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第015回 海外旅行ならクレジットカードは必携
海外旅行に行く時に必ず持っていきたい物が、クレジットカードです。
買い物や食事の支払いのみならず、海外では身分証明として利用する場面も多いのが現状です。
また、事前の申込が必要ですが、海外で現金を引き出すこともできるとても便利な1枚です。
その他にも海外で使えるさまざまなサービスや特典があるので、よく調べてお得なカードを選びましょう。
■ 為替手数料の安いクレジットカード
海外に行く場合には、円を現地通貨に両替しなければいけません。
その時には手数料が上乗せされて両替されます。円高の現在では、この手数料がばかになりません。
例:1ドル=80円の為替レートの時に銀行の窓口で交換する場合 |
上記の例で言えば、80円に対して2円の手数料が上乗せされていますので、2.5%の手数料となります。
つまり海外で現金で買い物をした場合はこの手数料分だけ割高になります。
では、海外でクレジットカードを使って買い物をした場合、為替はどうなるのでしょうか?
クレジットカードを利用した場合、支払いは現地通貨の金額に対して
手数料を上乗せした交換レートで円に換算して請求されます。
これが約1.6%前後と現金の手数料と比べると安く設定されています。
ドルやユーロのように流通量の多い通貨の場合は、現金の為替手数料が2円〜5円と低く抑えられていますが、
トルコリラとかブラジルレアルとかの新興国の場合は、手数料が10%ということも珍しくありません。
そう考えると、一般的には現地通貨に両替して現金で支払うよりも、クレジットカードで払った方がお得なのです。
特にブランド品は金額も高いので、手数料の差額だけでも結構な金額になります。
さらにはクレジットカードで支払えばポイントも貯まるので一石二鳥。
基本的にはクレジットカードで買い物をして、
カードが使えないお店だけ現金で支払う方法が賢い使い方と言えるでしょう。
■ 海外旅行傷害保険は死亡時よりケガ・病気をチェック
クレジットカードを作る時に気をつけて欲しいのが、海外旅行傷害保険の中身。
ほとんどのカードには海外旅行傷害保険が付帯されていますが、補償の範囲や金額はカードによって大きく異なります。
例えば「海外旅行傷害保険最高1億円」といううたい文句に魅かれてカードを作っても、
実際にはこの1億円というのは障害による「傷害による死亡・後遺障害」で補償される最高金額なのです。
いくら死亡時の補償金額が高くてもケガや病気は全く補償されないというカードも多いので注意しましょう。
クレジットカードの保険があるからと安心して海外に旅行に出かけて、
運悪く病気で入院した場合に1銭も保険金がでなかったという話はよくあることです。
注意したいのが「傷害・疾病による治療費用」の項目に記された数字。
ここの保険金額が高いものを選ぶのがポイントです。よく考えてみてください。
死亡する確率とケガや病気になる確率は圧倒的に後者の方が高いのです。
一番心配なのことは、海外でケガや病気にかかり入院をした場合で、
何百万円という高額の医療費がかかることは珍しくないのでぜひチェックしてください。
■ 海外旅行にでかけたら自動で保険がつくものを選ぶ
次に気をつけて欲しいのが、海外旅行傷害保険が自動付帯か利用付帯かです。
自動付帯とは、クレジットカードの利用有無にかかわらず、海外に行くと自動的に保険が有効になります。
利用付帯の場合は、旅行のために自宅を出発してから日本を出国するまでの公共交通機関をカードで支払うか、
またはツアー料金をカードで支払わなければなりません。
つまり、利用付帯はいつ出かけたのかが確認できなければ保険は有効にならず、
海外で利用したからOKではありませんので注意が必要です。
カードを作る場合、保険はなるべく自動付帯のカードをお勧めします。
■ 付帯サービス
上記の海外旅行傷害保険の他にも、最近はさまざまな旅行に関する付帯サービスが充実しています。
フライト前や乗り継ぎの時に空港ラウンジを利用できたり、
スーツケースを自宅まで運んでくれたりと各カード会社が知恵を絞っています。
私もよく空港ラウンジを利用するのですが、とても便利です。
フリーの飲み物やお菓子を食べながらゆったりとしたソファーで寛げるのは何物にもかえがたい時間です。
特に空港の場合は、時間に余裕を持って早く行くので、時間を持て余すことが多いのが現状ではないのでしょうか。
空港のあわただしい喫茶店で時間をつぶすことを考えたら、
年会費を払ってでも空港ラウンジを利用した方が、元は十分取れると考えます。
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この記事担当のFP
菅田 芳恵 すがた よしえ
2005年 グッドライフ設計塾開業。
CFP(日本FP協会上級フィナンシャルプランナー)、
1級FP技能士として、コンサルティングや執筆、講演活動で活躍中。
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