家を直したいのにお金がない!そんなときは
日々を営むうえで重要な生活基盤である「家」は、年を重ねると老朽化が進み、中も外も修繕をしていく必要が出てきます。
老朽化だけではなく、台風や地震、水害など、日本には多くの自然災害が引き起こるため、家が傷んでしまうリスクもあるでしょう。
傷んだまま使い続けると、さらに傷みが進んでしまうこともあるため、できるだけ早めに修繕を検討することで、家を長く保つことができます。
ただ、ちょっとした修繕であれば預貯金やボーナスなどで間に合わせることができても、修繕箇所や規模によっては、高額な費用がかかる場合があります。
修繕したいのにお金がない時には、主に「リフォームローン」「他の方法でお金を借りる」「家の修繕を頼むことを諦める」の3つの方法を検討することができます。
それぞれのメリットやデメリットを、細かく見ていきましょう。
家を直したいけどお金がないときの対策1:リフォームローンを組む
リフォームローンとは?
リフォームローンとは、古くなった住宅の修繕や増改築などのために利用できる目的型ローンで、住宅ローンよりはやや審査が緩いという傾向にあります。
リフォームローンには、「無担保型」と「担保型(有担保型)」を選ぶことができ、それぞれの特徴を見ていきましょう。
無担保型
担保がないため、もしローンの返済ができなくなったときでも担保を失ってしまう心配がありません。
担保型と比べると高金利で借りられる金額は少なく、融資期間も短めですが、大規模な修繕が必要でなければ十分と言えるでしょう。
担保型(有担保型)
リフォームする住宅を担保にして借りることのできるローンであるため、無担保型のローンよりも金利が低く、借りられる金額も高額となります。
融資期間も長くなるため、負担なく借りたい場合に有利な手段となりますが、返済が滞ってしまった場合には自宅を失いかねないリスクがあります。
リフォームローンの審査難易度
リフォームローンの審査内容は詳細を公開されていませんが、住宅ローンと同じような内容であると予測できます。
大手金融機関のリフォームローンは、前年度の年収が200万円以上、勤続年数が1~2年以上といった条件が設けられており、住宅ローンよりは比較的審査に通りやすくなっています。
国土交通省が令和3年度に行った「民間住宅ローンの実態に関する調査」では、審査で重視される点は「完済時の年齢」「健康状態」「担保評価」「借入時の年齢」「年収」「勤続年数」「連帯保証」といった内容が9割を超えています。
特に「完済時の年齢」は約99%と回答されており、審査に通りやすい条件としては、年収はもちろん、年齢や健康状態が重要ということがわかります。
参考:国土交通省「令和3年度民間住宅ローン実態に関する調査結果報告書」
リフォームローンを組むメリット・デメリット
メリット
住宅ローンに比べて借入額が大きくならないため、クレジットヒストリーなどの信用情報に問題がなければ審査は通りやすいと予想されます。
無担保型のリフォームローンであれば、担保の手続きなどが必要なく、素早くお金を借りることができ、住宅ローンの返済に問題がなければ併用も可能です。
デメリット
住宅ローンに比べて、借りることのできる金額が少ないため、大規模な修繕が必要となった際には金額が足りない可能性があります。
無担保型のリフォームローンは早く借りることができますが、住宅ローンより金利が高く融資期間が短いため、借り入れ金額によっては月々の返済額が高くなり、生活費を圧迫する結果になりかねません。
家を直したいけどお金がないときの対策2:お金を借りる
リフォームローン以外にも、お金を借りる方法は様々な方法があります。
少額であれば、人に借りる、クレジットカード払い、キャッシングなどの方法がありますが、ある程度まとまった金額には、銀行のフリーローンかカードローンがおすすめです。
ローンの種類
フリーローン
銀行のフリーローンは、事業や投資目的でなければ使途は自由となっており、リフォームにも利用することができます。
引っ越しやトランクルームを借りるなど、リフォーム以外のお金も借りたい場合、使い道が限定されるリフォームローンではなくフリーローンで一括で借りるのがおすすめです。
またリフォームローンによっては、バリアフリーなどの一部リフォームがローン使途の範囲外となっていることがあるため、その場合はフリーローンを併用する方法もあります。
カードローン
銀行や消費者金融の商品でカードローンというものがあり、フリーローンよりもスピーディーに融資を受けることができます。
最初に一括で融資を受けるフリーローンと違い、カードローンは最初に決まった利用限度額内であれば、返済後であっても何度も繰り返し借入をすることができます。
金利は高くなりますが、消費者金融のカードローンでは即日融資を受けることができるものもあります。
比較表
サービス名 | 金利 | 借入額 | 融資期間 |
みずほ銀行フリーローン | 変動金利:5.875%
固定金利:6.900% |
10万~300万円 | 最長7年 |
三井住友銀行フリーローン | 5.975% | 10万~300万円 | 1年~10年 |
みずほ銀行カードローン | 2.0%~14.0% | 10万~800万円 | 1年ごとの自動更新 |
三井住友銀行カードローン | 1.8%~14.6% | 10万~500万円 | 1年ごとに審査の上、自動更新 |
アコム | 3.00%~18.00% | 1万~800万円 | 最終借入日から最長9年7ヶ月 |
プロミス | 4.50%~17.80% | ~500万円 | 最終借入後原則最長6年9ヶ月・1~80回 |
フリーローンとカードローンを比べると、断然フリーローンの方が金利が有利であることがわかります。
また、カードローンで借りるとしても、銀行の方が低い利息で借り入れることが可能です。
住宅ローンを利用している銀行のカードローンに申し込む場合、金利が優遇される場合もあるため、そのようなサービスがないか確認しておきましょう。
銀行でお金を借りるメリット・デメリット
メリット
銀行でお金を借りるメリットは、金利が安いことやお金を借りるときの信頼度が高いため、不安を減らせるところにあります。
銀行は「借りることができるのは、年収の3分の1まで」という総量規制の対象外であるため、他にローンの利用を行っていても利用できる可能性があります。
デメリット
銀行からお金を借りると、比較的金利が低く信頼度も高いメリットがありますが、その反面、審査の難易度が高まり、支払い能力など審査が厳しくなる面があります。
審査には時間がかかるため、消費者金融のように即日融資などはできず、なるべく早くお金を借りたい場合には向いていません。
家を直したいけどお金がないときの対策3:家の修繕を諦める
お金が貯まるまでは諦める
ひどい雨漏りや屋根が崩れたときなど、今すぐに修繕しないといけないレベルの破損でない場合、修繕を一時的に諦め、お金が貯まるのを待つのも選択肢の一つです。
ただし、お金を貯めている間に老朽化が進むことで、他のものが壊れたり、破損箇所がひどくなっていくなどの可能性が考えられます。
そのため、破損箇所が見つかった際にはなるべく早めに直すことが重要です。
自分で直す
なるべく早く直したいけれどお金を借りることに抵抗があるなどの場合、自分でできる範囲ならDIYなどによって、自分で直す手段もあります。
自分で家を直す場合は、説明の動画を見たり、ホームセンターなどで相談してみるなど、直し方を学んでから行うことで成功率を上げることができます。
ただ、無茶をすると取り返しがつかなくなる可能性もあるため、注意が必要になるでしょう。
家を直すときは、リフォームローンとカードローンどっちがいい?
家を直すときにはリフォームローンとカードローン、どちらのほうがいいのか悩むこともあります。
借りる状況にもよりますが、自分にとって有利な方法はどちらなのかを考えるために、項目ごとに目安となるデータを例に比較してみましょう。
リフォームローン | カードローン | |
金利 | 1.0%~5.0% | 2.0%~18.0% |
借入額 | 1万~1,000万円 | 10万~500万円 |
申し込み条件 | ・満18歳~返済時に70歳
・勤続年数1年以上 ・前年度の年収が200万円以上で安定して継続した収入のある方 |
・満18歳~
・安定して継続した収入があれば、アルバイトや年金受給者などでも可能 |
返済回数の上限 | 6~180回(6ヶ月~15年) | 最終借入日から80~115回 |
審査難易度 | 住宅ローンより容易だけれど、年齢や健康状態が重要視される | 信用情報に問題がなければ容易 |
金利
リフォームローンではほとんどの銀行で年10%を超えることはありませんが、カードローンの場合は、18.0%など法定の上限金利に近い利息が設定されることが多くなります。
たとえ数%であっても、借入の金額が大きいと利息が膨らんでしまうため、なるべく金利を抑えるよう意識しましょう。
すぐに返せる金額を借りる場合は、消費者金融のカードローンの無利息の期間中に返済することで、利息なしで借入ができるという手段もあります。
借入額
リフォームローンでは1,000万円といったまとまった金額を借りることができるため、大規模な修繕が必要な場合は、リフォームローンを検討しましょう。
申し込み条件
リフォームローンは住宅ローンよりも申し込み条件は緩いですが、年齢などによっては審査に通らない可能性もあります。
審査に落ちてしまった場合は、より難易度の低いカードローンに申し込んでみるのがオススメです。
返済回数の上限
リフォームローンは契約した金額を最初に一括で借り入れ、あとは毎月返済していくのみになります。
一方でカードローンの場合は、利用限度額内であれば、何度も借入を行うことができるため、厳密な返済回数というものがありません。
審査難易度
リフォームローンは住宅ローンよりも借りやすいですが、審査に落ちてしまった場合は、より申し込み条件の低いカードローンを検討することで、審査に通る可能性があります。
家を直す時にはできる方法を検討しよう
家の修繕を行うときには、高額な費用がかかることが多いため、貯金だけでは支払いができないことも多いでしょう。
自分でどうにかできる範囲であればDIYで直すという選択肢もありますが、破損したものを放置すると、さらに深刻な状態になる可能性があります。
破損の状態によっては、生活に支障が出てしまうこともあるため、修繕の費用が足りないという時にはお金を借りてでも直すことが必要です。
家の修繕には高額な費用がかかることが多いため、借入を行う場合は、リフォームローンなどで金利を低くすることで、生活に負担をかけずに家を快適にできるでしょう。