カードローンは住宅ローンの審査に影響がある?

カードローンと住宅ローンの利用が、お互いどのような影響があるのか気になる人は多いのではないでしょうか。

そこで、カードローン利用者が住宅ローンを組むときの影響、住宅ローン利用者がカードローンへ申し込むときの影響について、分かりやすく解説します。

まずは、カードローンを利用している方の住宅ローンへの影響を確認していきましょう。

カードローンを利用中で住宅ローンを組みたいときはどんな影響があるのか

カードローンの利用中に住宅ローンを申し込んだとき、カードローンは住宅ローンの審査にどれくらい影響するのでしょうか。

カードローンの利用は必ず住宅ローンの審査に影響すると考える方が多くいますが、実はカードローンを利用していても全ての人に影響があるわけではありません。

では、影響がある人とはどんなタイプなのでしょうか。

カードローンの利用が住宅ローン審査に響く人

カードローンを利用している方の中で、下記のどれかひとつでも当てはまってしまうと、住宅ローンの審査に影響する可能性は高くなります。

返済に遅延歴や延滞歴があるとき(異動情報)

カードローンを利用すると必ず返済日がありますが、返済日までに入金がないと、信用情報に遅延や延滞の記録が残ってしまいます。

信用情報は、ローンを提供する企業が審査の際に必ず確認をするので、支払いが遅れたことは他社に必ずバレるのです。

延滞が長く続いてしまうと、「異動」として情報が記載され、住宅ローンの審査にはほぼ確実に通らなくなります。

遅延や延滞、移動情報の記録があると住宅ローンの審査にマイナス評価を与えてしまうので、日ごろから気を付けましょう。

異動情報が記載されるケース
  • 2~3か月以上延滞したとき
  • 延滞を繰り返し、借入先が異動と判断したとき
  • 自己破産など債務整理をおこなったとき

借入額の返済比率が高いとき

カードローンを利用していること自体よりも、収入と借入のバランス崩れていないかどうかが非常に重要です。

年間の返済額を額面の年収で割り、100を掛けて返済比率を計算してみましょう。

数値が高いほど、返済がしづらい状況となります。

返済比率の計算式

年間返済額÷額面年収×100

例えば年収が460万円の人が返済額に年間100万円を充てていたとすると、返済比率は21.7%です。

一般的に、住宅ローン返済比率は30%から35%を基準としていますが、申し込み先の銀行により細かい決まりは異なります。

つまり、すでに利用しているカードローンの返済比率が高すぎる場合は、住宅ローンが利用ができない可能性が高くなってしまうのです。

カードローンの返済と住宅ローンを利用した場合の返済比率はどうなるか、あらかじめ確認しておくといいでしょう。

過去に延滞歴がある

『信用情報は5年間保管される』という情報を聞いたことがある人はいるでしょう。

これだけ見ると、延滞したことは5年間保管され、5年が過ぎれば消えるから大丈夫と思ってしまいがちですが、実はそうではありません。

記録が消えるのは、すべての残金を完済してから5年後です。

延滞から5年後ではないので、カードローンを現在も利用している方で、過去に延滞をたびたびしていた場合は、住宅ローンの審査はマイナスになってしまうでしょう。

過去に延滞したことがある人は、完済から5年以上経ってから申し込むのがオススメです。

ただ、支払いに1~2日遅れただけで早急に対応した場合は、信用情報に記載していないことも考えられます。

心配な人は、自分の信用情報を開示して確認するといいでしょう。

延滞したことのある銀行の住宅ローンに申し込んだとき

今はカードローンの延滞が一度もなくても、過去に金融事故を起こしたことのある銀行の住宅ローンに申し込んだ場合、完済から5年が過ぎていても審査に影響が出る可能性はあります。

その理由は、社内で金融事故に関する情報を残しているケースがあるためです。

銀行に限らず、カードローンを取り扱っている会社では同じことを繰り返さないように、信用情報とは別に社内で金融事故の情報を持っている場合があります。

住宅ローンを組むときは、過去に金融事故を起こしたことのない銀行を選んだ方が良いでしょう。

いくつかのカードローンを利用していたとき

2~3社のカードローンを利用しているときや、完済後に解約せずそのまま持っている方は、限度枠の合計額が審査に影響するため、注意が必要です。

例えば、借り入れしていない状態のカードローン3社分の利用限度額が、800万円分あるとします。

その状態で住宅ローンで5,000万円の融資を希望しても、カードローン分も含めて返済比率が計算されるため、危険とみなされてしまいます。

住宅ローンに申し込む前に、利用していないカードローンは解約・退会しておきましょう。

カードローンの利用による審査への影響を少なくしたい方

カードローンを利用していることで、住宅ローンの審査に影響が出るかもと心配になる方は、下記の順番で申し込み前の対策をしておきましょう。

  1. 可能な限り繰り上げ返済をする
  2. 契約しているが使っていないカードローンやクレジットカードを解約する

借り入れをしていなくても、利用限度枠があることで審査が不利になるケースもあります。

使っていないカードローンは解約し、返済できそうなカードローンは繰り上げ返済をして完済に近づけることを心がけましょう。

住宅ローンを組んだ後のカードローンへの申し込みは審査に影響するのか

住宅ローンの返済中でカードローンの利用を検討している人の中には、住宅ローンの借り入れ額の大きさからカードローンの審査に落ちそうだと心配な人もいるでしょう。

一方で、住宅ローンの利用中にカードローンに申込んでも、問題はありません。

その理由は、住宅ローンは年収の3分の1以上の借り入れを制限する「総量規制」の対象ではないためです。

カードローンの審査では、必ず総量規制に引っかかっていないか確認され、借り入れの総額が年収の3分の1を超えていた場合、審査に落ちてしまいます。

ただ、住宅ローンは総量規制の対象外となっているため、他にローンの契約がなければ問題なく契約できる可能性が高いでしょう。

また、他に心配なポイントは、年収からみた返済額の比率、住宅ローン返済の遅延、延滞の有無です。

逆に住宅ローンを利用していることや返済がきちんとされていることは、審査でプラスの評価となりやすいといえるでしょう。

カードローンを利用していると、住宅ローンの審査に落ちたときに配偶者にバレるの?

まず、住宅ローンの審査に落ちても、なぜ落ちたか理由は教えてはくれません。

なので、カードローンの延滞があったことや利用中であることはここではバレることはありません。

バレるとすると、審査に落ちたことで、担当者から『信用情報の記録を確認してはどうでしょうか』と助言が出た場合です。

そう言われれば、配偶者は審査に落ちた理由を知るために、信用情報を確認するでしょう。

そこで借入があることを知られる可能性は、十分にあります。

そのほかにも、申し込みの段階で借入の有無を記入欄があるため、となりに配偶者がいる場合はその時点で借り入れがバレてしまうでしょう。

また、借り入れがあるのになしと書いてしまうと、偽って申し込みをしたことになって審査に落ちやすくなるので、注意が必要です。

カードローンと住宅ローンは同じ銀行で使うと有利?

銀行系のカードローンを現在利用している、または申し込みを考えている方は、同じ銀行を選んだときにどんなメリットがあるのでしょうか?

実は、銀行の住宅ローン利用者に対してカードローンの金利の引き下げなど、優遇をしているカードローンもあります。

またその逆に、カードローン利用者が住宅ローンを申込んだ場合にも、同様に優遇されるケースがあります。

カードローン、住宅ローンともに支払いに遅れがなくクリーンに利用しているときは、申込を検討してみてもいいでしょう。

住宅ローンに落ちてしまった後はどうすればいい?

住宅ローンの審査は、カードローンやクレジットカードの利用状況のほかにも影響するものがあります。

担当者から直接理由を教えてもらえなくても、言葉の節々から取れるキーワードやアドバイスのなかで推測できるので、注意して聞きましょう。

考えられる住宅ローンの審査落ちの理由

推測できる理由と対策を、それぞれ見ていきましょう。

対策を知れば、再度住宅ローンに申込むときのポイントを抑えることもできます。

その1 住宅ローンが完済する年齢が80歳以上になる

住宅ローン申込年齢が35歳だったとしても、毎月の支払いを抑えて返済年数を伸ばすと審査も厳しくなります。

それは、銀行の住宅ローンのほとんどが完済年齢を80歳の誕生日まで、81歳未満としているためです。

「80歳までの返済なら延ばしても大丈夫そう」と思うのは利用者だけで、銀行側は年金以外に収入があるか怪しい以降まで返済が続くと、回収できないリスクを背負わなければいけません。

決まりは80歳の誕生日までとあっても、現実的に返済は厳しいので審査に落ちてしまった可能性があるでしょう。

対策

子どもがいる家庭の場合は、返済を子どもに引き継ぐ(連帯債務者を子にする)親子リレーを提案してみましょう。

また、親と子それぞれで住宅ローンを組むペアローンという方法もあります。

こちらは、担当者からアドバイスとして提案してもらえることも多くなっています。

その2 収入が不安定・勤務年数が短い

会社員で完全歩合制の営業についている方や個人事業主の方は、収入が不安定になりやすく審査にも影響します。

また、転職したばかりで勤務年数が少ない場合もマイナス印象になりがちです。

様々なシミュレーションを行ったとしても、確実性が低い方には大きなお金を貸すことにはリスクが伴ってしまうため、審査に落ちることもあるでしょう。

対策

勤務年数や業種の条件が厳しくない、「フラット35」への申込を考えてみましょう。

フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関がパートナーとなって提供している住宅ローンです。

勤務年数は長いけれど正社員ではない方や、個人事業主の方でも借りやすいのが特徴です。

その3 借入やローンが多い

カードローンやクレジットカードのキャッシングのほかに、カーローンやクレジットカードのリボ払いなど、借入が多いと返済額も多いということになります。

そのため住宅ローンを組んだとしても、返済がしっかり行われるか不安視されてしまいます。

対策

ローンの多さが原因だと推測できるときは、完済してから再度申込むようにしましょう。

また、完済したのに解約していないカードローンやクレジットカードがあるのも良くないので、解約をおすすめします。

住宅ローン申込前と申込後ではカードローンの影響は異なる

カードローンを利用しながらの住宅ローンの申込と、住宅ローンを利用しながらのカードローン申込では、審査への影響が違います。

また、住宅ローンを利用中のカードローンへの申し込みは気にする部分は少ないですが、カードローン利用中の住宅ローンへの申し込みは、気になる点が多い人もいるでしょう。

これから住宅ローンに申し込む方は、カードローンやクレジットカードはもちろん、返済をしている各種ローンの返済状況や完済日を確認しておくのがおすすめです。

できれば完済後に申込を行なうのがいいですが、早めに申込をしたいときは、住宅ローン担当の方と相談し合いながら進めていくのがベストでしょう。

早いうちに話ができれば、気になる点において対策を練っていくこともできます。

マイホームを手に入れるためにも、自分が先頭に立ってしっかり対応していきましょう。