会社員でも節税できる方法を分かりやすく解説!

サラリーマンをはじめとした会社員は、年末調整で税金が戻ってくることがあります。

多くの会社員は「年末調整でお金が返ってきてラッキー」と思うところですが、実は年末調整以外でも会社員ができる節税方法があることを知っていますか。

今回は、忙しい会社員生活のなかでもしっかりとできる節税方法を6つ解説していきます。

そもそも節税を意識した方がいい理由とは?

まず「なんで節税を意識した方がいいの?」という点について解説をしていきます。

国民負担率が年々上がっている

国民負担率とは財務省のページでこのように解説されています。

「国民負担率」は、租税負担及び社会保障負担を合わせた義務的な公的負担の国民所得に対する比率です。

財務省:負担率に関する資料

つまり、日本という国を保つ上で国民がどの程度負担をしているかという数値なのですが、この国民負担率は年々上がっています

国民負担率の推移については財務省が過去の数値も公開しています。

年度 国民負担率
昭和45年 24.3%
昭和55年 30.5%
平成元年 37.9%
平成10年 36.2%
平成20年 39.2%
令和4年 46.5%

上の表は一部の年度を抜粋したものとなりますが、過去の数値と見比べても年々国民の負担が増えていっていることは一目瞭然です。

また、現在の国民負担率だけではなく潜在的国民負担率も重要な指標です。

この潜在的国民負担率は下記のように説明されています。

「財政赤字を含む国民負担率」は、これに将来世代の潜在的な負担として財政赤字を加えたものです。

財務省:負担率に関する資料

つまり、この潜在的国民負担率は、将来負担率がどの程度増えるか測る指標となり、この数値は令和4年度では56.9%(見通し)となっています。(参照:財務省 令和4年度の国民負担率を公表します )

この潜在的国民負担率はあくまでも推定となるので、必ずこの数値になるわけではないですが、まだまだ国民負担率は上がっていく可能性が高いことを示しています。

日本は人口減少と高齢化社会の2つの問題があるため、社会保障を維持するためには現役世代の負担が増えていくのは避けられない状況にあるのです。

給料が上昇しにくい日本

国民の負担は増えていくのにもかかわらず日本は数十年間賃金の上昇がほぼありません

G7の平均賃金の推移
引用元:OECD Average wages

G7ではイタリアも2000年から賃金上昇をしていませんが、他の国は基本的に上昇傾向です。

ただ、日本についてはほぼ横ばいで平均賃金が上がっていません。

この問題については各業界でも声が上がっているものの、日本特有の働き方や文化・思想も関係しているので急激に賃金上昇が起こるとは考えにくいです。

今在籍していいる会社で年収が上がる見込みがあればいいですが、そうでない場合は転職をするしかなく、誰しもがすぐに自分の収入を上げにくいのが現状です。

負担は今後も増えていく、でも収入は増えにくい

税金関係での負担は今後も増えていくことが予想されますが、収入が同じペースで増えていくかどうかはわかりません。

つまり、普通に生活をしているだけでは自分が自由に使えるお金がどんどんと減っていく可能性があります。

収入を一気に上げることができれば問題はないかもしれませんが、ハードルも高く精神的に負荷もかかります。

そうなるとまず節税をするのが一番確実な方法となるのです。

会社員の節税方法 その1:ふるさと納税

テレビやネットでもよく見かけるふるさと納税は、簡単に伝えると『都道府県、市区町村への「寄附」』となります。

寄付した金額は所得税・住民税から控除を受けることができ、返礼品は寄付のお返しとしてもらえるのです。

ただ、控除される金額には上限があり、『総所得金額等の40% -2,000円(自己負担額)』となっています。

画像引用:総務省 ふるさと納税の概要

そして所得税・住民税から寄附金控除の適用を受けるには、確定申告かワンストップ特例制度の利用が必須です。

ワンストップ特例制度は、1年間で行ったふるさと納税の寄付先が5自治体以内であれば利用でき、書類提出のみで控除が受けられます。

ふるさと納税を利用するためにはサイトを経由して、ゆかりのあった市や応援したい村で選んだり、返礼品で選んだりするとスムーズに進むでしょう。

実際どれくらいの金額が控除されるのか分かりづらいので、以下で異なる家族構成を例に挙げて確認していきましょう。

控除上限額の目安シミュレーション例

ここでは控除額はいくらになるか、4つの家族例を挙げてみました。

  • 年収250万円、共働き(年収201万円超)の配偶者1名、16歳未満の子ども1名、18歳の子ども1名→控除上限4万円
  • 年収300万円、配偶者(専業主婦)1名、16歳未満の子ども1名→控除上限1万1,000円
  • 年収500万円、共働き(年収201万円超)の配偶者1名、17歳の子ども1名→控除上限11万1,000円
  • 年収300万円、独身→控除上限2万8,000円

参考:総務省 ふるさと納税 寄附金控除額の計算シミュレーションふるさとチョイス「控除上限額かんたんシミュレーション」

ただし、ふるさと納税は控除上限を超えて寄付をすると、超えた金額は純粋な寄付となるので控除の対象にならない点に注意が必要です。

一方で1万円だけふるさと納税をするなど、少額に抑えることもできるので、状況に合わせて対応できるところは魅力と言えます。

ふるさと納税について詳しく知りたいときは、総務省 ふるさと納税ポータルサイトを確認しましょう。

会社員の節税方法 その2:iDeCo・NISA

iDeCoとNISAは資産形成を始めやすくするために作られた制度で、運用で得た利益に対して税金がかかりません。

通常は金融商品を運用すると源泉分離課税が20.315%発生しますが、iDeCoもNISAもその分が非課税になるということです。

どちらを利用すべきか迷うところですが、それぞれの特徴を知れば選びやすくなるでしょう。

iDeCo(イデコ)

iDeCoは厚生年金や国民年金とは別に、個人で年金を運用していく任意加入の個人型確定拠出年金です。

加入から原則60歳まで掛け金を引き出せないものの、掛け金すべてが所得控除、給付を受け取るときも税制上の優遇措置がとられています。

掛け金は月々5,000円から1,000円単位で設定することができ、条件により上限金額が決まっています。

画像引用:iDeCo公式サイト

例えば43歳で年収300万円の会社員が毎月1万円の掛け金でiDeCoに加入した場合、22年間で所得税・住民税を合計39万6,000円節税することが可能です。

iDeCoでの運用成績を受け取る際には、まとめて一括で受け取る「一時金」、老齢基礎年金と同様に少しずつ受け取る「年金」があります。

また、両方を合わせた「一時金+年金」という受け取り方もあります。

そして、「一時金」として運用成績を受け取る場合は退職所得控除「年金」として受け取る場合は公的年金等控除として控除対象になります。

「一時金+年金」で受け取る場合は対処所得控除+公的年金等控除の両方で控除を活用できます。

加入前に自分がどれくらい節税できるのか知りたいときは、iDeCoシュミレーターで確認してみましょう。

一般NISA

積立による運用ではなく、年間120万円以内のまとまった資金を短期運用したいときは一般NISAがおすすめです。

一般NISAは投資商品を最大5年間、間120万円まで非課税で持つことができ、非課税投資枠の最大は600万円です。

投資できる商品は、現行のNISAなら上場株式・株式投資信託・ETF・REITなどが年間120万円までです。

2024年から始まる新しい一般NISA上場株式・ETF・公募株式投信・REITなどが年間102万円まで投資信託が20万円までとなっています。

つみたてNISA

投資信託を積み立てながら運用するのがつみたてNISAで最長20年で年間40万円まで可能です。

購入できる投資信託商品は、長期の積立で分散投資に適したものとなっていて販売手数料が無料なのが特徴です。

また、非課税期間は最大20年間ですが、途中で売却することもできます。

つみたてNISAは、長期に渡って積立を運用したい人に向いている金融商品と言えるでしょう。

iDeCoとNISAは併用できるのか

一般NISAとつみたてNISAはどちらかひとつしか選ぶことはできませんが、iDeCoと一般NISA、つみたてNISAは併用して運用することが可能です。

両方を活用した方が高い節税効果を達成できるので、金銭的な余裕がある人は積極的に利用した方がいいでしょう。

画像引用:みんなが知りたい資産運用 りそなグループ

画像のように、つみたてNISAとiDeCoを併用して運用すると税制上の優遇措置があるため、節税と老後の備えの両方ができます。

もし貯蓄に回せるお金があるならば、検討してみても良いでしょう。

会社員の節税方法 その3:生命保険料控除・地震保険料控除

生命保険料控除

自分や家族のために加入している生命保険や、何気なく加入している地震保険も実は控除の対象となっています。

年間の支払い金額に応じて所得税や住民税の負担が軽減されるので忘れずに控除の申し込みをしましょう。

控除額について詳しくは後で解説しますが、2011年12月31日までの加入は旧制度、2012年1月1日以降は新制度となり、控除の仕組みがやや異なります。

今までは『一般生命保険料控除』『個人年金保険料控除』しかありませんでしたが、2012年から『介護医療保険料控除』が新しく加わりました。

年間いくらの払い込みで、所得税と住民税がどれくらい控除されるのか、詳しく見ていきましょう。

画像引用:公益財団法人 生命保険文化センター

一般生命保険料

死亡保険などの生命保険が対象で、加入時期によって「旧(2011年12月31日以前)」と「新(2012年1月1日以降)」の2つに分かれます。

自分がどちらのタイプなのか分からない場合、保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」に「旧」あるいは「新」と記載があるので、悩まずに済むでしょう。

※財形保険、保険期間が5年未満の貯蓄保険、団体信用生命保険など対象外のものもあります。

「旧」に該当する一般生命保険料の控除額計算式

所得税
年間の払込保険料等 控除額
25,000円以下 払込保険料等の全額
25,000円超50,000円以下 (払込保険料等×1/2)+12,500円
50,000円超100,000円以下 (払込保険料等×1/4)+25,000円
100,000円超 一律50,000円

※所得税の合計適用限度額は10万円

住民税
年間の払込保険料等 控除額
15,000円以下 払込保険料等の全額
15,000円超40,000円以下 (払込保険料等×1/2)+7,500円
40,000円超70,000円以下 (払込保険料等×1/4)+17,500円
70,000円超 一律35,000円

※住民税の合計適用限度額は7万円

「新」に該当する一般生命保険料の控除額計算式

所得税
年間の払込保険料等 控除額
20,000円以下 払込保険料等の全額
20,000円超40,000円以下 (払込保険料等×1/2)+10,000円
40,000円超80,000円以下 (払込保険料等×1/4)+20,000円
80,000円超 一律40,000円

※所得税の合計適用限度額は12万円

住民税
年間の払込保険料等 控除額
12,000円以下 払込保険料等の全額
12,000円超32,000円以下 (払込保険料等×1/2)+6,000円
32,000円超56,000円以下 (払込保険料等×1/4)+14,000円
56,000円超 一律28,000円

※住民税の合計適用限度額は7万円

介護医療保険料

2012年1月1日以降に契約した医療保険やがん保険、介護保険などが介護医療保険料控除の対象です。

新しく追加された項目なので新旧の区別はなく、一般生命保険料の「新」と同じ計算式となります。

介護保険料の控除額計算式

所得税
年間の払込保険料等 控除額
20,000円以下 払込保険料等の全額
20,000円超40,000円以下 (払込保険料等×1/2)+10,000円
40,000円超80,000円以下 (払込保険料等×1/4)+20,000円
80,000円超 一律40,000円

※所得税の合計適用限度額は12万円

住民税
年間の払込保険料等 控除額
12,000円以下 払込保険料等の全額
12,000円超32,000円以下 (払込保険料等×1/2)+6,000円
32,000円超56,000円以下 (払込保険料等×1/4)+14,000円
56,000円超 一律28,000円

※住民税の合計適用限度額は7万円

個人年金保険料

個人年金保険のほか、下記の要件を満たす場合が控除の対象です。

個人年金保険料控除の要件
  • 年金の受取人が契約者(保険料負担者)、もしくは配偶者
  • 年金の受取人と被保険者が同一の人物
  • 保険料の払込期間が10年以上
  • 年金の種類が確定年金の場合、年金の支払い開始年齢が60歳以上、なおかつ支払い期間が10年以上

「旧」に該当する個人年金保険料の控除額計算式

所得税
年間の払込保険料等 控除額
25,000円以下 払込保険料等の全額
25,000円超50,000円以下 (払込保険料等×1/2)+12,500円
50,000円超100,000円以下 (払込保険料等×1/4)+25,000円
100,000円超 一律50,000円

※所得税の合計適用限度額は10万円

住民税
年間の払込保険料等 控除額
15,000円以下 払込保険料等の全額
15,000円超40,000円以下 (払込保険料等×1/2)+7,500円
40,000円超70,000円以下 (払込保険料等×1/4)+17,500円
70,000円超 一律35,000円

※住民税の合計適用限度額は7万円

「新」に該当する個人年金保険料の控除額計算式

所得税
年間の払込保険料等 控除額
20,000円以下 払込保険料等の全額
20,000円超40,000円以下 (払込保険料等×1/2)+10,000円
40,000円超80,000円以下 (払込保険料等×1/4)+20,000円
80,000円超 一律40,000円

※所得税の合計適用限度額は12万円

住民税
年間の払込保険料等 控除額
12,000円以下 払込保険料等の全額
12,000円超32,000円以下 (払込保険料等×1/2)+6,000円
32,000円超56,000円以下 (払込保険料等×1/4)+14,000円
56,000円超 一律28,000円

※住民税の合計適用限度額は7万円

表の引用・参考:第一生命 ほけんの第一歩

地震保険料控除

地震の被災による損失への備えという自助努力を支援するために、2007年1月に損害保険料控除が改組され、地震保険料控除が始まりました。

アパートやマンションなど賃貸に住むと加入となる火災保険とは別物で、別途加入が必要となっています。

保険料控除の控除額

区分 所得税
地震
保険料控除
年間控除
対象保険料
控除額
50,000円以下 支払保険料全額
50,000円超 50,000円
長期損害
保険料控除
(経過措置)
10,000円以下 支払保険料全額
10,000~20,000 支払保険料全額×1/2
+5,000円
20,000円声 15,000円
区分 住民税
地震
保険料控除
年間控除
対象保険料
控除額
50,000円以下 支払保険料×1/2
50,000円超 25,000円
長期損害
保険料控除
(経過措置)
5,000円以下 支払保険料全額
5,000円~15,000円以下 支払保険料×1/2
+2,500円
15,000円超 10,000円

表の参考引用元:SAISON INSUPRANCE 地震保険料控除制度とは?

会社員の節税方法 その4:住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

「住宅ローン控除」「住宅ローン減税」(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用して住宅を購入した場合に、入居から10年間は年末時点の住宅ローンの残高1%が控除される制度です。

控除の対象は、敷地と建物を合わせたローン残高のうち、最高で5,000万円までの部分です。

住宅ローン控除を適用させるための要件

1. 住宅ローンの返済期間が10年以上であること

親族からの援助によるローンは対象外で、銀行をはじめとする金融機関からの一般的な住宅ローン、「フラット35」などで10年以上の返済が対象です。

2. 所得または増改築した日から6か月以内に入居し、控除を受ける各年の12月31日まで引き続き住んでいること

両親や子どもが住むのではなく、ローンを組んだ人自身が住むことが大前提です。

3. 登記簿上の専有面積が50㎡以上で、事務所や店舗として使用しているときは1/2以上が自信の居住用であること

4. 控除を受ける年分の合計所得金額が「3,000万円以下」であること

年収から各種控除を差し引いて、3,000万円以下であれば適用となります。

また平成28年3月31日以前の新築・増改築等については、居住者以外での住宅借入金等特別控除の適用は受けられないので注意しましょう。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の計算式表

居住の用に供した年 控除期間 各年の控除額の計算
(控除限度額)
平成19年1月1日から
平成19年12月31日まで
15年 1~10年目
年末残高等×0.6%
(15万円)
11~15年目 年末残高等×0.4% (10万円)
平成20年1月1日から
平成20年12月31日まで
15年 1~10年目
年末残高等×0.6%
(12万円)
11~15年目 年末残高等×0.4% (8万円)
平成24年1月1日から
平成24年12月31日まで
10年 1~10年目
年末残高等×1%
(30万円)
平成25年1月1日から
平成25年12月31日まで
10年 1~10年目
年末残高等×1%
(20万円)
令和元年10月1日から
令和2年12月31日まで
10年 1~10年目
年末残高等×1%
(40万円)※1
令和元年10月1日から
令和2年12月31日まで
13年 [住宅の取得等が特別特定取得に該当する場合]
【1~10年目】
年末残高等×1%
(40万円)
【11~13年目】
次のいずれか少ない額が控除限度額
①年末残高等〔上限4,000万円〕×1%
②(住宅取得等対価の額-消費税額)〔上限4,000万円〕×2%÷3※2
10年 [上記以外の場合]
1~10年目
年末残高等×1%
(40万円)※1
令和3年1月1日から
令和3年12月31日まで
10年 1~10年目
年末残高等×1%
(40万円)※1
令和3年1月1日から
令和4年12月31日まで
13年 [住宅の取得等が特別特例取得又は特例特別特例取得に該当する場合]
【1~10年目】
年末残高等×1%
(40万円)
【11~13年目】
次のいずれか少ない額が控除限度額
①年末残高等〔上限4,000万円〕×1%
②(住宅取得等対価の額-消費税額)〔上限4,000万円〕×2%÷3※2

表引用・参考:国税庁
※1:住宅の取得等が特定取得以外の場合は20万円
※2:この場合の「住宅取得等対価の額」は、補助金および住宅取得等資金の贈与の額を控除しないで計算した金額をいいます。
※この表は、令和3年分以後の確定申告において適用が受けられるもののみを掲載

新築住宅の購入以外にも中古住宅の購入、増築・一定規模以上の修繕・模様替え、省エネやバリアフリー改修などで100万円以上の工事費がかかった場合も住宅ローン控除の対象です。

リフォームで減税制度を使うこともできる

住宅ローン控除以外にも、リフォームによって控除してもらうこともできます。

1.耐震リフォーム

昭和56年5月31日以前に建てられた住宅で、現在の耐震基準に合った耐震リフォームの工事を行うと、一定の金額がその年分の所得税額から控除されます。

2.省エネリフォーム

窓や壁の断熱、太陽光発電設備の設置など下記の4つに当てはまる省エネリフォームをした場合に、一定の金額がその年分の所得税額から控除されます。

対象工事
  • 窓の改修工事
  • 床の断熱改修工事/天井の断熱改修工事/壁の断熱改修工事
  • 太陽光発電設備設置工事
  • 高効率空調機設置工事/高効率給湯機器設置工事/太陽熱利用システム設備工事

3.同居対応リフォーム

親・子・孫の3世代が同居し、キッチン・浴室・トイレなど住宅環境を整備するためのリフォームを行うことで、所得税および固定資産税の控除が受けられます。

4.バリアフリーリフォーム

高齢者や障害者、要介護、要支援の認定を受けている家庭で、住宅環境を整えるリフォームとして、浴室改良や段差の解消など8つの工事が対象となったものです。

所得税および固定資産税の控除が受けられます。

5.長期優良住宅化リフォーム

工事前に行う調査、シロアリ対策やユニットバスへの変更など、住宅の耐久性を高めるためのリフォームで、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造で工事対象も異なります。

要件を満たせば、所得税および固定資産税の控除を受けることが可能です。

このようにリフォーム控除は多様なバリエーションがあり、住宅ローン控除も含めてシステムは毎年変わるので、忘れずにチェックしましょう。

会社員の節税方法 その5:医療費控除

毎年1月1日〜12月31日までに「自分・生計をともにする配偶者・その他の親族」のために医療費を支払い、その支払額が一定額を超えると、所得控除を受けられます。

医療費支払額-保険金で補填される金額-10万円(または合計所得金額の5%)=医療費控除の金額という計算式です。

10万円か合計所得金額の5%はどちらか少ない方が選択となり、医療費控除は200万円が上限です。

生命保険金などにて支給される入院費給付金、健康保険などで支給される高額療養費や家族療養費や出産一時金などが、保険金で補填される金額になります。

会社員の節税方法 その6:特定支出控除

特定支出控除とは、給与所得者の特定分野への支出が一定額を超えた場合に、確定申告をすることで控除される仕組みを指します。

一定額とは、以下の金額です。

  • 給与所得控除額の2分の1(収入が1,500万円以下)
  • 最高125万円(収入が1,500万円以上)

〈特定支出〉

1 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出(通勤費)

2 勤務する場所を離れて職務を遂行するための直接必要な旅行のために通常必要な支出(職務上の旅費)

3 転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出(転居費)

4 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出(研修費)

5 職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費)

(注)平成25年分以後は、弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も特定支出の対象となります。

6 単身赴任などの場合で、その者の勤務地または居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出(帰宅旅費)

7 次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの (勤務必要経費)

(1)書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用(図書費)

(2)制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用(衣服費)

(3)交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出(交際費等)

(注)7の支出については、平成25年分以後、特定支出の対象となります。

なお、これらの七つの特定支出は、いずれも給与の支払者が証明したものに限られます。

また、給与の支払者から補てんされる部分があり、かつ、その補てんされる部分に所得税が課税されていないときは、その補てんされる部分および教育訓練給付金、母子(父子)家庭自立支援教育訓練給付金が支給される部分がある場合における当該支給される部分は特定支出から除かれます。

引用:国税庁

これらの特定支出は給与の支払いをする者(多くの場合は企業)が証明しないと控除の対象にならないので、特定支出に関する明細書や証明書を申告書に添付する必要があります。

ただし、給与の支払者から補填される部分に所得税が課税されない場合と、教育訓練給付金・母子(父子)家庭自立支援教育訓練給付金などが支給される場合、その金額は特定支出から除外されます。

まずはふるさと納税・iDeCo・NISAを検討してみよう

今はあらゆる業種で副業をこなしたり、節約をしたりする人が増えています。

そのため「年末調整をしているし、会社員だから確定申告をする必要がない」と思い込まないようにしましょう。

節税となる方法をここまで読んで老後の資産を形成したいと思ったなら、まずはiDeCoとNISAの利用をおすすめします。

会社員の節税手段は他にもあるので、自分にあった節税方法を積極的に運用していくのが重要でしょう。

副業で発生した赤字で節税することもできる

最近では副業をする方も増えていますが、この副業をするにあたって発生した赤字も節税の対象となります。

例えばサラリーマンとしての収入があり、その課税対象が400万円分だとします。

そこに副業での収入が経費を含めるとマイナス50万円(50万円の赤字)だとしたら、本来は400万円に対してかかる税金が赤字分を差し引いて課税対象が350万円分となるのです。

副業をする時に開業届と青色申告承認申請書を出すことで、青色申告で最大65万円分の控除を受けることができます。

経費として計上できる項目の例
  • パソコン代
  • 通品費
  • 光熱費
  • 家賃
  • 交通費
  • 名刺代
  • 書籍・雑誌代
  • 外注費

このように経費計上できる項目を見ると、プライベートの出費も経費計上できるかもと思うかもしれませんが、あくまでも経費は副業で発生した項目のみにしてください。

もし家賃や光熱費を経費計上する場合は家事按分という考え方で、どの程度経費計上できるか割合を計算します。

確定申告が必要なのかもチェックを

年末年始に話題に挙がりがちなのが確定申告です。

会社勤めをしている方の中には、自分には確定申告が必要かどうか判断できない人もいるでしょう。

そもそも「確定申告」とは、個人・法人が所得税を納税するために税務署に申告する手続きのことを言います。

特に個人事業主の方は、毎年の収入と経費を記録して税務署に申告することで所得税が算出されるため非常に重要です。

会社員の方は勤務先の会社が代行して確定申告と所得税の計算をしてくれるので、原則として「会社員は確定申告が不要」となっています。

ただし、確定申告が不要な会社員でも、確定申告の必要が生じるケースもあります。

会社員でも確定申告が必要なケース
  • 副収入が20万円をこえる
  • 給与が2,000万円以上
  • 給与を2か所以上から受け取っている
  • 土地や建物などの不動産を売却した
  • 年金受給者
  • 財産の贈与を受けた
  • 空き家だった実家を売却した
  • 年度途中で退職し、再就職をしていない

以上の方は、確定申告をする必要があります。

基本的には「本業以外で一定以上の現金を受け取っている会社員」は確定申告の必要が出てくるということです。

これはYouTuberやメルカリでの小物販売などでの収入も同じなので覚えておきましょう。

もしも、確定申告をしないといけない条件に当てはまっているのに申告をしていないとなると、ペナルティとして無申告加算税を支払うことになるリスクがあります。

無申告加算税は、本来の納税額の50万円までが納税額+(納税額×15%)、納税額50万円を超える部分はさらに20%をかけて、上乗せした金額になります。

確定申告が必要の無い方でも、会社での業務以外での収入を得ている方は確定申告をしておいた方が良いでしょう。

経費なども含めて申告することで税金の支払い義務が無くなるだけではなく、税金の還付を受けられることがあります。

原則として、副業をしている会社員は確定申告をするようにしましょう。

節税は早く始めれば始めるだけ効果が高くなる

節税は短期的にも効果はでますが、早く始めて継続して行うことで段々と効果が高くなります。

どの節税ができるのかをチェックして、できる部分から少しずつでも始めてみましょう。