カードローンの公式サイトには、最高800万円融資などと書いてあり、手軽に数百万円を借りられるような印象を受けます。
しかし、実際は一人ひとりの収入や返済能力によって借りられる額が異なり、ほとんどの人は300万円以上借りることはできません。
契約後の自分の利用限度額を見て、もう少し借りられたらいいのに…と思ったことがある方もいるでしょう。
では、どんな基準で個人の利用限度額が決められているのか、どうすれば増額に対応してもらえるのか気になる人も多いはずです。
そこで、カードローンの利用限度額の決まり方と増額について詳しく解説し、増額するメリット・デメリットも紹介していきます。
カードローンの利用限度額はどう決まる？
カードローンを契約すると、必ず設定されるのが利用限度額です。
カードローン会社により「借入限度額」「借入利用枠」「与信枠」などの記載になっていることもありますが、すべて契約者が借りられる金額の上限を指します。
はじめに、利用限度額について詳しく見ていきましょう。
利用限度額とは？
カードローンの利用限度額は、審査の結果によって具体的な金額が決まります。
審査では、収入・返済能力・勤続年数・他社からの借り入れ金額や件数などを確認し、年収の3分の1以内を基準とする総量規制の範囲内で利用限度額が決まります。
利用限度額が決まる主なポイント
総量規制に抵触しない範囲内の金額
消費者金融系カードローンは、貸金業法の総量規制の範囲で利用することができます。
総量規制は、貸金業者からの融資が顧客の年収の3分の1を超えてはいけないという法律で、利用限度額も総量規制に抵触してはいけません。
ただ、他社からの借り入れがある方は合計金額が全て総量規制の対象になるので、合計が年収の3分の1を超えない範囲となります。
例えば、年収300万円の人が既に他社から50万円借り入れしている場合、以下のように借り入れ可能額が計算可能です。
年収300万円 ÷ 3 ＝ 総量規制の対象は100万円以内
100万円 － 他社の借り入れ50万円 = 残り50万円が借り入れできる！
ちなみに、総量規制は貸金業法で定められた法律なので、貸金業ではない銀行のカードローンは総量規制の対象外です。
ただ、銀行も総量規制と同様の規制を自主的に設けているため、現在では消費者金融系・銀行系どちらも同じように利用限度額が決まると考えて良いでしょう。
安定・継続した収入があること
カードローン会社では年収の高低よりも、返済能力や安定した収入があるかをどうかが重視されます。
貸したお金を返してもらうことに重きを置いているため、安定・継続した収入があることは利用限度額にも影響するポイントです。
また、安定・継続した収入が見込める仕事に就いていれば、安定した返済が可能と見られることがあります。
信用情報の状態や他社借入額・件数など
審査では、信用情報を通じて現在の利用状況や返済状況、他社借入額・件数などを確認されます。
他社借入が多い方や延滞がある場合は利用限度額に影響し、最悪の場合カードローンが利用できない可能性もあるので、他社からの借り入れがある人は注意が必要です。
利用限度額は、総量規制・安定・継続した収入・審査の4つの項目それぞれを総合的に判断して決まると考えていいでしょう。
カードローンの利用限度額を増額する方法
カードローンの利用限度額を増額する方法は、いくつかあります。
おすすめの増額方法も紹介するので、増額を検討している方はいずれかの方法を試してみましょう。
別のカードローンに申し込み契約する
カードローンの利用限度額を増額させる方法として、別のカードローンを利用する方法が挙げられます。
1社ごとの利用限度額が少額だったとしても、2社3社と審査に通れば希望する利用限度額を満たせる可能性が出てきます。
ただ、1度に複数のカードローンへ申込むのではなく、6ヵ月程度の間隔を開けて申し込むのがポイントです。
これは、消費者金融系カードローンやクレジットカードの信用情報を保有・登録するCICでは、申し込み情報を6ヵ月保有するためです。
1度に複数のカードローンに申し込むと、踏み倒しなど思わぬ誤解を招くことがあるので、複数のカードローンに申し込む際は最低でも6ヵ月は間隔を開けるようにしましょう。
また、複数のカードローンを利用することは違法ではないものの、借入金額や返済日の管理が難しくなるデメリットもあります。
そのため、月末や月中など返済日が被るカードローンを選ぶか、管理できる範囲での利用がおすすめです。
引用：CICが保有する信用情報｜信用情報について｜指定信用情報機関のCIC
すでに契約しているカードローンで増額を申請する
すでに契約しているカードローンがある方は、利用限度額の増額を申請することができます。
利用限度額の増額に申し込むと再審査が行われ、審査に通ると増額が適用される仕組みです。
審査の内容は新規申し込み時とほぼ同じで、新規利用時に比べて収入が下がっていたり延滞が発生したりしていなければ問題なく通過できる可能性が高いでしょう。
特に、以前よりも収入が増えた、勤続年数が長くなった、毎月の返済に滞りがないとなれば、希望通りの増額が期待できます。
一般に新規申し込み時よりも審査は早く終わる傾向がありますが、お金を借りたいタイミングに間に合うように時間に余裕を持った申請がおすすめです。
また、利用限度額の増額申請により利用限度額が増えると、金利が低くなる可能性があります。
というのも、カードローンは利用限度額が100万円以上だと年15％が法律上の上限金利になるため、確実に金利を下げられるのです。
さらに、カードローン各社では利用限度額に応じた適用金利を設定しているので、利用限度額が100万円を超えなくても金利が下がる可能性もあるでしょう。
カードローンの利用限度額を増額するコツ
カードローンの利用限度額を増額する場合、できればスムーズかつ有利に増額したいものです。
利用限度額の増額にはいくつかコツがあり、しっかり対策をしておけば増額の申し込みをしたときスムーズに対応してもらえる可能性があります。
すでにカードローンから借り入れがある方は、ぜひ参考にしてみましょう。
毎月の返済を滞納せずに支払う
カードローンの増額には、毎月滞納せずに期限内の返済を続けることが重要です。
滞納せずに返済を続けることでカードローン会社との間に信頼関係ができ、増額の申請をしたときもその信用により対応してもらいやすくなります。
事前に信用を積み重ねることが必要なので、現在カードローンを利用している方は今からでも定期的な返済を心がけてみましょう。
何度か借り入れと完済を繰り返し実績を積むこと
借り入れ額に関わらず、増額までに何度か借り入れと完済を繰り返すことで、完済の実績を積むことができます。
カードローン会社から見れば、お金を借りても完済できる責任感のある人として認めてもらえるでしょう。
こうした完済の実績があると、増額の際にも有利に働くことがあります。
カードローン契約中に勤続年数や収入が上がる
カードローンの契約中に、勤続年数が伸びたり収入が上がったりすることは増額融資にポジティブな影響をもたらします。
契約した時点の勤務先で継続して勤務していることや、収入が増えることは返済能力や安定収入の面で評価されるため、増額時の審査でも有利になるでしょう。
カードローン会社から増額の案内が届く
カードローン会社では借り入れと完済の実績がある優良顧客を対象に、利用限度額の増額を提案することがあります。
増額の案内が届いた時点でカードローン会社からの評価があるため、増額できる可能性が非常に高いです。
増額の案内が届いたら、手続きして増額の再審査を受けてみると良いでしょう。
また、増額の案内が届いたときは最も増額しやすいタイミングでもあります。
なんといってもカードローン会社から提案されているため、よほど深刻な金融トラブルでもない限り増額できる可能性が高いといえます。
カードローンの利用限度額を増額するメリット
カードローンの利用限度額を増額すると一見、返済が大変そうなイメージですが中にはさまざまなメリットがあります。
そこで今後、高額な出費を控え増額したい場合にも役立つ、利用限度額を増額するメリットを紹介していきます。
金利が低くなる可能性がある
カードローン各社では、利用限度額に応じた金利を設定しており、段階的に下がっていきます。
上限金額いっぱいまで利用することはなくても、限度額が上がっていくことでのメリットがあるということです。
新規申し込み時より簡易的な審査で済む可能性が高い
増額時の審査は、新規申し込み時の審査に比べてやや簡易的に行われます。
審査内容はさほど変わらないものの、スピーディーに終わる傾向があるため、早めに借り入れしやすいところもメリットと言えるでしょう。
万が一お金が必要になったときも安心できる
利用限度額を増額しておけば、今後お金が必要になったときも安心してお金を準備することができます。
冠婚葬祭や旅行などの備えとしても、非常に役立つでしょう。
カードローンの利用限度額を増額するデメリット
カードローンの増額はメリットばかりでなく、デメリットもあります。
滞納した記録が多い場合や申し込み時よりも収入が減っていた場合は、再審査の結果むしろ利用限度額を下げられてしまう恐れがあります。
滞納が複数回ある方は、別のカードローンに申し込んでも審査に落ちる可能性が高いため、まずは返済に注力した方がいいでしょう。
まとめ
カードローンの利用限度額がもう少しほしいと感じたら、まずは利用中のカードローン会社に増額を申請するのがおすすめです。
2社目・3社目と他社に新規で申し込むのも良いですが、自分の信用や利用実績を積むには利用中のカードローン会社で増額する方が有利になります。
お金が必要なタイミングがあらかじめわかっているときは、利用中のカードローンの滞納せずに返済をコツコツ行うことも重要です。
借りたお金をしっかり返せる責任感ある人として印象付ければ、増額しやすくなるでしょう。
増額を希望する方は、日ごろから増額するためのコツを押さえた取り組みを行い、いざというときにスムーズに対応してもらえる状態にしておくことをおすすめします。
