ゆうちょ銀行でお金を借りるには

北海道から沖縄まで全国にあるゆうちょ銀行は、ゆうちょ銀行の店舗だけではなく、郵便局の窓口や提携しているコンビニのATMから手数料無料で利用することができるなど、使い勝手のいい金融機関となっています。

郵政グループには、かんぽなどの保険商品を取り扱っている会社もあり、郵便局の窓口では保険も銀行業務も併設しているという店舗が多いです。

そのため、面倒な事務作業も郵便局に足を運べば、一度で終えられるというメリットがあります。

ゆうちょ銀行のキャッシュカードでお金は借りられる?

何か大きな出費が迫っていて一時的にお金を借りたいという時、ゆうちょ銀行でカードローンを利用することができれば、と思う人もいるでしょう。

ゆうちょ銀行に、そのような金融商品はあるのか気になるところです。

以前ゆうちょ銀行は、スルガ銀行との提携によってカードローン商品を取り扱っていましたが、2018年10月末時点で新規申し込みが終了しています。

現在スルガ銀行によって引き継がれてはいますが、ゆうちょ銀行で取り扱っているカードローンは無いというのが現状です。

ゆうちょ銀行のキャッシュカードでは、お金を借りることができず、他の手段を検討する必要があります。

ゆうちょ銀行には、カードローン以外の融資サービスがいくつか用意されているため、どのように利用することができるのかを確認していきましょう。

ゆうちょ銀行の「口座貸越サービス」

一つ目は、「口座貸越サービス」です。

これは、いつも使っているゆうちょ銀行口座が残高不足になった際に、自動的に融資を受けることができるサービスになっています。

利用するための入会金や年会費は、必要ありません。

ただし、口座を持っていれば誰でも使えるわけではなく、申し込みが必要になります。

どのような貸付サービスなのか、どのような条件を満たしていると利用できるのか、商品の詳細をチェックしましょう。

申し込みできる方

契約時の年齢が満20歳~70歳の方で、日本国籍か永住許可を得ている方が対象となっています。

ゆうちょ銀行の通常貯金を保有していて、安定して継続的な収入がある方が条件で、年金収入の方も申し込みが可能です。

また、無職の方も配偶者が上記の条件を満たしていれば、申し込みできます。

  • 満20歳~70歳の方
  • 日本国籍か永住許可を得ている方
  • ゆうちょ銀行の通常貯金を保有
  • 安定して継続的な収入がある方(年金収入OK、無職でも配偶者が条件を満たせばOK)

申し込み~融資まで

申し込みは、インターネット窓口から行うことができます。

インターネットからの場合、スマホからゆうちょ認証アプリをインストールし登録する必要があります。

口座貸越サービスの申し込みサイトから、本人認証の登録と本人確認書類をアップロードを行うと、10日ほどで審査結果がメールに届きます。

窓口で申し込む場合は、通帳かキャッシュカードと本人確認書類に加え、お届け印をゆうちょ銀行の窓口へ持参し、申込書に記入します。

申し込みから2週間ほどで、封書またはハガキで審査結果が届きます。

使い道は事業性資金としての利用以外は自由となっており、審査によって10万~30万円の限度額が決まります。

利率は14.0%となっており、自動振り込みの料金が不足しているときや貯金額以上に引き出したときなど、利用限度額の範囲内で自動的に融資を受けることができます。

返済の方法

口座貸越サービスを利用している口座から、毎月8日に1万円返済されます。

早く返したい場合や繰り越し返済を行いたい場合には、ゆうちょ銀行のATMから返済用口座に随時任意の金額を返すことができます。

「口座貸越サービス」を利用する上での注意点

口座貸越サービスは、一度申し込みを行っておくだけで、残高が不足していて自動引き落としができなかったというときや、急に現金が必要となったときに便利です。

しかし、サービスの申し込みの際には審査が必要となり、審査に落ちてしまうと利用することができません。

インターネットからの申し込みでも審査に10日程度、窓口からでは2週間程度の時間がかかるとされているため、余裕を持って申し込んでおくことが必要となります。

また、窓口での申し込みによる審査結果は封書やハガキで届き、インターネットからの申し込みでも、2月と8月に、口座の登録住所に「お取引照合表」が届きます。

そのため、家族に内緒で利用したいと考えている方は、隠しておくことが難しいかもしれません。

ゆうちょ銀行の「貯金担保自動貸付け」

2つ目は審査なしで融資を受けることができる「貯金担保自動貸付け」です。

こちらは通常貯金の残高を超える自動引き落としや引き出しがあったときに、不足分が自動的に貸付されるサービスです。

申し込みできる方

貯金担保自動貸付けには、審査や年齢制限などがないため、未成年や学生でも利用することができます。

ただし、総合口座通帳に、担保となる定額貯金または定期貯金が預け入れられていることが必要となります。

手続きに必要なもの

手続きは窓口で行い、総合口座の通帳、本人確認書類、お届け印を持参しましょう。

借りる方法、返済方法

申し込みを行うと、自動的に不足額が融資されます。

借りられる金額は、総合口座に預け入れている金額の90%までとなっており、1冊の総合口座につき300万円までとなっています。

利率は、定額貯金を担保とする場合は約定金利+0.25%定期貯金を担保とする場合は預け入れの際の約定金利+0.5%となっています。

定額貯金も定期貯金も、現在の金利は0.002%となっているため、0.252%~0.502%になります。

返済は通常貯金に入金することで自動的に返済され、貸付期間2年(または満期までの期間)の間であれば、返済回数や返済金額に上限はありません。

「貯金担保自動貸付け」を利用する上での注意点

一般的なカードローンなどの場合は、金利が18.0%ということも少なくないため、0.252%~0.502%の低金利で融資を受けられ、貸付期間内であればいつでも自分の好きなときに返済することができるというのは魅力的でしょう。

定期貯金や定額貯金にある程度お金が入っているけれど、崩したくはないという方にとっては有利な融資方法と言えます。

しかし、貯金担保自動貸付けの場合、総合口座に担保となる定額貯金定期貯金を預けることが前提条件となるため、そもそもの条件がクリアできないという可能性があります。

ゆうちょのクレジットカード「JP BANK カード」

ゆうちょ銀行から発行されているクレジットカードの「JP BANKカード」には、キャッシング機能が付いています。

クレジットカードの審査の際に申し込みをしておけば、融資を受けるために改めて審査が必要ということはありません。

JP BANKカードはどのようなクレジットカードなのか、詳細を確認していきましょう。

JP BANK カードの特徴

JP BANKカードには、一般カードJP BANK GOLD、29歳以下の方のみ申し込むことのできるJP BANK AlenteJP BANK EXTAGEの4種類があります。

どのカードも「ゆうちょ銀行キャッシュカードと一体型のクレジットカード」として発行することができます。

JP BANKカードとはどのようなカードなのか、基本となる一般カードの詳細を確認してみましょう。

JP BANKカード(一般カード)

初年度は年会費無料、翌年度以降は年会費税込み1,375円となりますが、年に1度、カードを利用することで、年会費無料にすることができます。

カードブランドはVISA、Mastercard、JCBから選ぶことができ、VISAのタッチ決済を利用することができるほか、毎月の利用金額1,000円→1ポイントが貯まります。

貯めたポイントは、各ブランドで用意されている景品に交換することができます。

VISA、Mastercardでは、年間の利用金額によってボーナスポイントが付与され、50万円~100万円未満で10万円ごとに10ポイント、100万円~300万円未満では10万円ごとに15ポイント、300万円~では10万円ごとに30ポイントが貯まります。

JCBでも年間の利用金額によるポイントアップが用意されています。

追加カードとして、家族カード、ETCカードを作ることができ、iDやQUICPay、JR東海エクスプレス予約サービスなどに申し込みが可能です。

「JP BANK カード」ならキャッシングできる

JP BANKカードのキャッシングは、あらかじめ設定された利用枠の範囲内でお金を借りることができるサービスで、繰り返し利用することができます。

JP BANKカードの申し込みの際にキャッシングリボ、キャッシング一括の利用枠を申し込んでおくことで、ATMやインターネット、電話からいつでもお金を借りられます。

返済方法は2種類

JP BANKカードのキャッシングは、2種類あります。

キャッシングリボ(リボルビング払い)では、元金と利息を合わせた一定額を、毎月のカード利用代金と一緒に支払い口座から引き落とされます。

キャッシング一括(一括払い)では、毎月締切日までの利用金額に利息を加えた金額をカード利用代金と一緒にまとめて引き落とされます。

キャッシングリボでは、毎月一定額で返済していくことができるため、「今月はいくら返済すればいいのか」と確認する手間がないことがメリットですが、その分手数料がかさんでいきます。

キャッシング一括では、利用額に応じて毎月の返済額が異なり、借りた金額によっては返済額が大きくなる可能性はありますが、手数料も一度で済むため、利息が増えないというメリットがあります。

「JP BANK カード」でキャッシングできる場所

JP BANKカードはゆうちょ銀行のキャッシュディスペンサーやATMの他、提携している金融機関から借入と返済を行うことができます。

提携している金融機関によっては、借入のみで、返済することはできないといった制約があります。

そのため、ゆうちょ銀行以外の金融機関で利用したい場合は、ATMから返済ができるかどうかを確認しておきましょう。

キャッシング振込サービス

インターネットや電話からは、手数料無料でキャッシング振り込みサービスを利用することができ、24時間、年中無休で申し込むことができます。

受付後5営業日後に、カード利用代金支払い口座に振り込まれます。

「JP BANK カード」でキャッシングする時の注意点

JP BANKカードは、融資の際にあらためて審査が必要であるということはなく、普段はクレジットカードとして利用しつつ、現金が必要となったときに借りるという便利な使い方をすることができます。

しかし、あらかじめキャッシング枠の申し込みをしておくことが必要となり、クレジットカードの審査は通っても、キャッシングの枠は審査に落ちてしまうという可能性もあります。

キャッシュディスペンサーやATMではすぐに借り入れることができますが、キャッシング振り込みサービスを利用する場合は、振り込みまでに5営業日かかるため、余裕を持って申し込んでおくことが必要となります。

JP BANKカードは「ご利用代金WEB明細書サービス」に申し込むことで、明細が家に届くことを避けられます。

ただし、キャッシングを利用すると紙の明細書が郵送で届くため、家族に内緒で利用したい方には注意が必要です。

ゆうちょ銀行の融資方法は3種類

ゆうちょ銀行には、カードローンとしてお金を借りることのできるサービスは用意されていません。

しかし、口座の残金が足りないときに自動的に融資してくれる「口座貸越サービス」「貯金担保自動貸付け」というサービスがあるので利用をしてみましょう。

口座貸越サービスは申し込みと審査が必要となり、貯金担保自動貸付けは定期貯金や定額貯金の口座に預け入れが必要となりますが、条件を満たしていれば、利用することができます。

また、ゆうちょ銀行だけに銀行口座を持っている方で、財布の中にカードを増やしたくないけれど、キャッシングに興味はあるというのであれば、「JP BANKカード」の利用を検討してみましょう。

JP BANKカードはクレジットカードですが、キャッシュカードと一体型として発行することができるため、カードを申し込む際にお守り代わりにキャッシング機能を付けておくことで、いざという時に心強い助けになってくれます。