カードローンを利用する際、よく金利が低い・高いなどの言葉を目にします。
金利は返済金額に深く関わるものなので、仕組みを覚えておくと今後の借り入れの際にも役立つでしょう。
今回の記事では、金利の仕組みや実際の利息の計算方法について、詳しく紹介していきます。
カードローンの金利とは
カードローンの金利について、あまり深く考えずに借りてしまうと、利息が想像以上に高額になってしまうことがあります。
ただ、一見すると金利の仕組みは複雑そうですが、仕組みは意外とシンプルなものです。
はじめに、カードローンで使う金利・利息・実質年率といった言葉の意味から一緒に見ていきます。
カードローンで使う金利・利息・実質年率など言葉の意味
金利
金利は、カードローンで借りた元本に対する利息の割合のことをいい、年単位の%で表示されます。
取り扱う商品や業界によっては金利のことを利率や利回りと言うこともありますが、特に意味の違いはありません。
基本的な金利の計算方法は、以下の通りです。
借りた金額 × 利率 × 借りた日数 ÷ 365日 = 利息
例)10万円 × 0.18%(年18%)× 30日 ÷ 365日 = 1,479円 ※小数点切り捨て
また、一年間の利息を計算をしたい場合は10万円×0.18%=1万8,000円となり、一年間で返済する総額は11万8,000円ということになります。
利息
利息は、金利に対して実際に支払う金額のことを指します。
金利は基本的にパーセントで表されますが、利息は金額そのものを表すので、表示方法で見分けると良いでしょう。
利子と利息は、お金を貸したり借りたりする際に余分に生じる対価のことを指し、基本的には同じような意味合いを持ちます。
しかし厳格に言うと、利子は貯金などに対して発生するので「受け取れるもの」です。
一方、利息は借入れなどに対して発生するので「支払うもの」です。
そのためカードローン等では、一般的に「利息」という言葉が使われます。
実質年率
実質年率は、利息に手数料や保証料などを加えた実質的な金利のことをいい、年利と表記されることもあります。
実質年率の表示は法律で表示が義務付けられていて、カードローン業界では手数料や保証料が無料のところがほとんどです。
そのため、実質年率=金利と考えても問題ないでしょう。
固定金利と変動金利の違い
固定金利
固定金利とは、返済期間中金利が変わらないタイプの金利です。
メリットとしては、返済計画が立てやすい点が挙げられます。
固定金利なら最終返済までの返済額が確定しているので、長期に渡る返済の見通しが付きやすいでしょう。
また、固定金利は市場金利に左右されないため、金利が上昇するリスクもありません。
しかし金利の上昇リスクがない分、変動金利に比べるとあらかじめ金利が高めに設定されている場合が多くなっています。
固定金利は、ライフプランを明確に立てたい方や、金利上昇のリスクを抑えたい方におすすめです。
変動金利
変動金利とは、返済期間中に金利が見直されるタイプの金利です。
機関によってタイミングは多少異なりますが、一般的には半年に1度のペースで金利の見直しがされます。
変動金利は、基本的には景気によって金利が変動する仕組みになっており、金利の上昇・減少を個人でコントロールすることはできません。
メリットは、他の金利タイプよりも元の金利が低いことです。
また、金利が変動しさらに低金利になる可能性もあり、その場合返済額を大幅に抑えることができます。
ただ、デメリットとしてはメリットとは裏腹に金利が上がる場合のリスクがあるため、注意が必要です。
そのため、返済予定の期間が短い人や、借入金額が少なく金利が低いときにすぐに返済ができそうな人におすすめでしょう。
金利に上限はあるのか?
金利は、カードローンでお金を借りる上で利息が決まる重要なポイントです。
カードローンの金利には幅があり、高い場合は年18.0%~20.0%となることもあります。
金利の上限を定める法律と、限度額ごとの金利について見ていきましょう。
各カードローンは法律に則って金利を設定している
消費者金融や銀行のカードローンは、法律に沿った金利を各自で設定しています。
消費者金融は貸金業法に則って金利を決定しており、借入額に応じて適応できる上限金利は変動します。
借入額 | 上限金利 |
10万未満 | 20% |
10万以上100万未満 | 18% |
100万以上 | 15% |
参考:上限金利について【貸金業界の状況】 | 日本貸金業協会
例えば、大手消費者金融の金利を見ると、上限金利は年18%、100万~300万円を借りたときの上限金利は年15%になることが多いです。
さらに301万円~800万円を借りたときの金利はぐっと下がり、多く借りるほど低金利になる仕組みを採用しているところがほとんどです。
そして、金利(実質年率)×借入金額×借りた日数÷365日=利息 となっており、借り入れをする際は金利が低い方が利息が少なくなります。
つまり、カードローン会社を比較する際は金利を確認することが大事になりますが、中でも比較する際は限度額ごとの適用金利を確認することは非常に重要です。
カードローンの金利は「年3.0%~18.0%」のように、幅を持たせた金利を表記することが多く、どうしても低い方に注目してしまいます。
ただし金利の上限は金額によって法律で決められているため、借りたい金額によっては金利が下がるケースもあるのです。
比較する際は、自分の借りたい金額の適用金利で確認することをおすすめします。
利息制限法によって上限金利は年20%と決まっている
上記でもお伝えしましたが、利息制限法で金利の上限は定められており、上限は年20.0%となっています。
年20.0%以上の高い金利は違法となるほか、貸付金額に応じた金利上限も定められているので、それぞれの金利を超えた貸し付けも違法となります。
利息制限法を超えた金利で融資を行っているところは闇金の確率が非常に高いので、借りる前に上限金利を確認しましょう。
金利が決まる仕組み
金利に関する法律や金利上限はわかりましたが、具体的に金利はどうやって決まるのでしょうか。
カードローンで適用される金利は人それぞれ異なり、借入金額だけで決まるものではありません。
個人の借り入れに対して、カードローン会社はどのように金利を決めているのか仕組みをチェックしていきましょう。
金利を決める要因
基本的な金利は借入金額によって決まる
金利は、基本的に利息制限法に則って設定されていますが、一人ひとりの適用金利は借り入れ金額により決まるのです。
例えば、借入金額が10万円~100万円未満のときの上限金利は年18.0%なので、基本的には年18%以下に収まります。
一方で、10万円借りた人と99万円借りた人が全く同じ金利になるわけではありません。
借入金額以外にも、様々な要素によって適用金利は変化します。
金利決定に関わる他要素
- 借主のこれまでの信用や返済実績
- 口座の有無や口座残高、口座でのやり取り内容
- 申込時の年収や勤続年数
毎月コツコツ返済してきた方や完済の実績がある方は、金利決定においてプラスに作用します。
そして銀行系カードローンの場合は、銀行口座の有無やその残高、口座のやり取り内容も考慮されているのです。
また、年収がなかったり低すぎたりすると返済の能力がないと見なされ、金利以前に審査に落ちることもあるので注意してください。
金利を考える上での注意点
低金利にこだわると即日融資など利便性が下がる恐れがある
金利は返済額に大きくかかわるため、これまでカードローンやクレジットカードを上手く活用してきた方なら、なおさら低金利にこだわりたくなるものです。
ですが、低金利で借り入れできるということはそれだけ審査が厳しくなる傾向があり、審査にも時間がかかる恐れがあります。
というのも、カードローンには大きく分けて消費者金融系と銀行系の二つがあり、銀行系の方が時間はかかりますが確実に金利を低くできるのです。
消費者金融系の上限金利は平均年18%の一方、銀行系の上限金利は年14.5%が平均となっています。
ただ、即日融資に対応しているのは消費者金融系のみなので、どうしても即日融資を受けたい人は銀行系は避けなければいけません。
また、消費者金融系は利息が発生しない無利息期間のサービスがありますが、銀行系は無利息期間があるカードローンがほぼない点も大きな差でしょう。
今日中に現金が必要な人や、借りてから30日以内に返済できる人は、低金利にこだわりすぎる必要はないと言えます。
最低返済額や返済期間も要チェック
返済を抑えようとして、金利ばかりに目を向けてはいけません。
金利が低くても、返済期間が長くなると結局利息の支払いが増え、返済総額は大きくなってしまいます。
金利以外にも、返済期間を短くするために、最低返済額や返済期間等をしっかりとチェックすることが大切です。
そして、最終的な総額を見通すために前もってシミュレーションし、返済計画を自分なりに立てることをおすすめします。
利息の計算方法
カードローンを利用する上で、金利や利息は重要な要素です。
利息は「借入金額×実質年率÷365×借入日数」で求められるので、実際に利息がどのくらいの金額になるのか、金利別に計算してみましょう。
10万円の借り入れで金利が年18.0%の場合
年18.0%で10万円借りた場合の1年間の利息は、10万円×18%=18,000円です。
1カ月(30日)借りた場合は、10万円×18%÷365×30日=1,479円となります。
そして、1年(12回)の支払いで完済した場合と1カ月(1回)で完済した場合の利息を比べると、12回払いでは16,521円も多く利息を払っていることになります。
実際に数字としてみると、借りる期間が長ければ長いほど利息は非常に大きな重荷になっていることが分かるでしょう。
借り入れ期間 | 計算 | 利息 |
1日 | 10万×18%÷365 | 約49円 |
1カ月 | 10万×18%÷365×30(31) | 1,479円 |
1年 | 10万×18% | 18,000円 |
10万円の借り入れで金利が年15.0%の場合
年15.0%の金利で10万円借りた場合の1年間の利息は、10万円×15%=15,000円です。
1カ月(30日)借りた場合は、10万円×15%÷365×30日=1,232円となります。
そして、1年(12回)の支払いで完済した場合と1カ月(1回)で完済した場合の利息を比べると、12回払いでは13,768円多く利息を払っていることになります。
また、12回払いで完済した場合について、金利18%と15%の場合で比較すると、利息の差は3,000円です。
借り入れ期間 | 計算 | 利息 |
1日 | 10万×15%÷365 | 約41円 |
1カ月 | 10万×15%÷365×30(31) | 1,232円 |
1年 | 10万×15% | 15,000円 |
低金利かつ短期完済が利息軽減の近道
実際の利息を計算してみると、少しでも低金利な方が利息の負担が少なくなることと、できる限り短期間で返済する方が利息を軽減できることがわかりました。
ただ、15.0%と18.0%の金利差で発生する1年間の利息は3,000円しか差がないことを考えると、3.0%の金利差はさほど大きくはないといえます。
一方で「塵も積もれば山となる」という言葉もある通り、年間で3,000円といえど長期間に渡って利息を払い続けると、非常に大きな額になります。
少しでも利息を軽減したいなら低金利な商品を選び、短期間で返済できる金額を借りた方が良いでしょう。
金利の相場はどのくらい?
カードローンは、大きく分けて銀行系と消費者金融の2つがあります。
金利の相場は以下のようになっています。
消費者金融カードローン | 銀行系カードローン | |
上限金利相場 | 18.0% | 14.0~15.0% |
下限金利相場 | 3.0% | 2.0% |
一般的に、銀行カードローンは金利が低めに設定されているため、利息を抑えたいなら銀行系カードローンがおすすめです。
しかし銀行系のカードローンは、即日融資は基本的になく、審査も通りにくい傾向にあります。
一方、消費者金融は貸金業に特化しており、借り入れまでのスピード感があることが特徴です。
また、初回限定で一定期間無利子でお金を借りられるなど、お得なキャンペーンを行う業者が多くあることも、銀行系カードローンとの違いです。
金利については銀行系カードローンの方が低いですが、自分の条件や状況によっては総額的に消費者金融カードローンの方がお得になる場合もあるので、自分のパターンに合わせて適切なカードローンを選びましょう。
また、返済金額や返済回数によって、金利が低くても逆に総額が高くなる可能性もあるため、契約の際には注意してください。
まとめ
カードローンの金利・利息・実質年率は、お金を借りる上で重要な要素であり返済総額にも影響します。
金利や利息の意味を正しく理解することは、自分にとってベストな商品を選ぶ際に非常に重要です。
また、各社の無利息期間や即日融資などの特典も考慮すると、どれくらいの返済期間になるか考えることも必要です。
金利や利息は、各種ローンやクレジットカードのリボ払いや分割払いでも活用できる知識なので、この機会に正しく理解しておきましょう。