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第005回 クレジットカードは誰でも作れるものですか?
クレジットカードは誰でも作れるものですか?
クレジットカードを持っていれば、いざ何かを購入する際に現金を持ち合わせていなくとも
支払いを済ますことが出来るので、とても便利と言えますね。
しかし、いずれはクレジットカード利用分を指定口座からの引き落とし等で支払う必要があります。
ですから、クレジットカードを作ろうと申し込みを行う際、支払能力について「審査」されます。
では、一体どのような点が審査されるのでしょうか?
もちろん、審査基準は発行する会社や種類によって異なります。
とはいえ、審査されるポイントは殆ど変わらないので、今回はその点をいくつかピックアップしたいと思います。
まず、「安定した職業・収入」が挙げられます。
申込人が、公務員や一定規模の企業に勤める給与所得者ならば、比較的審査が通過しやすくなります。
また、たとえ申込人がこの点に該当しない場合でも、
配偶者や両親等の職業・収入が安定していれば、通過する可能性は高くなります。
また、「債務の有無」も重要です。
この点については、次のようなモデルケースで考えてみましょう。
氏名 |
山田一郎さん |
年齢 |
30歳(独身) |
職業 |
中小企業勤務(正社員) |
年収 |
400万円(税込) |
住居 |
一人暮らし(賃貸) |
既存の借入 |
3,000万円(金利3%・期間20年・毎月返済) |
このとき、毎月返済額は約17万円(注)となり、年収の約50%が既存の借入返済に充てられていることになります。
このように収入に対する返済割合が高いならば、
たとえキャッシングの利用を希望しない場合でも審査に通過することは難しくなります。
所定の引き落とし日に、山田さんの預金残高が不足するリスクがあると捉えられるのです。
さらに、「申込人の信用情報」も大きなポイントです。
信用情報には、過去における延滞や自己破産の有無などが含まれます。
もしも、申込人が頻繁に、もしくは長期間の延滞をしていたならば、審査結果にマイナスの影響を及ぼします。
このように、申込人の現状だけでなく過去の実績も含めて、
クレジットカードを持つに値する人物かを見極められているのです。
【代表的な審査ポイント】
職業・収入 |
公務員や給与所得者は通過しやすい。 |
返済割合 |
既にお金をどこかから借り入れている場合、 |
信用情報 |
過去に延滞や自己破産等、支払い能力に疑問を |
現在、非常に多くのクレジットカードが存在しています。
中には、「学生専用」などといった利用対象者を限定したものも登場しています。
このような環境なので、自分の属性に適したクレジットカードを見つけたならば、
容易に作成出来る可能性はあると言えます。
しかし、たとえそういったカードを申し込み、
審査に通過したからといって無闇やたらにカードで支払いをすることは避けた方が賢明です。
あなたの支払能力を超える金額を利用したことで延滞等をしたならば、その後の審査を通過するための
ハードルが高くなってしまうでしょう。もちろん、リボ払いやキャッシング利用も慎重に行いましょう。
(注)資本回収係数より、年間返済額=3,000万円×0.06722≒202万円
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この記事担当のFP
伊藤 亮太 いとう りょうた
2007年11月 スキラージャパン株式会社設立。取締役に就任。
東京スクールオブビジネス非常勤講師(ファイナンシャルプランニング)
ファイナンシャルプランナーとして活動中
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