クレジットカードといえば多くの方は個人で持つものだという認識を持っていることが多いのですが、実は法人であってもクレジットカードを持つことができます。
法人が持てるクレジットカードは個人のクレジットカードとは違い、法人または個人事業主向けの専用クレジットカードとなっています。法人の代表をしている方や個人事業主の方は法人向けクレジットカードを持つことでどんなメリットがあるのかを調査してみました。
銀行やクレジットカード会社から追加カードとして発行される「ETCカード」とは別に、大口かつ多頻度で利用する法人向けにETCカード単体で発行されるものがあり、このカードを「ETCコーポレートカード」と言います。
メリット | デメリット |
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・最大50%の割引が受けられる ・車両別に利用日、区間毎に請求明細を発行。 (支店・部署ごとの区分請求も可能) ・利用した月の翌々月払い |
・月30,000円/1台以上の利用が必須 ・組合費として1社10,000円 (脱退時に返金) ・1枚あたり年間617円の事務手数料 ・車1台に対して1枚発行 (ETCカードの使い回しはできない) ・申し込み時に必要な書類が多い |
ETCコーポレートカードは有料道路の利用料金が最大で50%割引になるので、車での移動が多い企業には交通費の出費が抑えられてコスト削減ができる画期的なカードです。また利用した月の翌々月払いになっているので、資金繰りが難しい時にも余裕を持ってお金を準備することができます。
大口かつ多頻度で利用する法人向けのカードではありますが、個人事業主でもETCコーポレートカードを申し込むことができます。
ただし、月額利用料金が少なければ、利用登録をしても負担が大きいだけなのでETCカードの方がおすすめです。
ETCコーポレートカードは通勤で使うことも可能です。多くの企業は従業員の通勤交通費を負担しているため、経費削減につなげられます。
ただし、使用できるのは申込み車両だけです。車1台の登録ごとに1枚ずつしかカードが発行されないため、別の車に差し替えて使うことはできません。 新しい車を取得するたびに手続きが必要になる上、登録車両が多いとカードの枚数も多くなり、管理の手間や年会費もかさむため、あまり実用的ではないでしょう。
普通のETCカードはクレジットカードの追加カードのため、必ずクレジット審査があります。 一方でETCコーポレートカードはETC専用カードでクレジット機能がありません。 そのため、重要視されるのは単純に大口・多頻度割引を受けるに値する資格があるかどうかのみと考えられます
実績がない企業や、独立開業したばかりの個人事業主の方でも作りやすいカードと言えるでしょう。
ETCコーポレートカードを作るのに確認される点は、以下のようなものが考えられます。
上記の内容に当てはまらない場合は作れない可能性があるため、注意が必要です。
法人向けクレジットカードは略して「法人カード」と呼ばれることが多いのですが、別名でコーポレートカードやビジネスカードとも呼ばれています。 法人カードと言う名前ではありますが、法人カードは会社という大きな括りに対して発行されるのではなく、会社の経営者や役員など会社の構成員に対して発行されるクレジットカードです。
また近年では法人の主要構成員だけではなく、個人事業主やフリーランスで仕事をしている方も申し込み対象となる法人カードも増えてきています。
会社の資産状況やカードのランクによって上限額は変わりますが、個人での上限額よりも法人のカードの上限額の方が大きく取られていますし、 法人は個人の経済活動と比較すると大きな金額が動くことが多い上、万が一倒産などをしてしまった場合にはカード会社の損失も大きくなってしまうので、個人よりも審査が厳しいと言われています。
法人カードの審査に合格するには「3年以上の経営歴があり、かつ直近2期以上黒字を出していること」が原則として必要な条件だと言われています。 そのため、起業してすぐにはクレジットカードに申し込んでも発行されないことも多くあります。
ただし最近はこの原則も変化する傾向にあり、法人の借り入れ状況や経営状況によっては起業してから3年を待たなくても審査に合格することがあります。 また起業してすぐの法人向けのクレジットカードも発行されているので、会社の状況に応じて申し込むカードを選ぶこともできます。
法人カードの使い方は個人で持つクレジットカードと同じで、クレジットカードの性質によって会社の経理作業が楽になります。
会社が大きくなるほど、会社の備品や出張費などを仮払いで支払うと準備する金額が大きくなってしまい会社に多額の現金を用意しておかなければならなくなってしまいます。 またそのことによって帳簿と実際にある現金のチェックなどの手間が掛かってしまいます。 さらに領収書の整理や会計ソフトへの入力も煩雑になってしまうので、経理作業に多大な時間が掛かってしまいあまり効率的だとは言えません。
また個人事業主やフリーランスで仕事をしている方も、個人で支払うものと事業のための支払いが一緒になってしまうことが多く、 その整理に時間が掛かってしまうことがありますが、こういった経理に関するこまごました作業がクレジットカードを導入することによって省略されます。
クレジットカード支払いをすると、仕事用の備品などを購入する際や出張費を支払う場合にその都度現金のやり取りがありません。 引き落としについても会社の口座から引き落としになるので仮払金の処理をしたり、自費で一時的に負担したりする必要もなくなります。
また会社の従業員数が多くなるほど、また接待などの機会が多いほど領収書の整理にかかる時間が増えてしまいますし、 一定期間の領収書の整理をした後に領収書が出てきた場合などは、領収書を再度チェックしなくてはならないのでちょこちょこした手間が掛かってしまいます。 しかしクレジットカード払いにしておくと、引き落とし後にクレジットカードの利用明細が送られて来るので、領収書を整理して保管し管理しておく必要もありません。
法人カードならポイントが付与されるものもある!
全てをクレジットカードで精算することは難しいのですが、少しでもクレジットカード払いにしておくことで、領収書の整理をする時間が短縮されるほか、
会計ソフトへの入力もクレジットカード利用明細を見ながら入力することで個別にチェックする必要がなくなります。
さらに法人カードの中には利用金額に応じてポイントが付与されるものがあるので、クレジットカードの利用によって貯まったカードを商品や商品券などと交換して、会社の福利厚生に充てることも可能になっています。
クレジットカードには追加でETCカードを発行することができるものがあります。
あらかじめ自動車にETC車載器とよばれる機器を設置し、この車載機にETCカードをセットして、有料道路や高速道路などのETC対応の料金ゲートを通過すれば、電波によって自動的に料金清算が行われます。 従来の支払方法では、有料道路の料金所で一旦停止して現金で料金を支払う必要がありますが、ETCカードを利用すると停車することなく料金所を通過することができます。
ETCカードを使って清算した有料道路の料金は、一定期間分がまとめて後日口座から引き落とされます。 ETCカードには、
がありますが、クレジットカードの追加カードにしておくことでポイント獲得対象になることもあるので、ETCカードの機能をしっかり確認して申し込むようにしたいものです。
ETCコーポレートカードはメリットも沢山ありますが、一方で月30,000円以上の利用がなければ割引適用とならないほか、 車1台につき1枚のETCコーポレートカードが発行され、1枚のETCカードで複数台の車の使い回しが効かないことなど制限や条件が付いているので、 あまり沢山車に乗らないという方やカードは複数枚必要ない方には向いていません。
ETCコーポレートカードは有料道路を定期的にたくさん利用する法人や、複数台の車を所有していて移動することが多いのであればETCコーポレートカードが便利ですが、 有料道路の利用が不定期で頻度が高くない企業や複数台の車を維持していない個人事業主の方であればクレジットカードの追加カードとして発行されるETCカードの方が負担になりません。
ETCコーポレートカードは1枚当たり年間617円がかかりますが、 クレジットカードの追加カードとしてETCカードを発行する場合は、年会費や発行手数料がかからない場合も多いので経費削減に繋がります。
クレジットカードには使った金額によってポイントを獲得することができるものが多く、 クレジットカードの追加カードとして発行されたETCカードの利用料金についてもポイント付与対象となるものが多くあります。 ETCコーポレートカードは割引がある代わりにポイントの付与がないので、利用状況に応じてどちらがよりお得かをシミュレーションして申し込む必要があります。
ETCカードを発行できるクレジットカードのうち、JCBが発行している法人カードとオリコの発行している法人カードは年会費も抑えられているもっともベーシックな機能を備えたクレジットカードです。
JCB法人カードは貯まりやすいポイントプログラムが特徴です。通常1,000円につき1ポイントの「Oki Dokiポイント」が貯まり、「JCBオリジナルシリーズパートナー」利用で10倍、海外利用でポイントが2倍にUPするキャンペーンも実施中です。
年会費も1枚につき1,250円+税と低め。
また、利用明細データは「弥生」たは「freee」の開会ソフトに自動で取り込むことができて、会計業務の効率化がかないます。
その他、国内航空券や新幹線を特別割引運賃で予約できたり、人気宿泊予約サイト「じゃらん」でビジネス限定プランが利用できるなど、コスト削減につなげるサービスも豊富です。
ETCカードにはカード(=ETCスルーカードN)は、JCB法人カードの発行枚数とは関係なく、無料で複数枚発行が可能です。
請求金額はまとめて企業に行われます。利用状況の管理も一括して確認することができるので、有料道路を利用する従業員がたくさんいる場合はぜひ検討してほしいカードです。
券面デザイン |
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年会費 | 1,250円+税 |
ポイント | Oki Dokiポイント 1,000円→1ポイント |
ETCカード | ・年会費無料 |
・社員用にETC機能のみの「ETCスルーカードN」の複数枚発行可能 年会費無料 |
大手クレジットカード会社のオリコの法人カードなら、信頼と安心さはお墨付き。 個人事業主用の「EX Gold for Biz S」と、法人代表者用の「EX Gold for Biz M」があります。 年会費は初年度無料、2年目以降も2,000円+税と少ない負担で持つことができます。 また、「EX Gold for Biz M」なら、追加カードが3枚まで年会費無料で発行ができます。
オリコ法人カードの特徴は国際ブランドをVISAとMasterCardの2つから選べること。 国際ブランドによって付帯サービスが少し変わってくるので、利用したいサービスによって選択しましょう。
VISAなら、VISAゴールドカードの優待特典とVISAビジネスオファーを利用できます。特典内容は、海外旅行・出張のときにできるものが多いです。
MasterCardは、MasterCard T&E SavingsとMasterCardビジネスアシストを利用することができます。国内外で使える空港サービスや経理処理のサポートなどの特典が受けられます。
オリコカード EX Gold for BizのETCカードは、クレジットカード1枚につき1枚までしか発行できません。 そのため、「EX Gold for Biz S」は最大1枚、「EX Gold for Biz M」は追加カードも合わせて最大3枚まで発行ができます。 有料道路を利用する方が少ない企業に向いているカードといえます。
券面デザイン |
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年会費 | 2,000円+税 |
ポイント | 暮らスマイル 1,000円=1P |
ETCカード | ・年会費無料 |
・ETC利用料金専用ポイントプログラム「ETCマイレージサービス」 | |
・旅行保険付き | |
・発行枚数最大3枚まで |
アメックスビジネスカードは年会費はかかりますが、他のカードよりもダントツで高品質なサービスを提供してくれます。
まず、空港ラウンジが無料で利用できることが大きなメリットです。そのほか、国内・海外双方に最大5,000万円まで補償してくれる手厚い旅行保険や、 手荷物無料宅配サービスなど、海外出張の多い企業にとくにおすすめのサービスが充実した1枚となっています。
またポイントも通常100円につき1ポイントと貯まりやすい額になっており、さらに年間登録料3,000円+税を支払えば「メンバーシップ・リワード・プラス」が利用できて、 最大2.5倍にすることも可能。
福利厚生プログラム「クラブオフ」のVIP会員年間登録料(月額500円+税)が無料なのにも要注目です。旅行に使える施設が特価で利用でき、充実したサービスを従業員に提供できます。
アメックスのETCカードは通常年会費が無料、発行手数料が850円+税かかりますが、法人カードだと年会費が500円+税で発行手数料が無料、と異なるので注意してください。
基本カードの場合は1枚につき最大5枚、追加カードの場合は1枚につき最大1枚ずつ発行できるので、有料道路を利用する社員が多くても対応することができます。
各道路会社が提供する便利な「ETCマイレージサービス」を利用でき、ETCカードの利用額に応じてETCマイレージサービスのポイントが貯まります。 そのポイントは無料通行分に交換できるため、お得にを利用することができます。
券面デザイン |
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年会費 | 12,000円+税 |
追加カードは1枚につき6,000円 | |
ポイント | メンバーシップ・リワード 100円=1P |
ETCカード | ・500円+税/年 |
・新規発行手数料無料 | |
・基本カード会員は5枚、追加カード会員は1枚まで発行可能 | |
・ETCマイレージサービスが利用可能 |
初年度年会費 | 海外保険 | 国内保険 |
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無料 | - | 3000万円利用付帯 |
電子マネー | 発行期間 | 利用可能枠 |
- | - | 30万~100万円 |
初年度年会費 | 海外保険 | 国内保険 |
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無料 | 最高2,000万円 | 最高1,000万円 |
電子マネー | 発行期間 | 利用可能枠 |
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最短8営業日 | 10~300万円 |
年会費 | 海外保険 | 国内保険 |
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初年度年会費無料 |
最高5000万円 | 最高5000万円 |
電子マネー | 発行期間 | 利用可能枠 |
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約2週間 | 個別設定 |