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第085回 クレジットカード利用に影響する法改正を総おさらい!
クレジットカードは、現金を持たずして買い物やキャッシングでお金も引き出せる魔法のカードです。
しかし中には使いすぎて多重債務に陥ってしまう方も出ているため、2010年には2つの法改正がありました。
一つはキャッシング利用を規制する「貸金業法」、そしてもう一つはそしてクレジットカードの分割払やショッピング枠を規制する「割賦販売法」です。
主な改正内容などを再確認してみましょう。
貸金業法改正の内容とは!?
貸金業法改正は、消費者金融などへの規制を厳格化することと多重債務問題の改善を目的として2010年6月18日に完全施行されました。
大きな柱として総量規制の導入と上限金利の引き下げです。
上限金利は29.2%から20%以下に引き下げられ、また総量規制導入により融資の審査基準を引き上げました。
これはカード会社や消費者金融全体で「年収の3分の1を超える無担保ローンの貸付は禁止」と制限されたものでした。主な内容を見てみましょう。
<貸金業法改正の主な内容>
・借入総額が年収の1/3までに
・専業主婦(夫)の方は配偶者の同意が必要に
・個人事業主の方は決算書等の書類が必要に
・新たな借り入れは上限金利 29.2%→20%以下に
・個人の信用情報の登録が必要に
この改正により、既に持っていたカードで年収の1/3以上の借り入れをしていた人は、新たにクレジットカード作成ができなくなったり、専業主婦のキャッシング利用も難しくなりました。
また改正後、金融機関各社での対応は異なるものの、総量規制の対象となる会員対象に年収証明の提出を求め、クレジットカードのキャッシング枠の減額や一時停止などの対応も取られたようです。
さらに同年12月には、改正割賦販売法も完全施行されました。
改正割賦販売法の内容とは?
割賦販売法とは、クレジット(後払い)で商品などを購入する取引に関してのルールを定めた法律です。2010年12月に施工された改正割賦販売法では、審査項目に「年収」や「生活維持費」、「クレジット債務」などの調査項目が義務付けられたため、支払可能見込額*を超えるクレジットカード利用ができなくなりました。この調査はクレジットカードの新規作成の時だけでなく更新、ショッピング枠の増額申請時にも実施されます。
※支払可能見込額…年収から生活を維持するための生活費などの支出や債務を除き、クレジットカード返済(1年間)の支払いに充てられる金額。
改正割賦販売法で支払可能見込額の調査義務付けにより、施行以前に比べでショッピング枠の利用限度額は厳密に制限されたのです。
2つの法改正とも年収がキーポイントになっているようです。
クレジットカードは便利であるがゆえに使い方を間違うことで自分の信用情報が傷つき後悔することとなります。
キャッシングに頼る前にまずは支出の見直しが必要ですが、自分で解決は難しいのであれば、日本貸金業協会での家計管理や生活再建の見直しなど利用してみても良いかと思います。
貸金業相談・紛争解決センター:0570-051-051(受付時間:平日9:00〜17:30)
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この記事担当のFP
水野 圭子 みずの けいこ
ファイナンシャル・プランナー
CFP(r)(日本FP協会認定)
1級FP技能士
K'sプランニング 代表
一般社団法人あんしんLifeコミュニティ 代表理事
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