2016年の法務省資料「海外旅行者数の推移」によると、2015年の海外旅行者数は1621万人を超えており、また2015年度のJTB REPORTによると、2014年に海外旅行の旅行費用は1人あたりおよそ25.6万円となっているなど、海外旅行へ行く人が多いという事だけではなく、旅行費用や現地での買い物でまとまった金額が使われていることが分かります。
飛行機の就航数の増加や格安航空会社の存在、インターネットで簡単に情報収集ができるようになったこと、グローバル化などにより、以前よりも格段に海外旅行へ行きやすくなり、友達や家族とだけではなく、1人旅の旅行先として海外を選ぶ人も増えています。
海外旅行の際にも必需品だと言えるのはお金ですが、お土産代や現地での食事代などをまとめて現金で持っていると、紛失や盗難にあってしまった場合に困ってしまうだけではなく、防犯などの安全面からも持って歩く現金は最小に抑えたいものです。
そこで、現金は最小限にしておき、クレジットカードを併せて持って行くことをおすすめします。
イギリスのエコノミスト紙が、それぞれの国や地域がどれくらい安全かを相対的に数値化した「世界治安ランキング」というものがあり、第一位はアイスランド、2位はデンマーク、3位はニュージーランドとなっており日本は第6位にランクインしています。
日本では現金を持ち歩いていたとしてもスリやひったくり、強盗などの不安を感じることはあまりありませんが、海外では観光客を狙った犯罪が多発している地域もあります。とくに日本人は現金を持っている習慣があり、また買い物のためにまとまった金額の現金を持っていると思われて狙われるケースも多いので、現金を沢山持ち歩かないようにしたいものです。
現金であってもクレジットカードであっても盗難に遭ってしまった場合にはお金の利用に制限がかかってしまいますが、アメリカン・エキスプレスなど一部のクレジットカードでは海外にある日本語デスクに電話を掛けることでクレジットカードの不正利用を防止するために盗まれたカードの利用を停止し、さらに現在会員のいる地域の最も近いオフィスで新しいクレジットカードを発行してもらうことができます。 またJCBカードであれば海外での盗難などの緊急時には臨時のクレジットカードを発行してもらうことができるので、即日クレジットカードを再発行してもらうことも可能なので、海外旅行の際には被害に遭ってしまった場合にも不安を抱えながら旅行をするリスクが抑えられます。
日本では現金で支払いをする機会も多く、クレジットカードを利用する時にはある程度まとまった額の支払いをする時に利用するという方も少なくはありません。しかし海外では日常の買い物や生活費をほとんどクレジットカード利用にしており、少額の現金とクレジットカードを持ち歩いている人も多くいます。
そのため海外ではクレジットカードが利用できる店舗も多く、少額でもクレジットカードを利用することができるので、クレジットカード1枚を持っていれば財布を持つことなく観光をしたり、出かけることも可能です。
海外旅行へ行く時にはほとんどの人が海外旅行保険に加入してから渡航します。日本では医療制度が整っており、また健康保険に加入しているので診療を受ける際の負担額も少なくて済みますが、とくにアメリカなどの海外では万が一の事故の救助や病院の受診、手術などになった場合に数百万、数千万単位の医療費の請求をされてしまうからです。
海外旅行へ行くたびに掛け捨ての保険に加入する方も多いのですが、クレジットカードの中にはクレジットカードを持っているだけで海外旅行時の保険が付帯するものや、海外旅行のパッケージツアー代金や渡航費をクレジットカード支払いにすることによって旅行保険が付帯するものがあるので、頻繁に海外旅行へ行く方は掛け捨ての保険料を浮かせることも可能です。
アメリカン・エキスプレスを代表とする一部のクレジットカードには、海外旅行の際に空港のラウンジの利用、空港までの送迎優待が付いているものなど、旅行をプラスアルファで楽しむことができる特典が付いているものがあります。年に1度、数年に1度程度の海外旅行をする方には、年会費を支払ってまで利用するメリットが薄くなってしまいますが、年に何度か海外旅行へ行く方や、せっかくなら搭乗までの時間をゆっくり過ごしたいという方は、海外旅行時に受けられるサービスが充実したクレジットカードを選びましょう。
海外のATMを利用してクレジットカードでお金を借りることができる機能を「外貨キャッシング」といい、名前の通り利用期間や額に応じて利息がつくため、利息の確認はきちんとしておきたいところですが、多額の現金を持ち歩くという不安感なく過ごすことができるという長所があります。
外貨キャッシング機能を利用するためには事前の手続きは必要になりますが、24時間利用できるATMも多いので、手持ちの現金の額に不安があるときや、どうしてもクレジット利用ではなく現金で決算したいという時には臨時機能として利用することができます。
海外旅行へ行く際に現地でいくら使うか分からない場合にはかなりの金額を持って行くことになるので、日本円から外貨へ交換する時の手数料も必要になるだけではなく、余った外貨をまた日本円に交換する時にも手数料が発生してしまいます。
また現金のみを利用しようとすると、万が一の盗難や紛失の場合に懐の状況が悪くなってしまい、お土産が買えない、食事ができなくなってしまうといったリスクも高くなるので、できるだけ身軽でかつ安全な方法を取るためにもクレジットカードを持って行く方がリスクを分散できると言えます。海外旅行に持って行くクレジットカードとしておすすめの、JCBEIT、三井住友カードA、アメリカン・エキスプレスの3枚のカードについて詳しく見ていきましょう。
年会費 | 永年無料 |
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ポイント | 「OkiDokiポイント」 1,000円=1ポイント |
海外旅行保険 | 最高2,000万円 |
盗難保険 | 最高100万円 |
紛失時の対応 | 近くのJCBプラザで即日緊急カードの発行あり |
海外旅行時のサービス | - |
その他の特徴 | リボ払い専用のクレジットカード |
年会費 | 1,500円+税 ※初年度無料(オンライン入会) ※「マイ・ペイすリボ」登録+クレジットカード買物利用で翌年度以降も年会費無料(※2021年2月年会費お支払い分からは「マイ・ペイすリボ」を登録のうえ、年1回以上のリボ払い手数料のお支払いが必要となります。) |
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申し込み資格 | 満18歳以上の方(高校生は除く) ※未成年の方は親権者の同意が必要 |
ポイント | 「Vポイント」 200円=1ポイント |
海外旅行保険 | 最高2,500万円 |
盗難保険 | 最高100万円 |
紛失時の対応 | 国内・海外ともに、紛失・盗難の連絡を24時間受け付け ※カード即日再発行はなし |
海外旅行時のサービス | ・写真入りICカード ※写真入りICカードは写真なしカードの発行後に申し込みをして再発行する必要あり |
その他の特徴 | ・三井住友iD ・会員サイト「ポイントUPモール」経由での買い物でポイント最大20倍 |
年会費 | 12,000円+税 |
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申し込み資格 | 満18歳以上の方(高校生は除く) ※未成年の方は親権者の同意が必要 |
ポイント | 「メンバーシップ・リワード」 100円=1ポイント |
海外旅行保険 | 最高5,000万円 |
盗難保険 | 最高500万円 |
紛失時の対応 | 国内・海外ともに、紛失・盗難の連絡を24時間受け付け カード紛失・盗難の場合の緊急再発行が無料 |
海外旅行時のサービス | ・空港ラウンジ 会員+同伴者1名まで空港ラウンジが無料に ・手荷物無料宅配サービス 会員1名につきスーツケース1つを無料配送 ・エアポート送迎サービス 自宅または指定の場所から空港までの送迎が優待価格に ・無料ポーターサービス 専用ポーターによる空港内での手荷物の持ち運び ・空港クロークサービス 中部国際空港で、乗継便の待ち時間などに空港内にある手荷物預かり所を無料で利用 ・グローバル・ホットライン レストランの予約やクレジットカードに関する緊急の相談などを24時間通話料無料またはコレクトコールにて対応 |
その他の特徴 | ・エクスペディア 世界15万件の人気ホテルや海外ツアーを会員価格で利用 ・オンライン・プロテクション インターネット上でのクレジットカードの不正利用を全額補償 |
JCB EIT、三井住友カードA、アメリカン・エキスプレス・カードの3枚は海外での利用で強みを生かせる機能が付いていますが、大きく分けて年会費、旅行保険の内容、サービス内容に差があります。
JCB EITは年会費が永年無料、三井住友カードAは年会費が1,500円+税、アメリカン・エキスプレス・カードは年会費が12,000円+税となっているので、年会費が無料のクレジットカードを持ちたいという方はJCB EITがおすすめです。ただしJCB EITはクレジット決済したものの代金についてはリボ払いのみの支払い方法となってしまうため、一括払いや分割払いなどでの支払いをしたい方にはおすすめできません。
付帯する旅行保険について、JCB EITは最高2,000万円、三井住友カードAは最高2,500万円、アメリカン・エキスプレス・カードは最高5,000万円の補償額となっており、年会費は掛かってしまうものの、保険の補償額を考えるとアメリカン・エキスプレス・カードがもっとも補償が手厚くなっています。海外での医療費は高額な請求になることが多いことからも、万が一のお守りとしてしっかりとした補償が受けたい方は旅行保険の内容についてもチェックしておきたいものです。
JCB EIT、三井住友カードA、アメリカン・エキスプレス・カードは年会費の違いもさることながら、年会費と比例してサービス内容も格段に変わってきます。まずは海外でクレジットカードを紛失してしまった場合には、JCB EITであれば最短で即日クレジットカードの再発行が受けられ、またアメリカン・エキスプレス・カードでも無料でのクレジットカード再発行の手配をしてもらうことができるので、クレジットカードの盗難などのリスクを考慮するとJCBまたはアメリカン・エキスプレスのクレジットカードに軍配が上がります。
また海外旅行へ行く機会が少ないという方は、JCB EITや三井住友カードAの空港ラウンジサービスが付帯していないものでもあまり気になりませんが、頻繁に海外旅行へ行く方はアメリカン・エキスプレス・カードを利用して空港ラウンジサービスや無料ポーターサービスなどを利用することで年会費が気にならないくらい特典やサービスを受けることが可能になっています。
クレジットカードは年会費や機能、サービスや特典など利用者の好みやライフスタイルに合ったものを選ぶことで、よりお得で賢く利用することができるアイテムです。とくに海外旅行へ行く際には必需品ともいえるクレジットカードでは、利用するイメージを持ってからピッタリの1枚を選んでいきましょう。
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