修学旅行の費用が払えないときの対策とNG行為とは?

修学旅行にはお金がかかる

学校で行われる課外活動や行事は学習活動の一環であり、社会性や社交性を培う学びの場となります。

普段とは違う場所でクラスメートと過ごす修学旅行は、子どもにとって思い出深い出来事になりますが、普段の学費とは別に、旅行費用が必要です。

この修学旅行費で頭を抱える保護者の方は、どのようにお金を捻出させているでしょうか。

修学旅行費の目安

義務教育期間中の修学旅行は小学校、中学校で、それぞれ一度ずつ行われることがほとんどです。

小学校では最終学年である6年生、中学校では最終学年の3年生であることが多いですが、中学生の場合は受験のため2年生で行うこともあります。

公立、私立どちらかによって、旅行先や費用が大きく変わり、私立の学校だと費用が高額になることがあります。

修学旅行にかかる費用の参考として、令和4年の就学援助実施状況等調査結果を見てみましょう。

令和4年就学援助実施状況調査
引用:令和4年度 就学援助実施状況等調査結果

 

就学援助として予算に組まれている修学旅行費は、小学校では2万2,690円、中学校では6万910円となっていることがわかります。

公立の小学校では、同じ地方の近隣県などに赴くことがほとんどで、公的な宿泊施設を利用することが多いため、価格が抑えられています。

中学校になると、修学旅行で居住地域から離れる学校が増え、移動距離が長くなるため、修学旅行の費用も小学校に比べて高くなると考えられます。

修学旅行の費用は毎月の集金で積み立てていくことが多く、それなら簡単と思いがちですが、旅費以外にも費用がかかることも覚えておきましょう。

旅行のためのカバンや私服で行く場合の洋服代、お土産代、食費などに加えて、当日イベントを楽しむための費用や、いざという時の予備のお金が必要です。

学校によっては持参するお小遣いの金額が決まっている場合もあり、決められたルールで計画的に買い物をすることでお金の使い方を学ぶ意味もあります。

子どもの修学旅行費が払えない

子どもに修学旅行を思い切り楽しんできてほしいけれど、家計が苦しくて費用が捻出できない場合、諦める前に取れる手段があるかどうか検討してみましょう。

方法1:学校に相談

修学旅行は学校行事の一環であるため、旅行先やかかる費用など一番詳しく知っているのは学校であり、お金を支払う方法も学校によって異なります。

担任の先生や修学旅行を担当している先生に相談することで、詳しい旅行の内容やアドバイスをもらえる可能性があります。

旅行費用の支払いが苦しい家庭に対応した過去の事例や、地域の行政が行っている支援や学校からの助成金などについて案内をしてもらえるかもしれません。

どうしても旅行に行かせてあげられない場合には、子どもを傷つけないための方法などを相談することもできるでしょう。

まずは学校に相談をし、参考となる意見を聞けなかった場合に、次の手を考えてみましょう。

方法2:公的な援助を受ける

義務教育中の学びの機会が奪われることがないように、「就学援助制度」という円滑な学校生活を送るために必要な費用を補助する公的な制度があります。

就学援助制度では、主に学用品や通学に対する費用、給食費などに対して金銭の援助を得ることが可能です。

修学旅行の費用も補助の範囲に含まれるため、旅行の費用を捻出することが苦しい場合、援助を受けられるか確認してみるといいでしょう。

就学援助制度はどのように申請をして、どのように支給されるのか、川崎市を例に確認していきましょう。

対象となる人

就学援助制度の対象となるのは、市立の小学校・中学校へ子どもを通わせることが経済的に困難な保護者となっています。

  • 現在、生活保護を受けている方
  • 今年度または昨年度に生活保護が停止、廃止した方(廃止後も援助が必要な生活状況の場合)
  • 児童扶養手当を受給している方
    児童扶養手当は「ひとり親世帯」に相当する方に支給される手当で、児童手当や特別児童扶養手当とは異なります。
  • その他経済的に困窮している方
    失業中や疾病による休職中などの生活状況や世帯人数に対する世帯所得などから判断し、援助が必要と認定されることで受給することができます。

申し込み方法

申請書に記入をし、必要な証明書類を添付して、世帯で最も年齢が上の子どもの学校へ提出します。

就学援助制度の申請は年度ごとに毎年申請する必要がありますが、年度の途中で生活状況が苦しくなった場合は随時申し込むことができます。

支給金額

修学旅行費は、小学校6年生と中学校3年生の時に実費が支給されますが、令和3年度では小学校6年生では上限額が1万8,300円、中学校3年生では上限額が6万6,000円となっています。

対象者や支給金額、申請方法などは自治体によって異なる場合があるため、制度の利用を検討したい方は、改めて住んでいる地域の制度を確認してみましょう。

参考:川崎市教育委員会:令和4年度川崎市就学援助制度のお知らせ

教育一般貸付(国の教育ローン)

利用条件は中学校卒業以降ですが、私立などの高校では修学旅行先が海外などになる場合もあるため、費用に不安がある場合は、教育一般貸付の利用を検討してみましょう。

教育一般貸付は日本政策金融公庫が運営している国の教育ローンで、世帯年収が上限額以内であれば低い固定金利でさまざまな教育資金に利用することができます。

方法3:教育ローン、学費ローン

公的な援助やローンを利用できない場合は、民間の教育ローンや学費ローンを修学旅行費に充てることを検討してみましょう。

教育ローンや学費ローンは学費以外にも教育に関することなら幅広く利用できることが多く、インターネットを通じて低金利で借りることができます。

イオン銀行教育ローン

イオン銀行の教育ローンには2種類がありますが、修学旅行の費用に利用することができるのはイオンアシストプラン・目的型だけです。

日本国内に住んでおり、原則として年収200万円以上の安定して継続した収入のある20~60歳の方が申し込むことができます。

申し込みにはイオン銀行の口座が必要ですが、保有していない方は申し込み完了後に口座開設が必要です。

インターネットから申し込むことができ、仮審査後に自署の契約書と確認書類を返送することで本審査となり、年3.8~8.8%の固定金利で10~700万円の融資を受けられます。

毎月指定口座から自動引き落としの返済が行われますが、余裕があるときには手数料無料で一部や全額を繰り上げ返済することができます。

住信SBIネット銀行の教育ローン

住信SBIネット銀行のNEO BANKの教育ローンは、国内に住んでいる20歳以上、完済時に70歳未満の方で、毎月安定した定期収入があれば申し込むことができます。

WEBのみで申し込みを完結することができ、100万円までの融資は年収証明が不要です。

年1.775~3.975%の金利で、10~1,000万円の融資を受けることができ、余裕があるときには1円単位で繰り上げ返済を手数料無料で行うことができます。

借り入れから5年間は利息のみの返済の元金据置期間を設定することができるため、修学旅行だけでなく卒業までサポートがほしい方でも負担を軽くして借りられます。

方法4:カードローン

一時的に費用を出すのが難しい場合は、カードローンを利用することで、軽い負担でお金を借りられる可能性があります。

就学援助制度から、平均として小学校の修学旅行では3万円程度、中学校の修学旅行では6万円程度の旅行費がかかると予想できます。

バッグや洋服などが必要でも全部で10万円程度に収まるのであれば、借入金額は少額で済むかもしれません。

カードローンの中には、初めて借りる際に一定期間の利息がゼロになるものもあります。

それを上手く利用し、一時的に少額をカードローンで借りて早く完済すれば、少ない負担で旅行費用を捻出することが可能です。

ただし、カードローンの金利は高く、数十万などを借りると利息の返済だけで生活が苦しくなってしまう可能性があるため、あまりおすすめはできません。

アコム

スマホから最短30分で融資を受けることができるアコムのカードローンは、初めての借り入れなら契約日の翌日から30日間無利息です。

1万~800万円を年3.0~18.0%の金利で借りることができ、高校生を除く18歳以上で安定した収入と返済能力のある方が申し込むことができます。

審査に通ると、口座への振り込みか提携のATMから融資を受けることができ、返済日は毎月指定日か35日ごとを選択することができます。

毎月指定日の返済だと、口座引き落としの場合は毎月6日、それ以外の返済方法は自分の指定した期日までに返済することになります。

35日ごとの返済の場合は、借入日から35日後または前回の返済日から35日後までに、インターネットバンキングや銀行口座からの振り込みか、アコムや提携ATMから返済が必要です。

レイクALSA

申し込みから最短25分で融資を受けることのできるレイクALSAのカードローンは、借入金の全額を60日間無利息とするか、借入額の5万円まで180日間無利息とするか選ぶことができます。

1万~500万円を年4.5~18.0%で借りることができ、20歳以上で安定した収入のある方が申し込むことができます。

融資は口座へ振り込んでもらうか、SBI新生銀行カードローンATMでは手数料無料となっており、提携ATMからの借り入れは所定の手数料がかかります。

インターネットバンキングからのWEB返済サービス、口座振替、SBI新生銀行カードローンATMからの返済なら手数料無料、手数料がかかりますが提携ATMや銀行振り込みを行うこともできます。

修学旅行費が払えないから、とやってはいけないこと

子どもを修学旅行に参加させたいからといって、旅行費を支払うつもりがないのに強制的に参加させることは避けましょう。

旅行の費用を支払っていないことは先生は把握しており、子どもを通じて料金を請求されることや偏見の視線を向けられることなどが考えられます。

その後の学校生活が気まずいものになったり、楽しかった思い出が嫌なものに変わってしまいます。

また、お金を支払わなくてもどうにかなると子どもが思うようになると、教育上としても良くないことです。

また、積み立てや期限までに支払いが終わっていないと、修学旅行に参加させてもらえない学校も多いため、子どもを旅行に参加させたいけれど不安な場合は、必ず学校に相談するようにしましょう。

まずは学校に相談しよう

修学旅行の費用が払えないと困ったときには、費用はどれぐらいかかるのか、どのような支払い方になるのかということなど、旅行の詳細を一番知っている学校にまず相談をするようにしましょう。

学校ではそれまでに同じような事例を経験してノウハウがあったり、利用可能な自治体の制度を知っていたりすることもあります。

また、修学旅行の費用以外の子どもの心配なども相談することができます。

学校に相談した上で費用の心配が解消できないのであれば、自治体の窓口に相談に行ったり、就学援助制度などの受給要件を満たしているか調べてみると良いでしょう。

年収などの受給要件から外れている場合は、教育ローンや学費ローンについてを調べる、カードローンを検討してみるなど、その他に旅行の費用を捻出する手立てを考えてみてください。