとは、その名の通り特定の目的に対して利用できるサービスです。
代表的な目的ローンの一つに、カーローンがあります。
自動車の購入や買い替え、車検の費用など自動車に関する支払いだけに使えるローンです。
その他の目的には使用できません。
契約する前に、お金を借りる目的が証明できる書類提出が求められるので、例えば車を買うふりをして別のことにお金を利用することは難しいです。
目的ローンには他にも住宅ローン・教育ローン・医療ローンなど様々な種類があるので、それについては後の項目で解説します。
フリーローンは自由に利用できる
一方フリーローンは、目的を問いません。
投資や事業性資金以外であれば、生活費の足しにしても買い物や旅行で使っても、全く問題ありません。
そうなると、カードローンとフリーローンの違いは何だろう?と疑問に思う方もいるかもしれません。
カードローンとフリーローンは借り方に違いがあります。
- カードローン:極度貸付方式によって限度額の範囲内で何度でも借入可能
- フリーローン:証書貸付方式によって最初に一括で借り入れる
例えばフリーローンで50万円契約した場合は、一度に50万円が振り込まれます。
カードローンは50万円契約した場合は、50万円の範囲内であれば10万円借りることも、20万円借りることもできます。
金利は、フリーローンの方が若干低めに設定されています。
目的ローンの種類
目的ローンには、様々な種類があります。これは一例です。
- 住宅ローン
- カーローン
- 教育ローン
- 医療ローン
- ブライダルローン
- デンタルローン
- ビジネスローン
- 相続・事業承継向けローン
ここでは上記の目的ローンについて簡単に解説していきます。
1)住宅ローン
1つ目の目的ローンは、住宅ローンです。
家の購入費用は、人生で最も大きなお金が必要といっても過言ではありません。
そのため、自己資金だけで家を買うのは難しく、住宅ローンというサービスが用意されています。
そして、住宅ローンをさらに細分化すると以下の3種類に分けられます。
住宅ローンの種類 | 概要 |
公的住宅ローン | 独立行政法人や地方自治体など公的機関が行う住宅ローン |
民間住宅ローン | 銀行や保険会社など民間金融機関が行う住宅ローン |
フラット35 | 住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して扱っている住宅ローン |
また、住宅ローンはマイホームの購入資金だけでなく、増築・改築・火災保険料・仲介手数料・引っ越し費用・リフォーム費用など住宅に関する様々な用途で使用できます。
2)カーローン
2つ目の目的ローンは、カーローンです。
自動車の購入や買い替えを目的としたローンで、新車でも中古車でも利用できます。
また、車の購入としてだけでなく修理や車検、免許取得にも利用可能です。
カーローンは銀行や信販会社、損害保険会社などで取り扱いがあります。
3)教育ローン
3つ目の目的ローンは、教育ローンです。
子供が学校に入学するときの資金などに利用できる他、受験費用や在学中に必要な教材費など、教育に必要なお金なら様々な用途で使えます。
そんな教育ローンには、以下の2種類があります。
教育ローンの種類 | 概要 |
国の教育ローン | 日本政策金融公庫が取り扱うローン |
民間金融機関の教育ローン | 銀行や信用金庫、ろうきん、JAなどが取り扱うローン |
4)医療ローン
4つ目の目的ローンは、医療ローンです。
病気やケガの治療に高額な費用がかかる場合に利用でき、多くの場合、病院やクリニックと提携している金融機関が借り入れ先になります。
保険適用外の医療に対しても利用でき、商品によっては金利を負担してくれるケースもあります。
5)ブライダルローン
5つ目の目的ローンは、ブライダルローンです。
その名の通り、結婚式に使う費用を貸してくれるローンになります。
また、結婚式の費用としてだけでなく結婚指輪や新婚旅行の費用、家具・家電の購入、住宅の入居費用など結婚に関する様々な目的で利用可能です。
銀行や信販会社が提供しており、中には結婚式場と提携しているところもあります。
6)デンタルローン
6つ目の目的ローンは、デンタルローンです。
その名の通り、歯科治療にかかる費用を貸してくれるローンになります。
インプラントや矯正歯科は、数十万円~数百万円の費用がかかる場合もあります。
見た目を綺麗にする審美歯科の場合、保険適用外の治療になるため費用は高額です。
歯科医院と提携している信販会社から借りられるものや、目的ローンの一つに「デンタルローン」を展開している地方銀行もあります。
7)ビジネスローン
7つ目の目的ローンは、ビジネスローンです。
ビジネスローンを使えば、事業資金として使用するお金が借りられます。
申し込みの対象者は、法人経営者および個人事業主だけです。
借りたお金は新規事業の立ち上げ資金以外にも、設備投資資金や運転資金、取引先への支払い資金として利用できます。
8)相続・事業承継向けローン
8つ目の目的ローンは、相続・事業承継向けローンです。
この目的ローンを利用すれば、納税や代償分割の代償金、事業承継に必要な株式取得などに必要なお金を融資してもらえます。
他にも、相続に関する登記・税理士・司法書士などの報酬費用としても利用できます。
目的ローンを使うメリット
ここでは、目的ローンを使うメリットを紹介します。
低金利で借り入れられる
1つ目の目的ローンを使うメリットは、低金利で借り入れられる点です。
まずは、大手消費者金融の金利を見ていきましょう。
金融機関 | 金利 |
プロミス | 年4.5~17.8% |
アコム | 年3.0~18.0% |
アイフル | 年3.0~18.0% |
SMBCモビット | 年3.0~18.0% |
レイクALSA | 年4.5~18.0% |
カードローンを初めて利用する場合は、上限金利が適用されます。
消費者金融系カードローンの金利は、だいたい18%前後です。
それに対して目的ローンは、種類によって異なるもののカードローンの金利よりは圧倒的に低い設定となっています。
参考までに、みずほ銀行の住宅ローン・教育ローン・リフォームローンの金利を見てみましょう。
住宅ローン | ・0.625%(変動) ・1.54%(固定) |
教育ローン | 3.475% |
リフォームローン | 3.975% |
このように、低めの金利設定です。
利用目的が明確かつ専用のローン商品があるなら、目的ローンを利用した方が良いでしょう。
借入すぎる心配がない
2つ目の目的ローンを使うメリットは、借入しすぎる心配がない点です。
目的ローンは、あらかじめ何に使うのか伝えて、必要な金額だけを一括で貸してくれます。
そのため、カードローンのように使いすぎる心配がありません。
高額融資が期待できる
3つ目の目的ローンを使うメリットは、高額融資が期待できる点です。
消費者金融が提供するカードローンは、総量規制の対象となっています。
総量規制とは、年収の3分の1を超える金額を借り入れてはならないという法律です。
しかし、目的ローンは総量規制の「除外の貸付」なので、借入額が年収の3分の1を超えていても融資してくれます。
もちろん審査によって限度額が決められるため、必ずしも希望額が通るわけではないものの、カードローンよりは高額融資が期待できるでしょう。
目的ローンを使うデメリット
続いては、目的ローンを使うデメリットを紹介します。
提出書類が多くなる
1つ目の目的ローンを使うデメリットは、提出書類が多くなる点です。
フリーローンやカードローンは、基本的に本人確認書類だけで融資してもらえます。
利用額が多くなっても「本人確認書類+収入証明書」だけでOKです。
それに対して目的ローンは、「請求書」や「見積書」など様々な書類を用意する必要があります。
当然、用意する書類が多いと審査に時間がかかるので、余裕を持って申し込まなければなりません。
審査に時間がかかる
2つ目の目的ローンを使うデメリットは、審査に時間がかかる点です。
即日融資などもあるカードローンに対して、目的ローンは必要書類が多かったり、希望額が高かったりすることから審査に時間がかかります。
目的ローンの種類によって異なるものの、平均して1週間~3週間程度が必要です。
申し込む際は、時間に余裕を持っておくようにしましょう。
繰り返し融資してもらえない
3つ目の目的ローンを使うデメリットは、繰り返し融資してもらえない点です。
カードローンは、必要な時にその都度お金を借りられます。
一方で目的ローンは、最初に一括で融資を受けるので、後になって追加でお金が必要になっても融資してもらえません。
例えば、カーローンで100万円を借りてから、オプションを付けるために追加でお金が必要になった場合、再度カーローンに申し込まなければなりません。
再び審査を受けるため、かなり面倒な手間を踏む必要があります。
目的ローンとフリーローンを選ぶポイント
今回は、目的ローンとフリーローンの違いについて解説しました。
利用目的が明確で、なおかつ専用のローン商品があるなら、金利の低さや融資額の多さから目的ローンを利用した方が良いでしょう。
目的ローンの利用を検討している場合、ぜひ以下のポイントに注目してください。
- 金利
- 保証料
- 有担保・無担保
- 固定金利・変動金利
- 返済のしやすさ
金利や保証料が低く、無担保で借りられた方が利用しやすいでしょう。
変動金利と固定金利に関しては、どっちかが優れているわけではないため、返済計画から自分に合う方を選ぶようにしましょう。
変動金利と固定金利の特長に関しては、以下の表を参考にしてみてください。
金利方式 | 特長 |
変動金利 |
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固定金利 |
|
最後に、デンタルローンやブライダルローンは、医院や式場によって使えるローンの種類が限られている場合があるので注意してください。
目的ローンは金利が低めに設定されている分、仕組みが複雑で手続きも面倒です。
利用する際は、しっかり調べて準備してからにしましょう。