国内初、法人向けプリペイドカード「Stapleカード」を徹底解説! 法人プリペイドカードのメリット・デメリットとは?
今、世の中ではキャッシュレス化の流れが進んでいますが、国内では法人の対応が遅れており、法人カードの保有率は19%にとどまっています。米国での法人カード保有率は68%となっていることを考えると、日本は法人キャッシュレス化の後進国といってもいいでしょう。
そこで、法人のキャッシュレス化を促進するカードとして、国内初の経費精算一体型・法人プリペイドカード「Stapleカード」が今注目を集めています。
今回はそんな「Stapleカード」の特徴やメリット、デメリットについて詳しく紹介していきます。
・Stapleカードの特徴
・法人クレジットカードとの違いについて
・Stapleカードのメリット、デメリット
働き方を改革する法人プリペイドカード「Stapleカード」
Stapleカードは、累計ユーザー数として4,000社以上を抱える経費精算サービス「Staple(ステイプル)」と連動して発行されるプリペイドカードで、国際ブランドとしてVisaが付いているため、Visa加盟店の多くで使えます。
プリペイドカードの場合、ガソリンスタンドや一部のホテルなどで使えないケースもありますが、このStapleカードは通常のプリペイドカードよりも多くの場所で使えるのが特徴です。
また、Stapleカードの利用情報は、ほぼリアルタイムにパソコンやスマホアプリの管理ダッシュボードから確認できます。そのため、利用情報にラグがあるクレジットカードよりも、経費の状況を的確に判断できるのです。
そうした特徴から、StapleとStapleカードは、ペーパーレス化とキャッシュレス化による働き方改革にもつながるものとして経営者から熱い注目を集めています。
チャージ上限額は無制限、Visaの優待も利用可能
では、Stapleカードの仕様について項目別に説明しましょう。
Stapleカードの基本仕様
発行手数料等
経費精算サービスStapleの1ユーザー(1名)あたりの利用料金は月額600円(税別)、Stapleカードの発行手数料は1枚あたり150円(税別)となり、カード自体の年会費は無料です。簡易書留による申し込み担当者の本人確認後、1枚目のカードが会社に届き、そのカードのアクティベーション(有効化)が済んでから、追加カードとして必要な枚数のカードを申し込めます。
なお、本人確認の簡易書留および1枚目のカードの発送手数料として800円(税別)、2枚目以降のカード発送手数料として1,500円(税別)がかかります。2枚目以降のカード発送は最大2,000枚まで可能ですが、実際に申し込めるのはStapleユーザー数の110%の枚数となり、たとえば、社内にStapleユーザーが20名いれば22枚のカードを申し込めます。
チャージ上限等
チャージ上限は無制限で、専用口座残高の範囲内ならStaple管理画面でのチャージと減額が可能で、管理者はカードごとに金額を割り当てられます。なお、チャージ手数料は無料です。
申し込み対象等
法人(個人事業者は含まず)の方のみとなります。カードの申し込み前にすでにStapleを利用している必要があり、Staple管理画面から申し込めます。申し込みに必要な情報は、会社法人等番号、法人の実質的支配者に関する情報、管理責任者の本人確認資料(運転免許証、健康保険証、パスポート等のpdfファイル)となります。
利用可能な加盟店
国内外のVisa加盟店で利用できます。ただし、次の支払いには利用できません。
・4 桁の暗証番号入力が必須な加盟店での支払い(自動券売機や病院の自動精算機など)
・IC チップの読み取りが必須な加盟店での支払い
・3D セキュア(本人認証)導入サイトでの支払い
・オフライン加盟店での支払い(一部高速道路、機内販売など)
プリペイドカードなので与信は不要であり、非正社員も含め全社員に発行できることから、さまざまな形態の法人で利用できます。また、1回の支払い額上限も200万円となっており、ほとんどの経費支払いに対応できます。
さらに、カードごとにチャージ金額を設定できるのも、各社員の業務上の必要に応じたチャージが可能という点で大変便利です。
そのほかの特徴的な機能と活用法についても次に紹介しておきましょう。
Stapleカードの特徴とその活用法
リアルタイムチャージ&減額
各カードにリアルタイムでチャージ、あるいは減額できるため、さまざまな状況へ臨機応変に対応できます。
リアルタイム利用経歴
リアルタイムに利用経歴をチェックできるため、経費出費の状況を即座かつ詳細に知ることができます。また、社員による不正な利用などにも目を光らせることが可能です。
盗難、紛失時のリモートロック機能
盗難・紛失時でもリモートロック機能によりカードの利用を停止できるので、セキュリティ的に安心です。
会計システム、ERP(基幹系情報システム)連携
会計システム、ERP(基幹系情報システム)と連携できるので、会計処理などの手間とコストを大幅に軽減できます。
VISAビジネスオファー
Staple カードを保有している方は、飲食、トラベル、ビジネスサービスなど、さまざまなシーンで役に立つ多彩な優待プログラム「VISAビジネスオファー」を利用できます。「VISAビジネスオファー」には次のような優待が含まれます。
《おもてなし・ギフト》
・WHG(ワシントンホテル・ホテルグレイスリー)10%オフ
・東武トップツアーズ自社企画商品3%オフ
・日比谷花壇フラワーギフト法人向けオンラインショップ5%オフ
・全国の厳選レストランを優待価格で予約
……etc.
《ビジネスツール》
・クラウドERPシステム「スマイルワークス」無料トライアル
・マネーフォワード クラウド会計・確定申告3ヵ月間無料
・サービスオフィス「エグゼクティブ・センター」指定サービス20%オフ
……etc.
《アウトソース》
・クラウド翻訳「トランスマート」登録1年以内、利用金額50万円まで25%割引
・バーチャル経理アシスタント「メリービズ」10%割引
・オプティVAT(付加価値税)還付代行サービス 還付手数料10%割引
・Yahoo!プロモーション広告 広告費用5,000円分プレゼント
・収納スペース「ハローストレージ」使用料1ヵ月分無料
……etc.
《オフィスサプライ》
・事務用品通販サイト「フエルモール」割引
・「ブラザーダイレクトクラブ」全商品10%オフ
・「オフィスデポ」3%オフ
……etc.
《健康・福利厚生》
・「サントリーウエルネスオンライン」10%増量+送料無料
・定額制ウォーターサーバー「ウォータースタンド」レンタル料1ヵ月無料
……etc.
――以上の特徴から、StapleとStapleカードの組み合わせによりビジネスを効率化・低コスト化できるのはもちろん、VISAビジネスオファーの各種優待により、創造的で発展性のあるビジネス環境の構築にも役立てることができそうです。
年会費等 | 年会費無料、1枚あたり発行手数料150円(税別) |
発送手数料 |
本人確認簡易書留・カード1枚目発送手数料800円(税別)、 カード2枚目以降の発送手数料1,500円(税別・2,000枚まで) |
国際ブランド | Visa |
利用可能店舗 | 国内・海外のVisa加盟店(インターネット加盟店も含む) |
支払い上限額 | 200万円(1回の支払いあたり) |
有効期限 | 発行から5年間 |
申込対象 | 法人の方のみ(個人事業者は含まず) |
申込方法 | 経費精算サービス「Staple」管理画面より申込 |
チャージ方法等 |
経費精算サービス「Staple」管理画面よりチャージ・減額が可能、 専用口座残高の範囲でチャージ可能(上限額無制限)、チャージ手数料は無料 |
特徴 |
リアルタイムチャージ&減額、リアルタイム利用履歴&経費科目設定、 盗難・紛失時のリモートロック機能、リモートチャージリクエスト、 チャージ承認フロー、会計システム・ERP 連携、Visaビジネスオファー利用可能 |
なぜ法人クレジットカードは普及してこなかったのか?
すでに法人クレジットカードが存在している中、このStapleカードの意義はどこにあるのでしょうか?
法人クレジットカードとの大きな違いは、Stapleカードはプリペイドカードなのでカードの発行・利用に与信枠が関係しないという点です。
これまで、新興企業や中小企業では実績が限られるために十分な与信枠を確保できず、役員だけが法人カード(追加カード)を持つことが多かったという実情があります。また、大企業では社員によるカードの不正利用などを警戒し、結果的に役員など重要ポストにしかカードを持たせていないケースもありました。
それぞれそれなりの事情があるとはいえ、現場で動き回る社員に持たせられないというのでは、法人カードのメリットは十分に生かせません。
一方、Stapleカードはプリペイドカードなので与信の問題がなく、非正社員であってもカードを発行でき、各自に必要なだけのチャージが可能となっています。また、世界トップシェアを誇るVisaの加盟店の多くで利用できるので、法人クレジットカードとほぼ同じ感覚で支払いに使えるのです。
すでに法人カードを導入している企業であっても、並行してStapleカードを導入して上手に使い分けることには次のようなメリットがあります。
Stapleカードと法人クレジットカードの併用のメリット
経理手続きの効率化
ガソリン代や備品代等の日常的な経費と接待関係の経費に分けるなど、用途別でカードを使い分けることで会計処理が効率的になります。
役員と一般社員でのカードの使い分け
役員には法人クレジットカード、一般社員にはStapleカードを持たせるなどして使い分けることで、それぞれのカードの利点をより生かすことができます。
カード付帯サービスの幅が広がる
複数の法人向けカードを持つことで、より幅広いカード付帯サービスを利用できます。
限度額の幅が広がる
法人クレジットカードには利用限度額がありますが、Stapleカードはチャージした分だけいくらでも使えるので、1回あたりの利用限度額は別として、総額としての利用限度額はありません。そこで、経費として大きな金額がかかるようなビジネスにも柔軟に対応できます。
また、Stapleカードにチャージする十分な現金がないときには逆に、法人クレジットカードの分割払いなどを利用することも可能です。
プリペイドカードゆえのデメリットもある
このように法人の運営において大変便利なStapleカードですが、プリペイドカードとしてのメリットは、裏返せばそのままデメリットにもなりえます。
たとえば、プリペイドカードのメリットには、チャージしなければ使えないためお金の管理が容易で、安全面も高いということがあります。
しかし、プリペイド(先払い)とは事前にお金を用意しなければならないということです。そこで仮に、営業で外回りをする20名の社員に月10万円の経費をチャージしたStapleカードを提供するとすれば、専用口座に200万円を用意する必要があります。そして、毎月同額が必要になるわけです。
資金的に余裕のある企業なら特に問題はありませんが、資金繰りが苦しかったり、苦しくはないけれど少しでも目先の現金をプールしておきたい状況であれば、後払いの法人クレジットカードのほうが便利というケースもあるでしょう。
もう一点は、チャージ忘れにより使えないケースもあるということです。Stapleカードの場合、パソコンやスマホからチャージ管理が容易となっていますが、操作するのは人間ですからヒューマンエラーによりチャージを忘れてカードが残高不足となる可能性もあります。
そうはならないとしても、カードの使い方次第ではチャージ管理等がかえって面倒に感じられるケースもあるでしょう。
とはいえ、そうしたデメリットにもなりうる特徴のところまでよく理解した上で、メリットを生かす使い方をできるのなら、Stapleカードがビジネスに大きなメリットをもたらしてくれるのは確かなようです。
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