普段からクレジットカードの優待や特典を利用していると、プラチナカードなど上位のカードが気になってきます。プラチナカードのメリットはカード会社によって違いますが、共通のメリットといえるのはコンシェルジュサービスが提供されていることです。
ここでは、アメックス(アメリカン・エキスプレス)プラチナカードと、ミライノ カード PLATINUMという2つのプラチナカードの特典とコンシェルジュサービスの違いについて確認していきましょう。
まず、アメックスプラチナカードですが、こちらはアメックスのサイトで普通に調べても詳細はわからず、どんな特典やサービスがあるのかあまり知られていません。プラチナへの招待を受けてはじめて、その詳細が明かされるのです。
アメックスプラチナカードの特典についての詳細はこちら【アメックスプラチナカードの豪華な特典を紹介! ステイタス性があるアメックス上位カードの気になる特典内容とは(https://card-lab.com/sp/column/article/article965.html)】
その秘められた特典の数々を次に紹介しましょう。
●ファイン・ホテル・アンド・リゾート
ラグジュアリー(最高級)ホテルの数々において、部屋のワンランクアップグレードやアーリーチェックイン(12時)などが空室状況に応じて提供されるほか、レイトチェックアウト(16時)、朝食2名まで無料などの特典が受けられます。
●フリー・ステイ・ギフト
毎年のカード更新時に、国内の対象ホテルで1泊できる無料宿泊券がプレゼントされます。
●ホテル・メンバーシップ
年間登録料や年間数十泊が条件となるホテルグループの上級メンバーシップ、またはVIPプログラムに無条件で登録できます。登録により部屋のアップグレードなどの特典が受けられます。
●カード会員専用空港ラウンジ
海外のアメックスカード会員専用空港ラウンジを無料で利用できます。家族でくつろげるファミリールームや出張の際に便利なワークスペースなどが用意されています。
●プライオリティ・パス
国内外の空港で1,000ヵ所以上のVIPラウンジを、本人会員と家族カード会員、さらに同伴者1名まで無料で利用できます。
●ファイン・ダイニング
国内有数のレストランを厳選し、プラチナカード会員向けのプレミアムプラン特典が用意されています。
●ファイン・ショッピング
国内の提携ブランドショップにて、営業時間終了後1時間店舗を貸し切ってのショッピングや、限定商品の優先予約などを利用できます。
●スポーツクラブ・アクセス
ハイクラスな会員制のスポーツクラブを1回ごとの利用料金で利用できる特典や、入会金や保証金の優待特典が用意されています。
●SBIウェルネスサポート
「東京国際クリニック医科/歯科」での無料カウンセリングや、エグゼクティブ向けの会員制メディカルクラブ「SBIメディック」の優待プログラムなど、最高水準の医療を誇るクリニックでのメディカルサポートを利用できます。
●ホームウェア・プロテクション
現在所有の電化製品、パソコンやカメラなどが破損した場合、アメックスプラチナで購入したかどうかにかかわらず、使用期間に応じて購入金額の50~100%を保証します。
●ワランティー・プラス
アメックスプラチナで購入した商品について、故障、欠陥部分の修理、部品交換などの必要が生じた場合、メーカー保証期間終了後であっても、さらに2年間、メーカーとほぼ同等の保証をします。
●キャンセル・プロテクション
カード会員本人や1親等以内の親族、同行予定者の入院などにより、予定していた出張をキャンセルしたり、チケットを購入済みのコンサートに行けなくなったりした場合に、キャンセル費用などの損害を補償するサービスです。さらに、同行予定者1名分も併せて補償します。
●旅行傷害保険
カード会員本人だけでなく、配偶者、カード会員と生計を共にする子どもや両親などの親族についても補償が自動的に適用されます。補償金額はアメックスプラチナ会員に見合った十分な金額となります。
●海外航空便遅延費用補償
カード会員本人および家族カード会員が海外に出かける際、航空便の遅延により臨時に出費した宿泊料金や食事代を補償します。また、手荷物の到着遅延や紛失したことにより負担した衣類や生活必需品の購入費用も補償します。
●ゴルフ・テニス・スキー保険
ゴルフ、テニス、スキー保険が自動付帯されており、スポーツライフの「万一の事態」を幅広くカバーします。
●個人賠償責任保険
会員本人やその家族に、日常生活で起こるさまざまな事故について法律上の賠償責任が生じた場合、1事故につき1億円を限度に保険金を支払います。
●プラチナ・コンシェルジェ・デスク
プラチナ・コンシェルジェ・デスクが、24時間365日、アメックスプラチナ会員のさまざまな相談や要望に応えます。
●プラチナ・カード・アシスト
病気やケガなど海外旅行中で困ったときに電話で相談できます。入院費・医療費の立替や、日本への帰国が望ましいと判断された場合は帰国の手配を無料で行います。
●メンバーシップ・リワード・プラスが無料
クレジット利用による獲得ポイントの有効期限が無期限になるほか、サービスの換算レートがアップする「メンバーシップ・リワード・プラス」に参加登録費無料で登録できます(通常年間3,000円+税)。
●セカンド・プラチナ・カード
本人会員に、別のカード番号の2枚目のプラチナカードを無料で用意します。これにより、国内用と海外用など用途に応じて使い分けることができます。
●家族カードが4枚まで無料
18歳以上の家族1人につき1枚の家族カードを4枚まで年会費無料で発行します。
以上に紹介したアメックスプラチナカード独自の特典のほか、アメックスの基本的なサービスも付帯します。今回のテーマであるコンシェルジェサービスについては、後で詳しく説明しましょう。
このアメックスプラチナカードの年会費は13万円(税別)とかなりの高額です。しかし、ラグジュアリーホテルでのワンランクアップグレード特典や、保険の充実ぶりを考えると、高すぎるともいえません。
たとえば、30万円のホテルの部屋が無料で45万円の部屋にアップグレードされたら、もうそれだけで年会費以上のおトクが返ってきたことになります。電化製品をたくさん持つ方なら、ホームウェア・プロテクションやワランティー・プラスの特典だけでも、家電量販店などが提供する延長保証料と比較すると十分に元が取れそうです。
ただ、問題なのは、アメックスプラチナカードを取得するには、基本的にはアメックスからインビテーション(招待)をもらわなければならないという点です。アメックス公式サイトにはこのカードの紹介は見当たらず、当然、申し込みもできません。
すでにこのカードの会員になっている人からの紹介を受けると入会ページへアクセスできますが、そうでない場合、まずアメックスグリーンかアメックスゴールドを取得して、利用実績を積み重ねてからプラチナへのインビテーション(招待)を待つしかないのです。
審査通過に自信があればアメックスゴールドを申し込んでもいいし、自信がなければまずアメックスグリーンへ申し込んで利用実績を積み、そこからゴールドのインビテーションをもらい、さらに、プラチナのインビテーションを待つことになります。
インビテーションの条件は正確には不明ですが、ゴールドの保有が1年以上かつ、年間200万円以上のカード利用でインビテーションが届いたケースがあります。年収や職種次第ではもっと少ない利用金額でも届くようです。
そこで、複数のクレジットカードを持っている方は、できる限り決済をアメックスゴールドに集中させて利用実績を積み、一方で支払延滞などは絶対にしないことです。それによりインビテーションが届く可能性は高くなるでしょう。
では、もう一方のミライノ カード PLATINUMについて紹介しましょう。住信SBIネット銀行が発行するこのカードの国際ブランドはJCBなので、基本的にはJCBのプラチナサービスが受けられることになります。
●プライオリティ・パス
世界約130の国と地域、約500の都市で約1,200ヵ所の空港ラウンジを無料で利用できる「プライオリティ・パス」に無料登録できます。
●空港ラウンジサービス
国内の主要空港、およびハワイ・ホノルルの国際空港で、空港ラウンジを無料で利用できます。プラチナ会員向けサービスとして、同伴者も空港ラウンジが定める同伴者料金で利用できます。
●手荷物無料宅配サービス
JCBトラベルデスクで対象の海外パッケージツアー申込み、ミライノ カード PLATINUMで旅行代金を支払うと、手荷物無料宅配券(往路分・復路分)を1組につき1枚ずつプレゼントします(対象空港:羽田国際線・成田空港・中部国際空港・関西国際空港)
●JCBプレミアムステイプラン
全国から上質で人気の高いホテルと旅館を厳選。ホテル編では、お値打ち価格で宿泊できる「スペシャルプライスプラン」を、旅館編では満足度の高い旅館を数多く揃えます。プラチナ会員限定特典付きの施設もあります。
●海外ラグジュアリー・ホテル・プラン
世界各地のラグジュアリーホテルにさまざまな特典付きで宿泊できるサービスです。
●ユニバーサル・スタジオ・ジャパンJCB LOUNGE
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン内、ジュラシック・パークのアトラクション「ザ・フライング・ダイナソー」施設に設置されたJCBラウンジで、アトラクション優先搭乗などのサービスを提供しています。
●ダイニング30
全国の対象店舗にて、利用合計金額またはコース代金より30%引きになるサービスです。
●海外・国内旅行傷害保険
旅行代金をミライノ カード PLATINUMで支払うと、海外・国内最高1億円(家族最大1,000万円)の旅行傷害保険が付帯します。
●ショッピングガード保険
国内・海外で購入した品物に万一破損や盗難などの損害が発生した場合、購入日の翌日から90日間、年間最高100万円まで補償します(自己負担額1万円)。
●プラチナ・コンシェルジュデスク
プラチナ会員専用のプラチナ・コンシェルジュデスクは、24時間・365日利用可能で、国内・海外のホテルや、航空券・列車・レンタカーの手配など旅行にかんする各種サポートや、ゴルフ場、チケット、レストランなどの相談に対し、可能な限り対応します。
●JCBのサービス
海外のJCBサービス拠点となるJCB PLAZAやJCBプラザコールセンターの利用、海外で利用できるWiFiルーターレンタルサービスを20%オフで利用できる「JCB GLOBAL WiFi」、さらに、「海外レンタカーサービス」「空港宅配優待サービス」「空港免税店割引サービス」などの優待特典など、JCBの一般的な優待特典を受けられます。
●住信SBIネット銀行のサービス
ミライノ カード PLATINUMは、引落口座を発行元の住信SBIネット銀行に設定することで、ATM手数料と他行振込手数料が無条件で月7回まで無料となります。
このミライノ カード PLATINUMの年会費は2万5,000円(税別)で、申込資格は20歳以上(学生不可)となっています。アメックスプラチナカードと比べると申し込みのハードルはかなり低いといっていいでしょう。
なお、ミライノ カードにはポイントシステムとして「ミライノ ポイント」があり、住信SBIネット銀行の「スマプロポイント」への交換を経由して現金に交換すると、ポイント還元率1%の高還元となります。
ミライノ ポイントの詳細はこちら【住信SBIネット銀行ミライノ カードはポイント移行でお得に! ポイント還元率を上げる方法も解説(https://card-lab.com/sp/column/article/article1015.html)】
では、アメックスプラチナカードとミライノ カード PLATINUMのコンシェルジュサービスは、それぞれどう違っているのでしょうか?
どちらにも共通しているのは、自分でやると面倒なさまざまな手配などを行ってくれるということです。たとえば、コンシェルジュサービスでは次のようなことが可能です。
場合によっては、コンシェルジュサービスを使わずに自分で手配したほうが早いこともありますが、プラチナカードのコンシェルジュサービスを利用すると、レストランで良席が用意されたり、入手困難品が入手できたり、花束がより立派だったりと、手厚いサービスを受けられることが多いようです。
では、アメックスプラチナカードとミライノ カード PLATINUMのコンシェルジュサービスはどちらがいいのかという話ですが、それに関してはケースバイケースとしか言いようがありません。
ただし、アメックスでは自社内にコンシェルジュサービスデスクを設けており、本人の趣味嗜好に合わせた、よりきめ細かで柔軟なサービスが可能だと考えられます。
一方、ミライノ カード PLATINUMのコンシェルジュサービスはJCBが提供しており、日本企業ならではのきめ細やかなサービスが期待されます。
1つ注意点を挙げておくと、どちらのコンシェルジュサービスでも、不可能なことはあるということです。たとえば、予約不可の店で予約を取ったり、現金決済のみの店で予約を取ったりすることは難しいでしょう。