
カードローンに申し込んで審査に通ると、社会人として認められたような嬉しさがあります。
そのため、利用開始前は「計画性を持って使っていこう」と誰もが決心するでしょう。
一方で、ちょっと足りないから…これくらいならいいかな…と、気がつけば借入が多くなってしまうこともあります。
そうなると、返済日にお金を用意できずに返済が遅れてしまった、返済の連絡を無視して2ヶ月経ってしまったなどのハプニングが起こり始めます。
- お金がなくて返済期日にお金を振込めない
- 返済を忘れていませんか?と連絡が来る
- 連絡を無視している
- 次の返済期日が過ぎようとしている
そこでここでは、カードローンを滞納する前にしておくべきことや、滞納後はどうなるのか、滞納しているときはどうすべきなのか、まとめてみました。
返したいのに返せない。滞納しそうなときにするべき3つのこと
カードローンを利用しているなかで度々返済が遅れてしまい、このままだと長期的に滞納してしまいそうだと弱気になる時もあるかもしれません。
現実的に滞納しそうと感じたときは、どのように対策をすればいいのでしょうか。
1)カードローン会社に連絡をして相談をする
相談しづらい気持ちは十分にわかりますが、返済日を守れそうにないときは、現状をカードローン会社に伝えて相談するべきでしょう。
相談する前の準備は、反省すること、そしていつまでなら入金できるのかを明確にすることです。
20日の返済日には難しくても、25日には必ず3万円を入金できるなど、はっきりと伝えましょう。
2)借り換えローンやおまとめローンの申込をする
うっかり返済日を忘れていたのなら、返済方法を口座引き落としに設定したり、連絡後にすぐ入金したりと挽回ができます。
ただ、そもそも返済額が大きくて負担になっている場合は、今よりも金利の低いカードローン会社に乗り換えて、返済額を減らすのも1つの方法です。
そのほかにも、借入先が複数あって返済に追われている場合は、借入先を1社にまとめる「おまとめローン」という選択肢もあるので、申込を考えてみましょう。
3)両親やパートナーなどに借りる
返済日にお金が足りないことを正直に伝えて、身近な人にお金を借りる方法もあります。
自分以外の人にお金がないことを打ち明けるためハードルは高いですが、自分と近い人物であるほど親身に相談に乗ってくれたり、精神的に助けてくれることもあるでしょう。
黙って日にちが過ぎるのを待っていたり、行動を起こしていなかったりしては、返す当てがないので滞納が決定的となってしまいます。
もし上記の3つのうち、どれもできずに返済日が過ぎてしまったときは、下のチャプターを読んでください。
滞納してしまった後に起こるトラブルとは?
返済日までお金を入金できなかったとき、返済ができず日にちが過ぎているとき、カードローン会社が判断したときに「滞納」となります。
そうなると、考えてもいなかったことを求められることもあります。
滞納したあとに起こるリスクのある8つのできごと
滞納は「滞納しちゃった。」と軽く終われるものではなく、返済という約束を破ったことで受けるペナルティは重くなります。
1.遅延損害金が発生
返済日が過ぎても入金がされない場合、遅延損害金が発生します。
これは申込時の利用規約にも書いてあり、多くのカードローンで遅延損害金利率は年20%となっています。
例えば年14.5%でカードローンを利用していたとしても、入金がなかった日から遅延損害金利率の年20%に切り替わります。
返済が遅れたときは、入金するまで金利が高くなることを覚えておきましょう。
2.返済が行われるまでカードローンは使えない
利用限度枠にゆとりがあっても、返済日が過ぎていて利用停止処置が取られている場合は出金できません。
利用停止はこれまでの利用状況から、すぐに行なわれることが多い傾向にあります。
つまり返済ができていないのに、借入をすることはできないのです。
3.利用枠の減少
返済の延滞や滞納が多いときは、利用限度枠が減らされることもあります。
例えば利用限度枠が30万円あり、そのうちの25万円を利用して滞納したとします。
そして利用枠が10万円減らされて20万円になった場合、5万円以上返済をしないと利用できず、それまでは返済のみとなってしまいます。
4.一括返済を求められる
カードローン会社としては返済をしてもらわないと損害が出てしまうので、利用停止はもちろん残金の一括返済を求められる場合もあります。
5.個人信用情報機関に記録が残る
利用規約に書かれている信用情報機関のいずれかに、滞納している事実が記載されます。
- 指定信用情報機関(CIC)
- 日本信用情報機構(JICC)
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
これは、俗に言う「ブラックリスト入り」の状態になります。
ブラックリスト入りをすると、クレジットカード・カードローン・住宅ローン・携帯電話やスマホの分割払いの審査に落ちる可能性が高くなってしまいます。
これは企業側が、審査の段階で必ず信用情報を開示するため、利用者が滞納していることがほぼ確実に認識できるからです。
申込側も回収できないリスクを冒してまで、お金を貸すことはできないのです。
6.返済担当が変わる
滞納をすると、今まではカードローン会社から連絡が来ていたのに、急に別会社から連絡が来るようになります。
これは、カードローン会社が残金の回収を別の会社に委託、または譲渡したことで起こります。
こうなると特別措置法に基づいての催促・回収が行われ、督促状が届くこともあるでしょう。
7.勤務先に連絡が来る
連絡は携帯電話にしか来ないからと思って無視していると、勤務先や自宅に電話が来ることがあります。
今まで連絡がついていたのに連絡が取れなくなったことで、貸し倒れを防ぐために連絡を取る必要があるからです。
ただ、深夜や早朝など時間を問わず繰り返し電話がくることはありません。
8.差し押さえを受ける
返済をせずに法的な訴えを起こされたときは、給料や銀行口座を差し押さえられることもあります。
給料の差し押さえが行われると、契約者とその勤め先に債権差押令正本が届くので、確実にカードローンの利用が会社に知られてしまいます。
このことで会社に居づらくなったり、同僚とのコミュニケーションが取りづらくなったりすることもあるでしょう。
借り換えローンやおまとめローンに申し込みをせず、滞納したときはどうするべきなのか
カードローンで借りたお金が返済できないときは、深く悩みがちです。
しかし、悩んでいても入金や話し合いがなければ解決にならないので、1日も早く生活を立て直していきましょう。
借り換えローンやおまとめローンは滞納前に可能な対処法ですが、滞納を続けてしまった方は信用がないため、申込後の利用は難しくなっています。
ここからは、滞納しているときはどうしたらいいのか、3つの方法を挙げてみました。
1.法的措置を利用する
まずは、債務整理の準備をしましょう。
弁護士や行政書士を頼るのはハードルが高いときは、JCCO公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会で無料で借金の相談もできます。
相談やカウンセリングで立て直し方を見つけたり、覚悟を決めて手続き方法を踏み出せたりできるでしょう。
2.副業を始める
カードローン側の信頼は減っており、再度相談しても冷たく対応されるかもしれません。
それでも法的措置を取りたくないのであれば、土日だけの日雇いや本業後にバイトをするなどして、少しずつでも返済をしていくのも方法です。
コツコツと返済する姿勢を、まず見せることが大切です。
3.生活を見直し切り詰めて返済していく
今の生活でかかっている費用を紙に書き込み、そこから切り詰められるものを見つけて、その分を返済に充てていく方法です。
自宅のインターネットを解約する、スマホを格安スマホに切り替える、サブスクを解約するなど我慢できるものを挙げていきましょう。
完済後はまた契約できると、前向きに考えることが大切です。
滞納の流れで見るタイミング別 対処方法
ではここでは逆に、今の自分はどの状態にいて、どの対処法が使えるのかを確認してみましょう。
返済が遅延、滞納しそうなとき
まだ、返済日は来ていない、しかし返済が遅れそうなとき、まず現在の借入総額がいくらになっているのかを確認しましょう。
月収からいくら返済できるのかを計算し、返済で生活が辛くなりそうなときは借り換えやおまとめローンに申し込んで計画を練り直します。
副業をして収入を増やしてみるのも、ひとつの方法です。
滞納してしまったとき
返済日が過ぎている、けれど返済できていない状況における対処法です。
まずはカスタマーセンターに電話をして、事情を説明しましょう。
口座の残高が少なかったときや単なる入金忘れのときも、連絡をしておくと安心です。
災害などで何もかもを失ってしまい、どうしていいか分からないときも、なるべく早く事情を伝えましょう。
初めて滞納したときは、返済計画を見直して、生活費の切り詰めや副業などで返済の予定を立ててみてください。
返済日が過ぎても入金できない状態のときは、個人信用情報機関に記録が残り、借り換えやおまとめローンの利用が厳しくなっている可能性があります。
そのときは、JCCO公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会や弁護士の相談窓口を利用してみましょう。
滞納を何度もしてしまったとき
滞納と返済を何度も繰り返しているときは、借り換えやおまとめローンの利用は絶望的です。
その場合は、支出の負担が大きくなっている可能性が高いので、JCCO公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会や弁護士に返済できる見込みがないか相談するといいでしょう。
催促の電話や書面が届いたとき
一括返済を求められてしまった、会社へ連絡が来たなど、比較的追い詰められた状態のときは、法的措置も視野に入れて弁護士に相談しましょう。
副業などをすれば返せる状況なのか、副業でいくら稼げば返せる額なのかを知ることで、立て直しを図ることができます。
返済をしないことで自分に起こる変化
借りたお金を返さないままでいると、自分に4つの変化が起き始めます。
「今はまだ若いし、これかもあるから。」「無理なものは無理だし。」
そんな風に思って過ごしていると、明日明後日、1年後などの近い未来で思っていもいなかったことにぶち当たり、さらに生活が苦しくなってしまうでしょう。
1)頭痛・鬱・倦怠感などの体調不良
頭痛が多くなって頭痛薬を常備するようになったり、外出が辛くなって引きこもってしまったりと、自分では分かっていない体調の変化が起きます。
返済に追われ続けるストレスから、体調に影響が出ている可能性が高いでしょう。
体調が良くないと仕事のミスにつながり、給料に響くこともあります。
2)金融機関からの信用がなくなる
冒頭にも書いたように、カードローンの審査に通ったことは、社会人として認められた気持ちになります。
安定した収入を継続的に得ている人と認められているので、誰も悪い気はしないでしょう。
ただ滞納をしてしまうと、今まで受けていた評価は下がり、金融機関からの信用がなくなってしまいます。
3)クレジットカード・カードローンなどの審査が通らない
金融機関からの信用が下がるということは、住宅ローン・カーローンなどお金が必要なときにローンを通してもらえなくなります。
またクレジットカードの審査も落ちてしまう可能性が高いので、現金やプリペイドカード、デビットカードが必須になるでしょう。
分割で物を買うのが難しいため、大きな買い物をするときはお金を貯めてから現金で購入するほかありません。
4)パートナーや家族に言えない後ろめたさ
滞納は自慢できる話ではなく、家族やパートナーに打ち明けられずに隠し続けている方もいるでしょう。
打ち明けられないことで後ろめたさを感じることはもちろん、家族やパートナーを失ってしまうかもという恐怖心にも襲われます。
頭の中にずっとバレたらどうしようとことも抱えながら、生活を続けていくのは大変つらいことです。
滞納をしてしまうとマイナスしかない
返済日を後ろにずらしてもらったことで返済できた方もいれば、滞納しそうなことを見越して借り換えやおまとめローンを利用した方もいるでしょう。
立て直しができたのなら、これからは返済に注意しながら普段通りの生活を送ればOKですが、滞納を続けてしまった場合そうはいきません。
返済を放っておいたことで、返済の催促、会社への連絡、裁判、家族に知られたくないという悩み、体調不良などいろんなマイナスでいっぱいになってしまうことが考えられます。
そうなってしまうと、失ってほしくないものまで失ってしまう可能性も出てきてしまいます。
そのうち業者が諦める、最終的に踏み倒せばいいという考えは早めに捨てて、相談や法的措置に踏み切るなど行動を起こすことが重要です。