公務員でもカードローンは利用できる?

公務員の方は、安定収入でお金に困らない印象がありますが、介護や子育てなど様々な出費で生活が厳しくなる方もいるでしょう。

お金が必要になった時、公務員でもカードローンから借りられるのかどこから借りるのが良いのか、このコラムでは紹介していきます。

共済組合の貸付事業

公務員の方がお金を借りたくなった時、まず共済組合の貸付事業を思いつく人もいるでしょう。

共済組合は「住宅貸付」「医療貸付」など特別な出費の補助を目的としたものが多いですが、「普通貸付」のように用途を問わず低金利で貸してくれるものもあります

例えば、埼玉県市町村職員共済組合の普通貸付なら、「給料月額の6倍で最高200万円の範囲内」年1.26%の利率で借りることが可能です。

低金利であることに加え、毎月の返済は給与や賞与から源泉控除されるため、返済の手間も省けるのが大きなメリットです。

ただし共済組合は、以下のようなハードルがあるため、急いでいる人や上司にバレたくない人には向いていません。

  • 貸付までに時間がかかる
  • 提出書類が多い
  • 上司の許可(印鑑)が必要

そこで、お金が必要な時はカードローンを利用するのが手軽でおすすめです

メリット・デメリット色々な側面があるので、詳しく見ていきましょう。

公務員の方がカードローンを利用する際気になること

公務員の方がカードローンを利用する時、どのようなことが気になるのでしょうか。

1)そもそも借りられるの?

まず、公務員の方はカードローンからお金を借りることはできるのでしょうか。

職業上、借りることが許されないのでは?という不安を持つ方もいるでしょう。

一部のカードローンでは、雇用形態によって申し込みできないものもありますが、基本的には公務員でも返済能力があれば融資してもらうことが可能です。

公務員だから貸してくれない、ということは決してありません。

むしろ公務員はカードローン会社から見て信頼性が高く、以下のような理由から返済能力が高いと思ってもらいやすい職業です。

・離職率が低い

まず公務員は、民間企業に比べると倒産やリストラの可能性がなく、離職率も低いです。

法律で決められた給与があるので、年齢を重ねれば確実に給与が上がるシステムも離職率が低い理由の1つでしょう。

・定期的な収入がある

公務員は業績に関係なくボーナスが定期的に発生し、民間企業のように大幅な給与の増減がありません。

・退職金がある

公務員は、国家公務員なら「国家公務員退職手当法」、地方公務員なら「地方自治法」という法律により、退職時に受け取る金額が決まっています。

公務員は定期収入に合わせてボーナス・退職金も必ずあるので、カードローン会社から見て「安定した職業」という立ち位置になります。

2)審査は通りやすいの?

カードローンの審査の基準は、どの会社も明確にしていません。

そのため、言い切ることはできませんが、上記の離職率の低さや安定した収入といった特徴を他の職種と比較すると、公務員は審査に通りやすいと言えるでしょう。

3)周りに借りたことがバレないの?

カードローンを利用したい時、家族や職場の人にバレないか不安になる公務員の方もいるかもしれません。

公務員という職業柄、バレたくないという気持ちを強く持っている人は多いでしょう。

カードローン会社は、審査の際に申込者が勤務先に本当に在籍しているかどうか確認するための「在籍確認」を行います。

在籍確認は基本電話で行うため、職場に電話がかかってくることがあり、それでバレそうだと感じる人もいるでしょう。

ただ、在籍確認はカードローンという単語は絶対に出さず、担当者の名前を名乗るのでバレる心配はほとんどありません

職場と家族にカードローンの利用がバレないようにするには

「周りにバレることなくお金が借りられるのだろうか」と気になる公務員の人向けに、職場・家族のケース別にバレない方法を紹介します。

1)職場にカードローンの利用がバレないようにするコツ

職場で気を付けたいのは、在籍確認の電話でバレないようにすることです。

ただ、在籍確認の電話で、カードローンの業者が「アコムです」「アイフルです」などと名乗ることは絶対にありません。

またクレジットカードを作成する際も、在籍確認で職場へ電話がかかってくることはあるので、慌てずに対応しましょう。

実際にかかってくる電話は、以下のような内容です。

「在籍確認」の電話
在籍確認の電話と3つの答え方
「鈴木(カードローン担当)と申しますが、佐藤さん(申込者)はいらっしゃいますか?」
→1)本人が出る
「はい、佐藤です」在籍確認OK!
→2)他人が出る
「佐藤は外出中です。」在籍確認OK!
→3)他人が出る
「佐藤という者はこの部署におりません」在籍確認NG!

自分が電話口に出ればそのまま在籍確認に対応でき、同僚が出たとしても「この職場で働いている」と認識してもらえれば、在籍確認は完了します。

一方で、3の対応だと在籍確認ができず審査に落ちてしまいます。

人数が多い職場の場合は、代表電話ではなく自分がいる部署の電話番号を申請するなどして、在籍確認をスムーズに行えるようにしましょう。

ちなみに在籍確認の後、会社の人から変に勘繰られないためにも、いくつか言い訳を準備してもいいかもしれません。

《在籍確認時おすすめの言い訳》

  • クレジットカードに新しく申し込んだ
  • 前の会社で受けた保険の勧誘

2)家族にカードローンの利用がバレないようにするコツ

家族で最も気を付けたいのは、郵送物です。

カードローンを申し込むとローンカードや契約書が郵送で送られてくるため、郵送物がきっかけでバレる場合があります。

カードローン業者の名前がダイレクトに書いてあることはありませんが、名義を検索されてしまうとすぐに分かってしまうので、効果はあまり期待できないでしょう。

家族にはカードローンの利用を内緒にしたい方は、郵送物無しで借り入れできるカードローンがおすすめです。

消費者金融系カードローンおすすめ2選

「周囲にバレない」という視点から、おすすめのカードローンを2社紹介します。

1)「SMBCモビット」は申し込みから融資までWEBで完結

SMBCモビットは、借り入れ限度額が最大800万円で金利が年3.0%〜18.0%です。

借り入れ条件は「20歳〜74歳の安定して継続的な収入を得ている方」なので、公務員の方ならほぼ問題なく借り入れできるでしょう。

SMBCモビットが提供している「WEB完結申込」を選ぶと、必要書類を公式アプリで提出できる他、ローンカードが発行不要なので利用がバレにくくなる点がメリットです。

電話・インターネット・自動契約機から申し込みできますが、「WEB完結申込」を選びたい場合はインターネットから申し込む必要があります。

在籍確認に関しても、公式サイトに以下の説明があります。

「SMBCモビットのWEB完結なら、原則として電話・書類手続きが発生しないため、電話による在籍確認なしでご利用できます

勤務先に電話連絡がおこなわれることについて不安がある方は、ぜひ、SMBCモビットのWEB完結申込をご検討ください。」

SMBCモビット公式HP「カードローンの在籍確認が行われる理由」より引用

一方で電話による在籍確認が無くても、公務員であることを証明する書類は提出する必要があるので、必要書類をよく確認しましょう。

また、「WEB完結申込」にはゆうちょ銀行・三井住友銀行・三菱UFJ銀行・みずほ銀行のいずれかの口座が必要です。

上記の銀行口座を持っていて、家族や職場に内緒で借入をしたい人はSMBCモビットの「WEB完結申込」を選びましょう。

2)「アイフル」は在籍確認の電話が原則ない

消費者金融系カードローンの「アイフル」も、申し込みから融資までオンライン完結することができます。

借り入れ条件・借入限度額・金利など基本的な条件はSMBCモビットと同じなので、公務員の方ならほぼ問題なく借り入れできるでしょう。

在籍確認に関しては、公式サイトに以下の説明があります。

アイフルでは、原則として電話による在籍確認はおこないません。審査を進めていく上で電話による確認が必要だとアイフルが判断した場合のみ、申込者の勤務先に電話をかけて在籍確認を実施します。

アイフル公式HP「カードローンの在籍確認はどのように実施される?電話連絡時の注意点も解説」より引用

在籍確認の際に書類提出が求められるので、こちらも必要書類に気を付けましょう。

スムーズに確認がとれないと、職場へ電話がかかってくることもあります

また、アイフルは銀行口座の指定が無く、希望した口座への振込やコンビニATMからの借り入れにも対応しています。

ちなみに消費者金融系カードローンに抵抗がある方は、「公務員ローン」を活用するのもおすすめです。

公務員ローンにはどのような特徴があるのか、以下で説明します。

公務員ローンのメリットとデメリット

公務員ローンには、大きなメリットとデメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。

〈メリット〉金利が非常に低い

消費者金融系カードローンの金利は年3.0%〜18.0%程度が平均で、初めて借りる方はほぼ確実に年18.0%ほどで借りることになります。

一方で、公務員ローンは金利が一桁台の銀行もあります。

カードローンは元本と利息の合計額を毎月返済しますが、高額になれば半分以上利息が占めるような状況にもなりかねません。

低金利で返済総額を抑えられるところは、公務員ローンの大きなメリットです。

〈デメリット〉条件が厳しい

申し込み条件に勤務地や居住地の指定があったり、公務員の中でも臨時職員は対象外だったりと、銀行によって様々な条件があります。

申し込む際には、今一度自分が対象に当てはまるのかしっかり確認が必要です。

また、金利が低いからといって必要以上に借り入れをしてしまうと返済が辛くなります。

返済金額はあらかじめ計算しておき、必要な金額だけ借りるようにしましょう。

公務員向けカードローン3選

3つとも地方銀行ですが、公務員ローンを展開している広島銀行・琉球銀行・東邦銀行を紹介します。

1)広島銀行の公務員ローン

広島銀行の公務員ローンは、借り入れ限度額が最大300万円で、50万円・100万円・200万円・300万円と借り入れ希望額を選ぶことが可能です。

ただし、借り入れ限度額は税込年収によって決まる仕組みになっており、年収が高いと借りられる額も高額になっていきます。

  • 通常は限度額50万円
  • 税込定例年収300万円以上なら限度額が100万円
  • 税込定例年収400万円以上なら限度額が200万円
  • 税込定例年収500万円以上なら限度額300万円

広島銀行の公務員ローンは変動金利制をとっており、2023年1月時点では2.475%〜4.225%です。

また、広島銀行のサービスと契約している数が多いほど金利が優遇されます。

契約内容 融資利率
〈ひろぎん〉ダイレクトバンキングサービス 年3.725%
〈ひろぎん〉ダイレクトバンキングサービス

〈ひろぎん〉バリューワン

年2.975%
〈ひろぎん〉ダイレクトバンキングサービス

〈ひろぎん〉バリューワン

個人型確定拠出年金(iDeCo)

年2.475%
上記のサービスのいずれも利用していない場合 年4.225%

〈借り入れ条件〉

  • 公務員の方
  • 20歳以上60歳未満
  • ひろぎんカードサービス(株)の保証が受けられる方
  • 広島銀行の近くに住んでいるか勤務している方

〈必要書類〉

本人確認書類(どれか1つ)
  • 運転免許証
  • 健康保険証
  • 共済組合員証
  • パスポート
  • 外国人登録証明書
公務員確認書類(どれか1つ) 
  • 共済組合員証
  • 職員証
  • 前年度の所得が確認できる書類(原本)
  • 源泉徴収票
  • 住民税課税決定通知書
  • 市県民税課税台帳記載事項証明書

 

2)琉球銀行の公務員ローン

琉球銀行の公務員ローンでは、100万円以上500万円以内の金額を50万円単位で借りることができます。

年収の2分の1以内まで借りられますが、無理をせず必要な金額だけ借りるようにしましょう。

2023年1月時点の金利は、変動金利制が年5.1%、固定金利制が年5.5%と設定されています。

〈借り入れ条件〉

  • 公務員
  • NTT、JT、沖縄電力のグループ会社の正社員
  • 駐留軍従業員(臨時・嘱託社員・自衛隊員の方は利用不可)
  • 20歳以上60歳未満
  • 過去に自己破産のような信用事故がない
  • (株)りゅうぎんディーシー、(株)オリエントコーポレーションのいずれかの保証が受けられる方

〈必要書類〉

必要書類
  • 預金通帳
  • 預金通帳の届出印鑑
  • 運転免許証やパスポートなどの顔写真付き本人確認書類
  • 給与証明書か源泉徴収票などの収入確認書類

    琉球銀行に口座を持っている必要があるので、ほぼ沖縄県に住んでいる方向けのサービスと言えます。

    3)東邦銀行の公務員ローン

    東邦銀行は福島県を中心に業務展開している銀行で、公務員ローンは借り入れ限度額が最大500万円で1万円単位の借り入れになります。

    金利は変動金利制のみとなっており、2023年1月時点では年2.0%です。

    〈借り入れ条件〉

    • 20歳以上かつ完済時に80歳以下の方
    • 公務員の方(臨時職やパートの方は除外)
    • 返済可能な安定かつ継続的な収入がある方
    • 東邦信用保証(株)の保証を受けられる方
    • インターネット申し込みは福島県・宮城県・山形県・茨城県・栃木県・新潟県に住んでいるか勤務している方のみ
    • 営業区域内に居住もしくは勤務している方

    〈必要書類〉

    必要書類
    • 運転免許証などの本人確認書類
    • 健康保険証や共済組合員証などの勤務先確認書類
    • 源泉徴収票などの所得証明書類
    • 見積書や契約書などの資金使途確認資料

    資金の用途をきちんと伝える必要がありますが、低金利で地域に密着した公務員の方に優しい商品です。

    どの銀行の公務員ローンも地域に密着したサービスであり、営業地区に勤めている方や居住している方を対象にしています。

    公務員の方もカードローンで誰にもバレずにお金が借りられる!

    お金に困った場合、公務員の方にもカードローンを利用する選択肢があります

    安定した収入が定期的にある公務員の方なら、カードローンの審査に通る可能性は十分あるでしょう。

    ただし、職場や家族にバレたくない人は在籍確認の電話と郵送物に気を付けてください。

    在籍確認を電話ではなく書類で済ませてくれる業者や、郵送物の無いカードローンもあります。

    また、中には公務員の方に向けた「公務員ローン」を提供している銀行もあり、消費者金融に比べて金利を低く抑えられるので、対象地域に住んでいる方にはおすすめです。