目的ローンは総量規制の対象?

ローンを利用する際に、総量規制という言葉を見た経験がある人は多いでしょう。

ただ、総量規制について耳にするのは、カードローンの話題ばかりです。

利用用途が決まっている目的ローンでは、総量規制が適用されないのでしょうか。

本記事では、総量規制はどのような制度なのか説明したうえで、目的ローンと総量規制の関係性や目的ローンの審査対策について解説します。

目的ローンは総量規制の対象?

目的ローンは、基本的に総量規制の対象ではありません

そもそも、目的ローンの大半が総量規制の「除外貸付」となっています。

日本貸金業協会が除外貸付としている契約は、次の通りです。

  • 不動産購入のための貸付け(いわゆる住宅ローン)
  • 自動車購入時の自動車担保貸付け(いわゆる自動車ローン)
  • 高額療養費の貸付け
  • 有価証券を担保とする貸付け
  • 不動産(個人顧客または担保提供者の居宅などを除く)を担保とする貸付け
  • 売却予定不動産の売却代金により返済される貸付け

出典:日本貸付業協会「総量規制が適用されない場合について」

住宅ローン・カーローン・医療ローン・デンタルローン・美容ローンなど大半の目的ローンは上記に該当しているため、基本的に総量規制の対象外となります。

そもそも目的ローンってなに?

目的ローンとは、その名の通り特定の目的だけに利用できるローンです。

有名な目的ローンには、以下のような種類があります。

  • 住宅ローン
  • カーローン
  • ブライダルローン
  • 事業ローン
  • 医療ローン
  • デンタルローン
  • 美容ローン
  • 教育ローン

目的ローンとは、あくまでこれらのローンの総称であり商品名ではないのです。

消費者金融のプロミスでは「目的ローン」という名前の商品を提供していますが、住宅ローンやカーローンのような特定の利用用途が定められているわけではありません

使い道が明確であれば医療費や結婚式など様々な用途で利用できますが、総量規制の対象になってしまう点に注意が必要です。

ちなみに、ブライダルローンや教育ローンといった一部の目的ローンは除外貸付ではないものの、銀行が提供しているので、年収の3分の1以上を貸付してもらえる可能性があります

総量規制とは?

総量規制とは、「改正貸金業法第13条の2」で定められたルールです。

貸金業法では、「貸金業者が行う貸し付けは、本人の年収の3分の1を超えてはならない」と定められています。

例えば年収が300万円なら、融資してもらえるのは100万円までです。

しかし、貸金業法に基づいて審査を行うのは消費者金融だけで、銀行は「銀行業法」に従って審査していきます。

そして、銀行業法には「年収の3分の1を超える金額を貸し付けてはならない」などのルールはありません

そのため、銀行が提供するブライダルローンや教育ローンなどの目的ローンは、年収の3分の1以上を貸付してもらえる可能性があるわけです。

銀行の目的ローンは全部総量規制の対象外なの?

上記で伝えたように、銀行は法律的に見ると総量規制の対象外となっています。

しかし総量規制は、借金によって破産する人が後を絶たない事態を重く見た政府が作った法律です。

これは、政府が「年収の3分の1を超えなければ返済できる可能性が高いですよ」と示しているのと同じであり、銀行は総量規制と同様の規制を自主的に設けています

そのため、仮に銀行であっても、希望額が年収の3分の1以上であれば審査に落ちる可能性は高いと言えるでしょう。

ただ、年収の3分の1以上の金額が必要な場合、審査に通る可能性は消費者金融よりも銀行の方が高いので、ダメ元で申し込むなら銀行一択です。

銀行の審査って厳しい?

銀行は、金利が安い代わりに審査が厳しいと言われています。

また、数年前から「銀行カードローン審査の厳格化」が進められるようになりました。

銀行全体で見られる動きとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 預金保険機構を通じて警視庁のデータベースに照会する
  • 審査業務を保証会社へ丸投げせず、銀行でも審査体制を構築する
  • 公式ホームページから「最短即日融資」や「収入証明書不要」といった言葉を削除
  • 収入証明書の提出判断ラインを引き下げ
  • 貸付後も定期的に信用情報の照会を行い、返済能力を超える貸付を監視する
  • 貸付残高の公表

あくまで銀行カードローンにおける審査の厳格化ではあるものの、目的ローンも銀行が提供している商品です。

カードローンが厳格化すれば、もちろん目的ローンにも少なからず影響はあると考えられます。

ただ審査が厳しくなったとはいえ、しっかり対策を講じれば通過する可能性を高くできるので安心してください。

銀行の目的ローンの審査に落ちた!審査落ちの原因は?

ここでは、ブライダルローンや医療ローンなど、銀行の目的ローンの審査に落ちた原因について解説します。

口座が必要なのに作っていなかった

1つ目の銀行の目的ローンの審査落ちの原因は、銀行口座が必要な場合は作っていなかったことです。

銀行の目的ローンは、借り入れや返済として自社の普通口座を使うケースが多くなっています。

もし銀行口座がないと、目的ローンの申し込み時に同時に開設する必要があり、融資まで時間がかかる可能性があります。

審査の通過率に大きな影響こそありませんが、スムーズに融資を受けたいなら口座は先に作っておくのがオススメです。

申し込み情報を間違えていた

2つ目の銀行の目的ローンの審査落ちの原因は、申し込み情報を間違えていたことです。

申込情報は正確に記入しないと、確認のための電話を受けなければいけなくなったり、先方と連絡が取れなかったりと面倒な事態になります。

また、虚偽申告が疑われると審査に悪影響を及ぼす恐れがあるのです。

仮に嘘をついたつもりがなくても、相手が「嘘をついたのでは?」と疑われた時点で、審査に落とされる可能性もあります。

不毛な審査落ちを避けるためにも、必ず申込情報を記載した後2~3回は誤りがないか確認してください。

虚偽の申請をしていた

3つ目の銀行の目的ローンの審査落ちの原因は、虚偽の申告をしていたことです。

間違えて申告しただけでも審査に悪影響を及ぼすので、当然意図的に虚偽の申告をしてバレれば確実に審査に落ちてしまいます

審査に通る可能性を少しでも上げたい気持ちは理解できますが、虚偽申告によって審査落ちしていては意味がありません。

嘘は必ずバレるので、情報は正直に記入しましょう

他社からの借り入れ額が多かった

4つ目の銀行の目的ローンの審査落ちの原因は、他社からの借入額が多かったことです。

銀行が総量規制の対象外とは言っても、やはり他社からの借り入れ状況はチェックします。

借入額が多いほど返済は困難になるので、新たなローンに申し込む前に他社からの借入額は減らすようにしてください

もちろん、完済してから目的ローンに申し込むのが一番理想的です。

借り入れ希望額が高かった

5つ目の銀行の目的ローンの審査落ちの原因は、借り入れ希望額が高かったことです。

何度もお伝えしている通り、銀行なら年収の3分の1以上の借入ができる可能性があります

一方で、総量規制について知らない銀行員はいないでしょう。

そのため、希望額が高い申し込みを見ると「年収の3分の1を超えているな」と考えて、融資をためらってしまうのです。

例えば、自分自身であっても友人や家族から「1,000円貸してほしい」と言われるのと、「10万円貸してほしい」と言われるのではハードルが違うでしょう。

銀行も基本的には同じなので、希望額はできるだけ少なくするのがオススメです。

借り入れ件数が既に3件以上あった

6つ目の銀行の目的ローンの審査落ちの原因は、借り入れ件数が3件以上だったことです。

ローンは、借り入れ件数が3社以上あると審査に通りにくいと言われています。

もし既に3社以上からお金を借りているなら、いくつか完済して2社以下にしてから申し込むようにしてください。

信用情報に金融事故の情報が記載されている

7つ目の銀行の目的ローンの審査落ちの原因は、信用情報に金融事故の情報が残っていることです。

信用情報とは、現在のローン返済状況や過去の返済事故などが記録されたもので、信用情報機関と呼ばれる場所で管理されています。

ローンやクレジットカードなどに申し込むと、申し込みを受けた会社は信用情報を取得して審査に利用します。

返済事故には、過去の延滞や債務整理を行った情報が含まれており、審査に影響を及ぼすのです。

どのような影響があるかは、以下の表で確認しましょう。

事故情報が審査に与える影響
個人再生・自己破産・任意整理などの債務整理 審査通過不可能
カードローンやクレジットカードの強制退会 審査通過不可能
クレジットやローンの滞納(一ヶ月以上) 審査で不利になる
他社借入がすでに4件以上ある 審査で不利になる

債務整理をしている場合は、以下の期間を過ぎないと絶対にローンの審査に通りません

債務整理の種類 登録期間
任意整理 完済から約5年
個人再生 約5~10年
自己破産 約5~10年

事故情報として扱われている場合、一定期間を過ぎないと情報が削除されないので、信用情報に傷がある方は期間を空けてから申し込むようにしてください。

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目的ローンの審査に落ちたときの対処法は

最後は、目的ローンの審査に落ちた時の対処法について解説します。

消費者金融のカードローンに申し込む

1つ目の目的ローンの審査に落ちた時の対処法は、消費者金融のカードローンに申し込むことです。

一般的に銀行よりも、消費者金融の方が審査は優しいと言われています。

実際、「銀行の審査に落ちたけど消費者金融の審査には通った」という方は存在しています。

もし、信用情報や他社からの借入額などの問題がない状態で審査に落ちたら、消費者金融のカードローンに申し込んでみてください。

例えば、アコムは初めて使う人からの支持が厚く、誰でも安心して申し込める点が魅力です。

半年後に再度申し込んでみる

2つ目の目的ローンの審査に落ちた時の対処法は、半年後に再度申し込んでみることです。

ローンの申し込みをすると、申し込んだことが信用情報に記録されます。

つまり短期間に何度も申し込みを繰り返すと、その情報が申し込んだ全ての金融機関にバレてしまうのです。

当然、大量の申し込みを見た金融機関は「こんなにたくさん申し込むのは怪しい」と考えて融資を見送ってしまう可能性が高いのです

また審査に落ちた後すぐに再申し込みをしても、信用情報に変化がないので再度審査に落ちてしまうのは目に見えています。

目的ローンの審査に落ちた場合、半年くらい期間を空けてから再度申し込んでみてください。

ローン以外の方法でお金を工面する

3つ目の目的ローンの審査に落ちた時の対処法は、ローン以外の方法でお金を工面することです。

お金を作る方法は、なにもローンだけではありません。

以下のような方法を使えば、お金を用意できます。

  • アルバイトをする
  • 副業を始める
  • 知り合いからお金を借りる
  • 手元にあるものを売って現金化する

また、今すぐにお金が必要というわけではないなら、コツコツと貯金して目標金額を目指すのも一つの方法です。

お金を貯めて資金を増やせば、目的ローンを利用する際の希望額を減らして審査に通りやすくできるので、急いでいない人は資金を増やしてから目的ローンに申し込んでください。

利用したことのないローン先に申込む

4つ目の目的ローンの審査に落ちた時の対処法は、今まで利用したことのない目的ローンに申し込むことです。

例えば20代のときにオリコのカーローンで延滞トラブルを起こした場合、時間が経って信用情報からは情報が消えたとしても、社内では延滞の情報を残している可能性が高くなっています。

こうなると、10年以上経っていたとしてもオリコの目的ローンを利用できる可能性は低いでしょう。

過去に延滞や長期間の滞納をしたことがある人はその会社を避け、利用したことのないローン会社に申込をしましょう。

まとめ

目的ローンの審査に通るために情報を集めるのは、非常に重要なことです。

目的ローンを利用した後月にいくらずつ返済していくか、いつまでに完済できそうかなど、計画はしっかり立てておくことをおすすめします。

審査に通って融資を受けられたものの、返済できず困った…なんてことにならないよう、計画的に利用しましょう。