答えて、応えて!FP

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第041回 カード利用のモラル

Q,金融機関に勤める友達にクレジットカードを作ってほしい、カードローンを作ってほしいと頼まれています。カードを持つと、多重債務になったり不正利用されたりと怖い事が多いとも聞きます。どんな事に注意すればいいでしょうか?

A,自分に必要無ければ作る必要はありません。友情とお金は線引きしたほうが賢明です。必要だと感じたら常に注意を払って利用すれば便利な道具となります。

クレジットカードがこの世に出て、長い年月が経ちます。そして、それらは私達の生活には必要不可欠なモノになってきており、ⅠT化が進めば進むほど、決済機能として必要になりました。もともと、クレジットカードは「信用」をもとに発行されています。発行側からすれば「信用」の高い人ほど、保有してもらいたいと思い、利用者からすれば「信用」のおけるカード会社のモノを保有したいと思いますので、両者間の「信用」において成り立っているモノといえます。
しかし、システム化が進んだことで、不正利用がなされたり悪質な商法にさえ利用されることがあり、カード特有の犯罪も頻発しています。現金払いでは起こりえない、複雑な犯罪が起きてしまっては、カード会社の「信用」も失われます。ネット社会の便利さは「リスク」との隣り合わせという事も覚えておきましょう。こういった事が起きないようにシステムの強化や、悪質な加盟店が出ないよう取り組まれています。
利用者のモラルとしては、商品を先取りし、支払いを後回しにできるというシステムに、多くの人が惑わされていることが問題となっています。無計画なリボルビング払いの選択で、どれだけ残債があり、いつ返済が終わるのか把握できないまま利用を重ねてしまっています。毎月、少額を返済していてもショッピングやキャッシングを繰り返せば多額の借金額になり、気付けば借金で借金を返済する事態になります。
また、加盟店のクレジットカードやカードローンの必要以上の促進にも首をかしげます。ミニカードローンといった数十万円の利用枠を持たせることも、不必要な借金を持たせてしまう原因になります。加盟店側の行き過ぎたセールスもモラルから外れていないか、考えてほしいものですね。

利用者側の姿勢としては
・収入の範囲で生活すること
・借金やクレジットカードに依存しない家計にすること
・もしもの時の緊急予備資金を持っておくこと
クレジットカードはひとつの決済手段としての道具と捉えるようにし、現金でも支払える事を前提に使いましょう。
カードローンは返済計画をしっかり立て、達成させたい目的以外での利用はしない、決して生活費の補填に使ってはいけません。そして借りたお金は返済期日までに返すこと。

若いうちは色んな失敗もします。お金の失敗もあることでしょう。しかし、失敗したとしても、二度繰り返さなければ、それは自分を律する為の経験だったともいえます。できれば、小さい頃からお金と等身大に付き合えるように、お金の使い方や付き合い方を身に付けさせるといいですね。お小遣いの範囲で小さな失敗をしていれば、大人になって大きな失敗はしないものです。自分が失敗したと感じたなら、お子様にはぜひ身近な道具であるお金の教育を授けてください。

クレジットカード不正使用被害の発生状況  (単位:億円)

  不正使用被害額 不正使用額の内訳
    前年比(%) 偽造カード被害額 その他不正使用被害額
2003年 271.8 -6.7% 164.4 107.4
2004年 186.4 -31.4% 105.6 80.8
2005年 150.4 -19.3% 83.4 67
2006年 105.3 -30% 45.6 59.7
2007年 91.8 -12.8% 39.1 52.7
2008年 104.1 13.4% 52.5 51.6
2009年 101.6 -2.4% 49.2 52.4

参考:社団法人日本クレジット協会より抜粋

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この記事担当のFP

二宮 清子 にのみや きよこ

日本FP協会会員 ファイナンシャルプランナー(AFP)
家計の見直し・節約・貯蓄の重要さ、更に運用の必要性を伝え、
強い家計にできるようにサポート、また住宅ローンアドバイザーの資格も取得し、
住宅購入をきっかけにお客様のライフプランのアドバイスを行っている。



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