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第036回 クレジットカード、年会費無料の理由

Q.年会費無料なのでカードを作ったらリボ払い専用のカードでした。お得なのか損なのかよくわかりません。他のカードを持つべきでしょうか?

A.生活必需品などでカードを利用するなら他のカードにしましょう。


最近のクレジットカードは年会費が無料のものが一般的になってきました。しかも初年度だけでなく永年無料です。一般のカードの年会費は通常1,300円~2,100円程ですが、それでも経営する側にはとても安定した収入源だったはずです。しかし、デフレ時代になり価格競争が激しくなった今では、その大事な収入源を手離してでも会員数を増やしたいという戦略にでました。

しかし、年会費無料とはいえ結構サービスは十分な内容です。ゴールドカードやプラチナカードのようなサービスは期待してはいけませんが、普通に決済に使う分には申し分ないといえます。最近ではゴールドカードの年会費も随分安くなってきました。

もともと年会費を無料にしたのは、流通系カードの会員数を増やして販売促進させる目的でした。それに影響され信販系や銀行系も年会費無料のサービスを始めました。  そうはいっても、年会費を無料にしたうえに一括払いばかり利用されてはカード会社は利益を出せません。年会費で稼げなくなったらどこで稼ぐのでしょうか?

 

クレジットカード会社の収益は「年会費収入」「キャッシング金利収入」「分割・リボ払いの金利収入」「加盟店手数料収入」の4本柱になります。他にも収入の入口が各社存在しますが、大きいのはこの4つになります。  年会費を永年無料にすることで、年会費収入を失ったカード会社がやはり期待をよせる収入は「キャッシングの金利収入」と「分割・リボ払いの金利収入」になります。

年会費永年無料のカード
楽天カード 永年無料
三井住友カード(NL) 永年無料
JCB CARD R(リボ専用) 永年無料
ライフカード 永年無料
イオンカードセレクト 永年無料

1990年代後半から、消費者金融の無人契約機の出現でキャッシングがとても身近になり、便乗してクレジットカード会社もキャッシングの金利収入を大きく伸ばすことができました。

しかしその後、多重債務による自殺者が増え社会問題に発展した為、貸金業法の改正でキャッシングによる金利収入の増加が見込めなくなってきました。  それじゃ、どうする?ということで「分割・リボ払いの金利収入」とくに収益性の高いリボ払いで収益を伸ばそうと各社熱心に「リボ払い専用カード」を発行しています。

 

一般消費者の中にはリボ払いに対する知識がまだまだ低い人が多いと感じます。
「リボ払い専用カードとは知らなかった」
「毎月の返済額が少なく、使い勝手が良いと思っていたが、いつまで経っても返済が終わらない」
「リボ払いが何なのか知らずに言われるがまま利用していた」
未だに、このように消費者の声を多く耳にします。

   

リボ払いを選択した方が金利が低い場合もあります。
しかし分割払いだと支払いに終わりがありますが、リボ払いの場合カードを使い続ける以上支払いが終わる事はありません

つまりカード会社にとってはとってもいい安定収益源になるわけで、年会費を無料にしてでも手に入れたい収益源になるわけです。  私達消費者は年会費無料というお得さは利用したうえで、しっかりと支払い方法にまで気を配り利用したいものです。

この記事担当のFP

二宮 清子 にのみや きよこ

日本FP協会会員 ファイナンシャルプランナー(AFP)
家計の見直し・節約・貯蓄の重要さ、更に運用の必要性を伝え、
強い家計にできるようにサポート、また住宅ローンアドバイザーの資格も取得し、
住宅購入をきっかけにお客様のライフプランのアドバイスを行っている。



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