
カードローンには、個人がお金を借りられる商品や、複数の借入れを1本化するおまとめローンなどいくつか種類があります。
中でもおまとめローンは、複数のカードローン契約を1本化できることが特徴で、返済日や借入残高の管理がしやすくなるメリットがあります。
今、2社以上の借入れがあり返済日や借入残高の管理が複雑など、カードローンに関する悩みがある方の解決法の1つです。
利用する際は、おまとめローン専用の商品を利用するパターンと、用途が自由なフリーローンをおまとめ目的で利用するパターンがあり、取り扱う商品は各社で異なります。
今回は、おまとめローンの仕組みや特徴、消費者金融系と銀行系のおまとめローンの特徴や違いについて紹介していきます。
おすすめのおまとめローンも紹介するので、2社以上から借入れがある方はぜひ参考にしてください。
おまとめローンはどういうもの?
おまとめローンは、2社以上から借入れがある場合に、別のおまとめローンから借入合計額分を借りて他社の返済に充て、借入れ先を1本化する商品です。
ばらばらの返済額や返済日、借入残高の管理を1ヵ所に集約でき、商品によっては金利や返済額を軽減することができるのが大きな特徴です。
はじめに、おまとめローンの仕組みから見ていきます。
おまとめローンの仕組みと借り換えとの違い
おまとめローンは、2社以上の借入れがある方を対象とした商品で、返済管理しやすくなるローン商品です。
例えば今、A社30万円、B社20万円、C社20万円と3社から合計70万円の借入れがあるとします。
D社のおまとめローンに申込み、70万円を借りてA社・B社・C社のそれぞれを精算すると、借入先はD社のみになります。
おまとめローンを利用すると、返済日や借入残高の管理もD社のみとなり、D社の借入金額によっては金利が下がり、月々の返済額を軽減できるメリットがあります。
おまとめローンと混同されやすい商品に借り換えが挙げられますが、借り換えは1社からの借入れがある場合に借入先を変更することを指します。
既存の借入先の金利よりも低い金利の借り換えローンからお金を借りて、既存の借入れを精算し以前よりも低金利で返済していくイメージです。
おまとめローンは、複数社からの借入れを別のローンを利用して完済し借入先を1本化することを指します。
一方、借り換えローンは、1社のローンをより金利が低いローンに乗り換えることを指します。
おまとめローンは総量規制の対象外
おまとめローンの利用で気になるのは、総量規制に関することです。
基本的には、消費者金融系カードローンは総量規制の対象となり、年収の1/3を超えて借りることはできません。
複数社から借入れがある場合は、その合計金額で判断されます。
例えば年収300万円の人なら、総量規制による借入上限は100万円です。
A社30万円、B社20万円、C社20万円と3社から合計70万円の借入れがあると、残りは30万円しか借りられません。
ただし、おまとめローンは総量規制の例外貸付にあたるため、審査にもよりますが総量規制の範囲を超える借入が可能となります。
例えば、年収300万円の人が3社で90万円の借入れがある場合、おまとめしたいと思っても金利が上乗せになり100万円を超えてしまいます。
おまとめローンならその点をクリアできるため、おまとめする際に年収の1/3を超えてしまうとしても審査に通れば借入れできます。
おまとめローンに対応しているフリーローンもある
フリーローンは、利用目的が自由な商品で借入限度額の範囲で自由に借入れができるものです。
カードローン各社では、おまとめに使えるフリーローンを用意している業者もあります。
ただ、中には使用目的を自由としていながらもおまとめはNGという商品もあるので事前に確認しておきましょう。
次は、おまとめローンを扱うカードローン会社のうち、消費者金融系と銀行系にわけて特徴を紹介していきます。
消費者金融系カードローン
カードローンは、大きく分けて消費者金融系と銀行系に分けることができます。
どちらも審査に通ればお金を借りられますが、どちらを利用するか迷う人もいるでしょう。
ここではそれぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介していきます。
消費者金融系カードローンのメリット・デメリット
消費者金融系は、大手なら知名度が高く全国展開しているため、比較的身近で利用しやすい傾向があります。
インターネット・無人契約機・電話・郵送・店頭窓口など申込み方法が豊富にあり、お金が必要になったときすぐ利用できるのが魅力です。
メリット
消費者金融系は、幅広い年齢層や属性の方を対象としています。
そのため、パートやアルバイトで収入を得ている方も申込める商品が多くあります。
審査は、年収の高さよりも返済能力を重視する傾向があり、銀行系カードローンに比べると難易度はやや低めでしょう。
例えば、過去に金融事故を起こした経験がある人でも、現状で正社員で働いている場合は審査に通る可能性が期待できます。
デメリット
ローンを利用する上で金利や限度額は重要なポイントになりますが、消費者金融系は金利・限度額ともに高めの設定です。
消費者金融系カードローン大手を参考にすると多くは上限金利年18.0%です。
個人の利用状況にもよりますが、上限金利は100万円以上の借入れをしない限り年18.0%が適用されます。
おまとめローンの限度額は最高300万円で、個人向けのカードローンよりは低くなります。
また、比較的低金利の借り入れをまとめようとすると、逆に返済総額が高くなってしまうこともあります。
申し込み前に、どの金融機関から金利を何%で借り入れているのかを確認する必要があります。
次は、おまとめローンにも使えるおすすめの消費者金融系カードローンを紹介します。
おすすめの消費者金融系カードローン(おまとめ)
消費者金融系カードローン会社が扱うおまとめローンのうち、おすすめの商品を紹介します。
アイフル・SMBCモビットは、それぞれWeb完結で申込み可能、上限金利は高いですが大手の安心感があります。
限度額や金利は各社で異なるものの、返済期間が10年以上と長期的な設定になっています。
カードローン会社 | 利用限度額 | 金利 | 返済期間 |
アイフル (おまとめMAX) | 1~800万円 | 3.0%~17.5% | 最長10年 |
SMBCモビット (おまとめローン) | 500万円 | 3.0%~18.0% | 最長13年4ヵ月 |
銀行系カードローン
銀行系カードローンは、消費者金融系の商品に比べて申し込みのハードルが高く感じる方もいるでしょう。
しかし、メガバンクから地方銀行まで広くさまざまな商品があります。
おすすめのおまとめローンも紹介するので、ぜひ目を通してください。
銀行系カードローンのメリット・デメリット
銀行からお金を借りるというと車や住宅ローンなど固いイメージがありますが、各行でおまとめローンに対応する商品を扱っています。
銀行系カードローンのメリットから見ていきましょう。
メリット
銀行系のおまとめローンは、消費者金融系よりも金利が低いことがメリットです。
消費者金融系カードローンの金利は、平均で18.0%くらいです。
対して、東京スター銀行を参考にすると、上限金利が14.6%と低いことがわかります。
借り入れ限度額は、銀行ごとに異なるものの消費者金融系より高めの設定が多いです。
※画像元:東京スター銀行公式HP「おまとめローン」
デメリット
銀行系のおまとめローンは、審査基準がやや厳しいことがデメリットです。
申し込む際は、インターネットや窓口・郵送などで手軽に申込めるものの、パートやアルバイトなど年収が低い場合は審査に通らないケースがあります。
また、基本的には、おまとめローンに申し込む銀行の銀行口座が必要になるため、そのために口座を新規開設するとなると手間も時間もかかります。
次は、銀行系のおまとめローンの中でもおすすめの商品を紹介していきます。
おすすめの銀行系カードローン(おまとめ)
銀行系のおまとめローンは、銀行ごとに利用限度額や金利・返済期間が異なるものの、全体的に金利が低く限度額が高めになっていることがわかります。
楽天スーパーローンは、返済期間が1年ごとの自動更新なので少し特殊ですが、専業主婦も申し込めることがおすすめポイントです。
銀行名 | 利用限度額 | 金利 | 返済期間 |
楽天銀行 (楽天銀行スーパーローン) | 800万円 | 1.9%~14.5% | 1年ごとの自動更新 |
東京スター銀行 (おまとめローン) | 30~1,000万円 | 9.8%・12.5%・14.6%の固定金利 | 10年 |
イオン銀行 (フリーローン) | 10~700万円 | 3.8%~13.5% | 1~8年 |
消費者金融系カードローンと銀行系カードローンの違い
消費者金融系カードローンと銀行系カードローンの決定的な違いが1点あります。
消費者金融系カードローンでは、銀行系の借入れがおまとめできない点です。
消費者金融系カードローンは、貸金業者からの借入れをおまとめする商品なので、貸金業者ではない銀行系カードローンはおまとめ対象外となります。
また、おまとめローンをする際に、総量規制が気になる方もいると思いますが、総量規制は貸金業者からの借入れが対象となり銀行系カードローンは対象外となります。
そのため、おまとめする際に借入れ総額が年収の1/3を超えてしまう場合は、銀行系カードローンの利用がおすすめです。
[faq][faq_item question=”銀行(信用金庫、信用組合、労働金庫、農協等)からの借入れも合わせると、借入残高が年収の3分の1を超えてしまいます。これ以上の借入れはできないのですか?” answer=”
総量規制は、貸金業者からの借入れを対象としており、銀行の貸付けは貸金業法の規制(総量規制)の対象外です。したがって、銀行等からの借入れを合わせた結果、借入残高が年収の3分の1を超えていたとしても、ただちに総量規制には抵触しません。
また、銀行のカードローンも、一般の銀行等の借入れ同様、総量規制の対象とはなりません。
“][/faq_item][/faq]
※引用元:貸金業法Q&A:金融庁
銀行系は、金利が低く限度額が高めの商品が多く、消費者金融系は、金利が高く限度額も高めの商品が多いです。
審査はどちらも信用情報を元に行いますが、不安がある方は消費者金融系から申し込んでみると良いでしょう。
- 金利は消費者金融系が高め
- 限度額は銀行系の方が高め
- 審査の難易度は銀行系の方が厳しい
- 消費者金融系は銀行系カードローンからの借入れをおまとめできない
- 年収の1/3を超えるおまとめは銀行系のみ
おまとめローンをする上での4つの注意点
おまとめローンを利用する際は、消費者金融系・銀行系のどちらの商品を利用するとしても、いくつか注意しておきたいことがあります。
ここでは知っておきたいおまとめローンの注意点を紹介するので、おまとめの予定がある方はぜひチェックしてください。
1)おまとめローンは返済のみ、追加融資はできない
おまとめローンは、そもそも複数の借入れを返済するための商品です。
複数社の借金合計額をおまとめローンで借りて他社の返済に充てる目的のため、利用後は返済するのみ追加融資はできません。
個人向けカードローンが限度額の範囲なら何度でも借入れ・返済ができるため、混同しやすいですがこの点には注意です。
2)フリーローンでおまとめする際は事前に確認を!
ローンの中には、使用目的が自由なフリーローンと呼ばれる商品があります。
まとまった金額を一度に借りることが出来るので、おまとめローンとして利用する人もいます。
ただし、中にはおまとめには使えないフリーローンもあるので、おまとめ目的で利用する際は、事前に確認しておくことをおすすめします。
3)パートやアルバイトは申し込み対象外の商品がある
おまとめローンの中には、パートやアルバイトで収入を得ている人は申込み対象外の商品があります。
この申込条件は銀行系のおまとめローンに多いです。
銀行系のおまとめローンを利用する際は、申し込む前に申込条件をしっかり確認することをおすすめします。
4)消費者金融系では銀行系の借入れをおまとめできない
消費者金融系のおまとめローンは、銀行系からの借入れをおまとめできません。
借入れの中に銀行系の借入れがある場合は対象外となるので、どこから借りているのか確認するようにしましょう。
消費者金融系と銀行系、どちらのおまとめローンが得なのか?
消費者金融系と銀行系のどちらもおまとめローンがありますが、返済する金額や期間を考えると金利が低い方が支払う利息を軽減できます。
消費者金融系と銀行系で迷ったときは、金利の低い銀行系おまとめローンがおすすめです。
ただ、銀行系はどうしても審査が厳しくなりがちで、商品によってはパートやアルバイトの申込み不可、年収のボーダーラインがある商品もあります。
過去に返済の遅れがあった人は、審査落ちの可能性も高くなるので、日ごろから返済を含む支払いは期日に遅れないようにしておきましょう。
おまとめする際は、消費者金融系・銀行系のどちらを利用するか、自分の状況に合わせていくつかのおまとめ商品を比較検討してみてください。