トラベルとエンターテインメント分野のサービスが充実したクレジットカードを総称して「T&E(Travel & Entertainment)カード」といいますが、その代表格ともいえるのがアメックス(アメリカン・エキスプレス)です。中でもトラベル分野で最上級のサービスを受けられるのがアメックス・プラチナカードだといわれています。
たとえば、プラチナ以上のカードについてくる宿泊関係のサービス「ファイン・ホテル・アンド・リゾート(FHR)」では、名だたるラグジュアリー(高級)ホテルで次のような特典を受けられます。
対象となるホテルは、グランドハイアット東京 、ザ・ペニンシュラ東京 、ザ・リッツ・カールトン東京 、帝国ホテル東京 、パークハイアット東京 、ザ・リッツ・カールトン京都 、ザ・リッツ・カールトン大阪 、セントレジスホテル大阪……など。
いずれのホテルでも、「ワンランクアップグレード」「チェックイン/アウト特典」「朝食2名分無料」「100ドル相当の食事割引」などの特典を合わせると、1回の利用で数万円のメリットとなるでしょう。
スイートルームなど高額の部屋をもともと予約していて、それがさらにグレードの高いスイートにアップグレードされた場合には、数十万のメリットになることもあるはずです。
もちろん、金額的なメリットだけでなく、ラグジュアリーホテルでVIP待遇を受けられるという精神的メリットもまた大きなものです。
アメックス・プラチナカードには、トラベル関係のほか、高級レストランで1人分の食事代金が無料になるサービスや、一流ブランド店を閉店後に貸切にしてプライベートショッピングができる特典などもあり、リッチなライフスタイルを楽しみたい人にうってつけのクレジットカードとなっています。
そのようにメリットの多いアメックス・プラチナカードですが、デメリットもあります。
その1つが13万円(税別)の年会費です。
ラグジュアリーホテルを年に数回利用する人なら決して高くはない年会費ですが、それでも、よほどの高額所得者でなければポンとは支払えない額でしょう。
また、アメックス・プラチナカードは通常、直接申し込むことはできず、まずアメックス・ゴールドカードを取得してから、インビテーション(招待)を待つしかないというのもデメリットの1つです。
ゴールドカードでクレジットヒストリーを積み重ねていくと、インビテーションが届くわけですが、いつ来るかわからない連絡を待ちながらコツコツとカード利用実績を積み重ねていくというのも、何か本末転倒な感じがします。
…そこでおすすめなのが、同じアメックスでも宿泊特典がついてくるSPGカードです。
ホテルで無料アップグレード特典を受けたいけれど、プラチナ取得までの道のりはあまりに遠い―― そう感じる方におすすめのアメックスカードが、SPGプログラムのゴールド資格が自動的に付与されるSPGアメックスです。
SPGプログラムの「SPG」とは「Starwood Preferred Guest(スターウッドプリファードゲスト)」の略称で、無料で入会できるホテルのポイントサービスのことをいいます。
このSPGプログラムの会員になると、シェラトン、フォーポイントバイシェラトン、ル メリディアン、ラグジュアリーコレクション、ウェスティンなど11のホテルブランド、世界中に1,169を超えるSPG参加ホテル・提携ホテルにおいて、充実したポイントサービスが提供されます。
通常、ゴールド会員になるには、対象となるホテルに、1年間で10回以上の滞在、あるいは25泊の宿泊が必要ですが、SPGアメックスを取得すると自動的にゴールド資格が付与され、SPG公式サイト経由で予約すると、対象ホテルでの無料のアップグレード特典などを受けられます。
SPGアメックスには年会費として3万1,000円(税別)、家族カードには年会費1万5,500円(税別)がかかりますが、充実した数々の特典から、SPG対象ホテルをよく使う方であれば、その年会費以上のメリットを得られるはずです。
たとえば、ホテル関連のゴールド特典は次のようになっています。
16時までチェックアウトを延長できます(例外あり)。
チェックイン時、空室状況に応じて、宿泊する部屋をアップグレードしてもらえます。
「ボーナスポイント(ポイントについては後述)」「客室内インターネットアクセス」「ドリンクサービス」のいずれかをウェルカムギフトとして無料で利用できます。
毎年カードを継続するたびに、対象ホテル(カテゴリー1~6*)で利用できる1泊1室(2名まで)の無料宿泊特典(交換レート1泊50,000ポイントまでのホテルが対象です。50,000ポイントを分割なし)がプレゼントされます。スタンダードルームに空室がある限り、ブラックアウト日(特典除外日)なしでこの特典を利用できます。
*SPG対象ホテルはグレードに応じて1から7までカテゴリー分けされており、カテゴリー番号の大きいほどハイグレードのホテルということになります。
SPGプログラムのポイント制度についても触れておきましょう。
SPG基本会員が対象ホテルに滞在したり、ホテル直営レストランを利用したりすると、1米ドルの利用につき12.5ポイントが貯まるところ、ゴールド会員扱いとなるSPGアメックス会員の場合、1米ドルにつき12.5Pが貯まり、さらにそれとは別に、利用100円あたり3Pが貯まります。
つまり、10万円のホテル利用で、SPG通常会員が約1,820Pを得るところ、SPGアメックス会員は約3,730Pを得ることになります(1米ドル=110円のレートで算出)。これは、大変大きなポイントアップです。
さらに、SPGアメックスでは、対象ホテル・レストラン以外の利用(クレジット支払い)でも100円につき3Pが貯まるほか、入会後3ヵ月以内に10万円以上利用すると、3万Pがプレゼントされるので効率よくポイントを貯められます。
その貯めたポイントは、ホテル関連を中心に多彩な用途に使えます。
ポイントをSPG対象ホテルの無料宿泊券(交換レート1泊50,000ポイントまでのホテルが対象です。50,000ポイントを分割なし)に交換できます。平日の宿泊の場合、カテゴリー1のホテルでは3,000P、最上級カテゴリー7のホテルでは3万~3万5,000Pで無料宿泊券へ交換可能、週末の宿泊だとカテゴリー1は2,000P、カテゴリー2は3,000Pで無料宿泊券へ交換できます。基本的にブラックアウト日はありません。
また、4連泊分の無料宿泊券に交換した場合、5泊目はポイントを使うことなく無料で宿泊できます。
平日 |
|
---|---|
カテゴリー1 | 3,000 |
カテゴリー2 | 4,000 |
カテゴリー3 | 7,000 |
カテゴリー4 | 10,000 |
カテゴリー5 | 12,000~16,000 |
カテゴリー6 | 20,000~25,000 |
カテゴリー7 | 30,000~35,000 |
休日 | |
カテゴリー1 | 2,000 |
カテゴリー2 | 3,000 |
カテゴリー3 | 7,000 |
カテゴリー4 | 10,000 |
カテゴリー5 | 12,000~16,000 |
カテゴリー6 | 20,000~25,000 |
カテゴリー7 | 30,000~35,000 |
1,000Pで、1~5泊の滞在が正規料金の50%割引になります。ただし、これについてはブラックアウト日があり、また、SPG対象ホテルのすべてに適用されるわけではありません。
マリオットホテルで使える「マリオットリワードポイント」との相互移行が可能です。
予約サイト「SPGフライト」の利用により、ブラックアウト日なしで、150社を超える航空会社のチケットに交換できます。
ポイントを、30社を超える主要航空会社のマイルに移行できます。1回で2万ポイント以上を移行すると、2万Pごとに5,000Pが自動的にプレゼントされて、よりおトクです。なお、デルタ航空、エミレーツ航空、中国東方航空については、ポイントとマイルの二重取りが可能です。
ポイントを対象ホテル(カテゴリー3~4)の無料宿泊5泊分と5万マイルへと同時に交換すると、最大2万P分の割引が可能です。
ポイントで、Broadway & the Arts(ブロードウェイ&アーツ)のチケットを入手できます。
コンサートのバックステージツアー、プロアスリートによるスキルクリニックなど、お金では買えない貴重な体験やイベントを、会員専用のオークションサイト「SPGモーメント」で入札できます。
ラグジュアリーホテルの無料アップグレードや無料宿泊などの特典を受けられ、貯まったポイントを宿泊やフライト、エンターテイメントなどに使えるSPGアメックスには、もちろんアメックス自体の特典も付いてきます。
たとえば、旅行の多い人に便利なのが、国内主要空港・海外2空港の空港ラウンジを、カード会員と同伴1名まで無料で利用できるサービスや、最高1億円の海外旅行傷害保険です。この保険では、アメックスで支払っていない場合でも、最高5,000万円の海外旅行傷害保険が付帯されます。
そのほか、海外旅行の出発・帰国時に、提携タクシー会社で定額料金にて送迎するエアポート送迎サービスや(成田国際空港、中部国際空港、関西国際空港のみ)、航空便の遅延により臨時に出費した宿泊料金、食事代などを補償する航空便遅延費用補償なども、大変メリットの多いサービスだといえます。
SPGプログラムのゴールド特典に、アメックスの特典まで加わったSPGアメックスは、旅行やホテル利用の機会の多い方にとって、ファーストチョイスとなるクレジットカードになるでしょう。
アメックスの充実したサービスを受けたいけどSPGアメックスの年会費が高すぎるという方には、アメックスグリーンとアメックスゴールドがおすすめです。
アメックスの空港ラウンジや手荷物無料配送などのサービスをそのままに、SPGアメックスの年会費3万1,000円(税別)と比べ、アメックス・グリーンは年会費1万2,000円(税別)、アメックスゴールドは2万9,000円(税別)と安く使うことができます。
アメックスグリーン、アメックスゴールドは、利用金額100円につき3ポイントのメンバーシップ・リワードが貯まり、さらにボーナスポイント・パートナーズの提携店で利用すると最大10倍のポイントを貯めることができます。
貯めたポイントはマイルや他社ポイントへ移行、旅行代金の支払い、カード利用代金の支払いなど使い方は多様で、有料のメンバーシップ・リワード・プラスに登録するとポイント交換レートが上がり、通常はポイントの有効期限が3年間のところ、条件なしで無期限になります。
ANAマイルへの移行時にメンバーシップ・リワード・プラスに登録していない場合2,000ポイント=1,000マイルですが、メンバーシップ・リワード・プラスに登録した場合1,000ポイント=1,000マイルで移行できます。1回の手続きで60,000ポイント毎に、15,000ボーナスポイントが付くこともお見逃しなく!
【メンバーシップリワード】 | 【メンバーシップリワードプラス】 | |
---|---|---|
・マイルへの移行 2,000ポイント=1,000マイル |
→ | 1,000ポイント=1,000マイル |
・旅行代金の支払い(アメリカン・エキスプレス・トラベル オンライン) 1,000ポイント=400円分 |
→ | 1,000ポイント=1,000円分 |
・他ポイントへの移行 3,000ポイント=1,000楽天スーパーポイント |
→ | 3,000ポイント=1,500楽天スーパーポイント |
マイルを移行するならメンバーシップ・リワード・プラスに登録し、1ポイント=1マイルの高レートで移行する方がお得になります。
アメックスグリーン、アメックスゴールドなら、国内外1,000か所以上の国際ラウンジを会員+同伴者が1回27米ドルで利用することができるプライオリティ・パス・メンバーシップに年会費無料(通常99米ドル)で登録することができます。
プライオリティ・パスを使えば、待ち時間を空港ラウンジで快適にすごせるので便利です。
![]() SPGアメックス |
![]() アメックスゴールド |
![]() アメックスグリーン |
|
---|---|---|---|
年会費 (家族カード) |
31,000円+税 (15,500円+税) |
29,000円+税 (1枚目無料、 12,000円+税) |
12,000円+税 (6,000円+税) |
ポイント プログラム |
ポイント | メンバーシップ・リワード | メンバーシップ・リワード |
旅行傷害保険 | 最高1憶円 | 最高1憶円 | 最高5,000万円 |
トラベル |
・空港ラウンジ
・手荷物無料宅配サービス ・エアポート送迎サービス ・空港クロークサービス ・無料ポーターサービス ・エアポートミール ・航空便遅延費用保障 ・オーバーシーズ・アシスト |
・空港ラウンジ
・手荷物無料宅配サービス ・エアポート送迎サービス ・プライオリティ・パス ・空港クロークサービス ・無料ポーターサービス ・海外用レンタル携帯電話特別割引 ・空港パーキング ・航空便遅延費用保障 ・オーバーシーズ・アシスト ・プリファード・ゴルフ ・アメリカン・エキスプレス・トラベル・オンライン ・一休.com ・エクスペディア ・アップルワールド.com |
・空港ラウンジ
・手荷物無料宅配サービス ・エアポート送迎サービス ・プライオリティ・パス ・空港クロークサービス ・無料ポーターサービス ・海外用レンタル携帯電話特別割引 ・空港パーキング ・航空便遅延費用保障 ・グローバル・ホットライン ・エクスペディア |
プロテクション |
・キャンセル・プロテクション
・オンライン・プロテクション ・ショッピング・プロテクション ・リターン・プロテクション |
・キャンセル・プロテクション
・オンライン・プロテクション ・ショッピング・プロテクション ・リターン・プロテクション |
・オンライン・プロテクション
・ショッピング・プロテクション ・リターン・プロテクション ・カード紛失・盗難の場合の再発行 |
SPGアメックスはアメックスカードの中でも特に宿泊関係の特典が手厚いクレジットカードなので、宿泊先のグレードを上げてお得に泊まりたいという方にはSPGアメックスがぴったりでしょう。
しかし、旅行には行くけど宿泊先にはそこまでハイグレードを求めていなかったり、年会費をできるだけ抑えたいという方にはアメックスグリーンがおすすめです。
また、アメックスゴールドとSPGアメックスの年会費はあまり変わりませんが、旅行以外でも日常的に生活の質を上げたい方はレストランやチケット優待が手厚いアメックスゴールドがお得です。
まずは
このカード!
年会費 | 海外保険 | 国内保険 |
---|---|---|
31,000円+消費税 | 最高1億円 | 最高5,000万円 |
電子マネー | 発行期間 | 利用可能枠 |
![]() |
約2週間 | 個別設定 |