プライオリティ・パスは、世界各国1,300ヵ所以上の空港VIPラウンジを利用できる会員制サービスです。

会員になると、フライト待ちの間にラウンジで飲み物や軽食を無料で楽しめるほか、ラウンジによっては併設のシャワーを利用したりスパ体験ができたりします。

プライオリティ・パスで利用できる空港ラウンジはビジネスユースにも便利で、その多くで無料Wi-Fiを使えるほか、一部には会議室を備えているところもあります。

会員プランには3種類あり、次のようになっています。

プライオリティ・パスの3種類の会員プラン

会員とその同伴者は32米ドルでプライオリティ・パス対応のラウンジを利用できます。

会員は年間10回まで無料で、会員の同伴者は32米ドルでプライオリティ・パス対応のラウンジを利用できます。

なお、会員による年間11回目以降の利用は32米ドルで可能です。

会員は無料で、会員の同伴者は32米ドルでプライオリティ・パス対応のラウンジを利用できます。

どの会員プランを選ぶかは、空港ラウンジの利用頻度で検討すればいいでしょう。

たまにしか旅行に行かない方ならスタンダード会員が最もおトクに利用でき、定期的に旅行する方ならスタンダード・プラス会員のほうがおトクになるでしょう。

一方、プレステージ会員の会費は比較的高額ですが、ひんぱんに旅行する方なら、ほかのプランよりもおトクに空港VIPラウンジを利用できそうです。

なお、ラウンジの事前予約は不要で、会員証や航空券を提示し、必要なら料金を支払うことで利用できます。

ラウンジで提供されるサービスは基本的に無料ですが、内容によっては料金がかかります。

プライオリティ・パスが使える空港VIPラウンジは世界各地に1,300ヵ所以上ありますが、日本国内では4空港11ヵ所に限られています。次の表にそれをまとめました。

このラウンジリストの中で目を引くのはお好み焼店の「ぼてぢゅう」でしょう。

便宜上、ラウンジとして表に入っていますが、飲食代金から値引きされるという形でプライオリティ・パスのサービスを利用できます。

お好み焼店での一般的な利用金額を考えると3,400円オフというのはかなりの値引きといっていいでしょう。

プライオリティ・パスで利用できる世界各国1,300ヵ所以上の空港VIPラウンジのうち、日本人の渡航率が高い国から15ヵ所を選んで紹介します。

日本人の渡航率が高い国の空港ラウンジ
15ヵ所

空港名
台湾桃園国際空港（台湾・台北）
ソウル・仁川国際空港（韓国・ソウル）
香港・チェクラップコク国際空港（中国・香港
グアム国際空港（アメリカ・グアム）
ダニエル・K・イノウエ国際空港（アメリカ・ハワイ、旧：ホノルル国際空港）
ロサンゼルス国際空港（アメリカ・ロサンゼルス）
ワシントン・ダレス国際空港（アメリカ・ワシントンDC）
トロント・レスター・B・ピアソン国際空港（カナダ・トロント）
ローマ・フィウミチーノ空港（イタリア・ローマ）
パリ＝シャルル・ド・ゴール空港（フランス・パリ）
ロンドン・ヒースロー空港（イギリス・ロンドン）
マドリード・アドルフォ・スアレス・バラハス空港（スペイン・マドリード）
フランクフルト・アム・マイン国際空港（ドイツ・フランクフルト）
アテネ国際空港（ギリシャ・アテネ）
シドニー・キングスフォード・スミス国際空港（オーストラリア・シドニー）

ラウンジ名	営業時間	利用条件	設備
PLAZA PREMIUM LOUNGE （ZONE C）	毎日：午前6時～午後10時	最長3時間まで滞在可能、2歳未満の子どもは入室無料 ドレスコードあり（スマートカジュアル）	テレビ、禁煙、軽食・飲み物、アルコール飲料 新聞・雑誌、フライト情報、FAX、Wi-Fi
ASIANA BUSINESS LOUNGE（第1ターミナル）	毎日：午前5時～午前0時（状況に応じて入室制限あり）	2歳未満の子どもは入室無料	バリアフリーアクセス、テレビ、インターネット（PC設置）、禁煙、軽食・飲み物、シャワー、アルコール飲料、新聞・雑誌、フライト情報、会議室、FAX、Wi-Fi
PLAZA PREMIUM LOUNGE（第1ターミナル）	毎日24時間	最長3時間まで滞在可能、2歳未満の子どもは入室無料、ドレスコードあり（スマートカジュアル）	テレビ、インターネット（PC設置）、禁煙、軽食・飲み物、シャワー、アルコール飲料（缶ビールのみ無料、ワインリストの飲み物は別途料金）、新聞・雑誌、フライト情報、FAX、Wi-Fi
SAGAN BISITA	毎日：午前0時～午前10時、午後1時～午後5時	11歳以下の子どもは入室無料	バリアフリーアクセス、テレビ、インターネット（PC設置）、禁煙、軽食・飲み物、シャワー、アルコール飲料、新聞・雑誌、フライト情報、FAX、Wi-Fi
THE PLUMERIA LOUNGE（インターアイランド・ターミナル）	毎日：午前9時～午後9時30分（状況に応じて入室制限あり）	2歳未満の子どもは入室無料	バリアフリーアクセス、テレビ、禁煙、軽食・飲み物、アルコール飲料（21歳以上）、新聞・雑誌、Wi-Fi
VIRGIN ATLANTIC CLUBHOUSE（第2ターミナル）	毎日：午前5時～午前10時45分	最長3時間まで滞在可能、5歳未満の子どもは入室無料	バリアフリーアクセス、禁煙、軽食・飲み物、アルコール飲料（ビールとワインのみ無料）、Wi-Fi
AIR FRANCE - KLM LOUNGE（コンコースA）	毎日：午前11時30分～午後2時、午後6時～午後9時30分（状況に応じて入室制限あり）	最長3時間まで滞在可能、2歳未満の子どもは入室無料	バリアフリーアクセス、テレビ、禁煙、軽食・飲み物、シャワー、アルコール飲料、新聞・雑誌、フライト情報、Wi-Fi
PLAZA PREMIUM LOUNGE（国際線・第1ターミナル）	毎日：午前5時～午前0時30分	2歳未満のお子様は入室無料、ドレスコードあり（スマートカジュアル）	インターネット（PC設置）、禁煙、軽食・飲み物、アルコール飲料（午前11時～）、新聞・雑誌、フライト情報、FAX、Wi-Fi
PLAZA PREMIUM LOUNGE（第3ターミナル）	毎日24時間	最長3時間まで滞在可能、2歳未満の子どもは入室無料、ドレスコードあり（スマートカジュアル）	バリアフリーアクセス、テレビ、インターネット（PC設置）、禁煙、軽食・飲み物、シャワー、アルコール飲料（ビールとハウスワインのみ無料）、新聞・雑誌、フライト情報、会議室（料金別途）、FAX、Wi-Fi
STAR ALLIANCE LOUNGE（第1ターミナル）	毎日：午前5時30分～午後9時（状況に応じて入室制限・営業時間変更あり）	ビジネスラウンジのみ最長3時間まで滞在可能、2歳未満の子どもは入室無料、ドレスコードあり	バリアフリーアクセス、テレビ、軽食・飲み物、シャワー、アルコール飲料（18歳以上）、新聞・雑誌、フライト情報、会議室、Wi-Fi、テラスに喫煙専用エリア
PLAZA PREMIUM LOUNGE（第2ターミナル）	毎日：午前5時～午後10時	第2ターミナルから出発・乗り継ぎの場合み利用可能、最長3時間まで滞在可能、2歳未満の子どもは入室無料、ドレスコードあり（スマートカジュアル）	バリアフリーアクセス、テレビ、インターネット（PC設置）、禁煙、軽食・飲み物、シャワー、アルコール飲料、新聞・雑誌、フライト情報、FAX、Wi-Fi
CIBELES（第1ターミナル）	毎日24時間（状況に応じて入室制限あり、座席予約可能）	シェンゲン圏外の発着便利用者のみ利用可、同伴者の利用は会員1人につき1名のみ、5歳以下の子どもは入室無料	バリアフリーアクセス、テレビ、インターネット（PC設置）、軽食・飲み物、シャワー、アルコール飲料、新聞・雑誌、フライト情報、会議室、Wi-Fi、喫煙テラスあり
SKY LOUNGE（第2ターミナル）	毎日：午前6時15分～午後8時（状況に応じて営業時間変更あり）	最長3時間まで滞在可能、2歳未満の子どもは入室無料	バリアフリーアクセス、テレビ、インターネット（PC設置）、禁煙、軽食・飲み物、シャワー（料金別途）、アルコール飲料、新聞・雑誌、フライト情報、Wi-Fi、ゲームゾーン、仮眠ベッド
GOLDAIR HANDLING LOUNGE（ホールA）	毎日：午前3時～午前1時	シェンゲン圏外の発着便利用者のみ利用可、最長4時間まで滞在可能、6歳未満の子どもは入室無料、ドレスコードあり	テレビ、インターネット（PC設置）、禁煙、軽食・飲み物、アルコール飲料、新聞・雑誌、フライト情報、会議室、Wi-Fi
REX LOUNGE（第2ターミナル）	月～金：午前6時～午後7時/土曜：午前7時30分～午後7時/日曜：午前8時30分～午後7時	大人1名につき12歳未満の子ども2名まで入室無料	バリアフリーアクセス、テレビ、インターネット（PC設置）、禁煙、軽食・飲み物、アルコール飲料（午後3時～）、新聞・雑誌、フライト情報、会議室（料金別途・要予約）、Wi-Fi、マッサージチェア

ドレスコードのあるラウンジについては、高級レストランや高級ホテルで求められるような厳しいものではないようです。

常識的に考えておかしな格好でなければ、まず問題ないでしょう。

以上、紹介してきたように旅行で便利に使えるプライオリティ・パスですが、ネックとなるのはその年会費です。

スタンダード会員で99米ドル、スタンダード・プラス会員で299米ドル、プレステージ会員で429米ドルという金額は決して安くはありません。

そこで、おすすめしたいのが、プライオリティ・パス付きのクレジットカードを持つことです。

一部のゴールドカードあるいはプラチナカードには、プライオリティ・パスへ登録する権利が無料で付いてくるものがあります。

そうしたクレジットカードの年会費はそれなりの金額になりますが、カードに付いてくるそのほかの特典と合わせて考えると、かなりおトクにプライオリティ・パスを利用できると考えていいでしょう。

プライオリティ・パス付きのクレジットカードを3つ、次に紹介します。

アメックス・ゴールド

アメックス・ゴールド（アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード）の会員・家族カード会員は、プライオリティ・パスのスタンダード会員に無料で登録でき、さらに、1回32米ドルの利用料金が年間2回まで無料になります。

また、カード自体の特典として、国内主要28空港とハワイのダニエル・K・イノウエ国際空港のラウンジを無料で利用できます。

アメックスゴールド

楽天プレミアムカード

楽天プレミアムカードの会員（本会員）は、プライオリティ・パスのプレステージ会員と同等のサービスを受けられます。

同伴者の利用は1名1回につき3,300円(税込)となり、後日、同カード会員に同伴者料金として請求されます。

また、カード自体の特典として、国内主要36空港とハワイのダニエル・K・イノウエ国際空港のラウンジを無料で利用できます。

楽天プレミアムカード

三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード

三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カードの会員は、プライオリティ・パスのプレステージ会員と同等のサービスを受けられます。

同伴者の利用は1名1回につき2,200円(税込)となり、後日、同カード会員に同伴者料金として請求されます。

また、カード自体の特典として、国内主要33空港とハワイのダニエル・K・イノウエ国際空港のラウンジを無料で利用できます。

三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード

国内旅行と違い、海外旅行時には空港に早く到着しておく必要があり、また、乗り換えにも時間がかかることが多いものです。

そうしたとき空港ラウンジは大変ありがたいものに感じられるはずです。

特に、プライオリティ・パスで利用できるVIPラウンジなら、軽食や飲み物のバリエーションが豊富で、アルコールもたしなめるので長い待ち時間でもリラックスして過ごせます。

乗り換えなどで何時間も待たされるようなときでも、シャワーを浴びてリフレッシュすることが可能です。

気になる年会費もプライオリティ・パス付きクレジットカードを活用すれば負担感はほとんどありません。

そうしたカードの多くには空港ラウンジのほかにも、旅を便利にする特典・サービスや高額の旅行傷害保険が付帯してくるので、一度使ってみれば海外旅行でとても頼りになることがわかるでしょう。