クレジットカードのブラックリスト入りは就職で不利になるかも!気を付けたい信用情報と影響の恐れがある職業
普段のお買物やオンラインショップでよく利用されるクレジットカードですが、万が一、お金の返済ができなかったり、返済が遅れてしまうと自身の信用情報に傷がつく場合があります。
その際に「ブラックリストに名前が載ったかも」という表現を耳にしたことはありませんか?
今回は、「ブラックリスト」とは具体的に何を指しているのか、あわせてブラックリスト入りすることで就職にどんな影響が及んでしまうのかを改めて確認してみましょう。
・ブラックリスト入りとは
・ブラックリスト入りは就職に影響する?
・自己破産すると就職できない職業
「ブラックリスト入り」の意味は?登録される個人信用情報とトラブル内容を解説
クレジットカードやカードローンの支払いは、滞ることなく支払うことが前提ですが、何らかの事情で返済を遅らせてしまい延滞させたときは、金融事故として個人情報機関に登録されてしまいます。
個人情報機関に登録された状態を「ブラックリスト入り」や「ブラックリストに載る」などといいます。
実際にブラックリストというリストや帳簿が存在するわけではなく、あくまでも個人情報機関に金融事故情報が登録されている状態を指します。
ブラックリスト入りすると一定の期間、信用度が低くなってしまい他の分割払いやローンを組むときに、審査に通りにくくなるなどの影響があります。
個人信用情報機関は全部で3つの機関があり、それぞれ登録される事故情報と登録される期間が定められています。
一般的な事故情報には、支払いの延滞、クレジットカードなどの強制解約、債務整理(自己破産・任意整理)などが挙げられます。
個人信用情報機関ごとの登録内容と期間
個人信用情報機関名 | 登録される情報 | 登録される期間 |
---|---|---|
CIC (株式会社 シー・アイ・シー) |
返済に関する情報 (各申込み情報・残債務・請求額・入金額・破産の有無・延滞解消日など) |
5年 |
JICC (日本信用情報機構) |
金融事故全般 (3ヶ月以上の延滞、延滞の解消、債務整理など) |
・延滞解消から1年
・債務整理は5年 |
KSC (全国銀行 個人信用情報センター) |
返済に関する情報 (ローンやカードの返済の有無、延滞、代位弁済の事実、自己破産、個人再生など) |
・返済の有無・延滞、代位弁済などは5年
・自己破産や個人再生は10年 |
ブラックリストに載る条件にひとつ気を付けておきたいところがあります。
それは携帯電話の料金です。
機種本体の料金を24回から48回で分割払いにすることが一般的ですが、この分割払いは延滞させてしまうとブラックリスト入りしてしまいます。
意外なところでは奨学金も滞納することがあれば、ブラックリスト入りの対象になるので注意が必要です。
ほかでは、クレジットカードやカードローンの申込みは、複数同時に行うことも信用度を落とすことにつながります。
複数同時に申込むことは多重申し込みという状態になり、信用情報機関ではお金が無いからたくさん申し込んでいると判断されてしまいます。
お金を貸しても返済されない可能性が高いとみられるために、ほとんどの審査で落ちるようになります。
各カードへの申込みの記録は6ヶ月間記録されるので、次のカードへの申込みは少なくとも6ヶ月を過ぎてからが良いでしょう。
各個人信用情報機関に事故情報が登録される期間を過ぎると、登録されていた事故情報は削除され、ブラックリスト入りした状態からも外れることになります。
ブラックリスト入りしていた期間中は、新しくカードやローンの申込みができないか、申込んでも審査に落ちやすいため、ほとんどの場合は新しい信用情報もない状態になります。
ブラックリスト入りすることは、個人の信用度を著しく落とすことになりますが、これから就職を控えている方の場合はどのように影響するでしょうか。
就職も一定の信用があって採用されるため、次ではブラックリスト入りと就職への影響について詳しく見ていきましょう。
「ブラックリスト入り」していると就職に影響する?!基本的には影響なしでも就職先によっては影響大!
就職を控えているのに遅延や延滞をしてしまい、現在ブラックリスト入りしている状態だと、就職にも影響するのではないかと不安になることもあると思います。
毎月の支払いをしっかり支払えない人は、採用しないなどと判断されてしまえば、最短でも5年間はどこの企業にも就職できない可能性も出てきます。
現在は、就職時に履歴書や職務経歴書を提出し、面接を行って採用・不採用が決まります。
企業が、個人の信用情報を調べるために身辺調査を行うことは、厳しく取り締まりが行われているため、基本的にはブラックリスト入りしていても影響することはありません。
ですが、就職先が金融機関だった場合は注意が必要です。
金融機関では社内ブラックと呼ばれる自社オリジナルのデータベースが存在しています。
これは、金融トラブルを起こした利用者をリストアップしているもので、ブラックリスト入りしている場合はリストに名前が載っている可能性があります。
どの金融機関に就職を希望するか、どの金融機関で金融事故を起こしたかにもよりますが、就職を希望する企業や関連企業の内部にある社内ブラックから調査され、金融機関のグループ全体まで調査が進みます。
会社名が異なる場合でも、事故を起こした金融機関の子会社などに就職を希望する場合は、不採用になるなどの影響があります。
例えば、三井住友VISAカードを持っている方が、支払いを延滞させてしまったとしましょう。
すでにブラックリスト入りしている状態では、三井住友銀行への就職は期待できないということになります。
三井住友グループ内での顧客情報でヒットすることも考えられるので、不採用となる可能性が高いでしょう。
また、社内ブラックの情報は、自分の情報のほかに子どもの情報も見られる可能性があります。
子どもが三井住友VISAカードで金融事故を起こした場合、親の三井住友銀行への就職の際にチェックがされる恐れがあるのです。
そのため、金融機関に就職を希望する場合は、親も子どもも金融事故を起こさないように注意が必要です。
企業によっては個人の信用情報を提出させる企業もある
現在の日本では、金融機関に就職するときのみ、社内ブラックなどのリストをチェックするのが一般的ですが、アメリカなどの海外では採用試験に個人信用情報を使う企業があります。
正社員として雇う人材が、金銭の管理をちゃんとできるかどうかをチェックするためです。
・消費者金融の利用の有無
・クレジットカードの利用料金の支払いはできているか
・長期間のリボ払いがないか
・携帯電話利用料金など滞ることなく支払っているか
このような項目をいくつかチェックすると言われています。
採用試験の段階で個人の信用情報を提出してもらえば、企業としても借金まみれの人材を採用しない選択ができるようになるため、はじめから金銭の管理がしっかりした人のみ採用することができます。
日本国内でも過去に一部の警備会社で、社員全員に信用情報の提出を求めたことがありました。
企業側としては業務上、現金輸送など現金を扱うことが多いため、トラブルの予防の目的で信用情報の提出を求めましたが、個人情報保護の観点で問題があると指摘され取りやめになっています。
現金がらみの業務は借金のない人に任せたいという思いは理解できますが、日本国内で信用情報を提出させることはまだまだ問題も多く、浸透していない状態です。
採用試験での提出もしばらく難しい状況が続きそうです。
ただ、今後の就職先に海外の企業や、信用情報の提出が求められるような企業を検討している方は、金銭の管理をしっかりしておくようにしてください。
どうしても信用情報について不安な方は、自分の信用情報を確認することがおすすめです。
次では自分の信用情報を確認する方法を紹介します。
自分の信用情報は個人で確認することが可能
個人の信用情報は、企業が取り扱うには問題があっても、自分自身の信用情報なら個人として確認することができます。
一般的に「情報開示」といい、自分の契約内容や支払い状況などを、各信用情報機関に申込んで情報開示してもらうことができます。
CICの場合で説明すると、申込方法はパソコン・スマホ・郵送・窓口の4つの方法があり、1つを選んで申込みます。
パソコンやスマホでのインターネット経由での情報開示は、それぞれの画面上で即時に情報を確認することができます。
情報開示は有料のサービスで、パソコン・スマホでの開示はクレジットカード一括払いで1,000円、郵送はゆうちょ銀行で発行の定額小為替証書1,000円、窓口では現金500円がかかります。
自分の信用情報が気になる方、心配な方は1度情報開示してみると良いでしょう。
自己破産した場合はどうなる?一部の職業では退職に追い込まれることもある!その職業とは?
ブラックリスト入りしている方の中には、金銭管理がどうにもならない状態になり自己破産を行う方もいます。
自己破産は、裁判所に破産申立書を提出して、免責許可をもらい、すべての借金をなかったことにする手続きです。
自己破産を行うと、新規でクレジットカードやローンなどが組めないことはもちろん、就職、現在の職業にも大きく影響してくるケースがあります。
例えば、自己破産した方は、法令上、次の職業に一定期間就くことができません。
・弁護士
・弁理士
・司法書士
・土地家屋調査士
・不動産鑑定士
・公認会計士
・税理士
・行政書士
・通関士
・土地建物取引士
これまで弁護士をしていた方が自己破産した場合、一定期間は弁護士としての仕事ができなくなる制限を受けます。
弁護士資格が剥奪されるようなこととは違い、あくまで一時的に業務を制限される状態です。
士業の中には30日以内の自己申告や、届け出義務がある士業もあるので注意が必要です。
また、会社の取締役の方は、1度自己破産をすると、委任契約が一旦終了します。(民法第653条)
再任することはできますが、消費者金融や各種カード系列会社は5年間、銀行は10年間のブラックリストに載ってしまうため、この期間中は新しく融資を受けることができません。
再任しても、資金の関係から会社を運営していけないことも予測できます。
銀行や商工会議所などの団体職員にも一定の制限があります。
銀行の中でも日本銀行の役員の場合は、在任中に破産手続きを行うと解任となってしまいます。
日本銀行には破産手続き開始の決定を受けたときの記載があり、自己破産をすると同時に役職を失ってしまいます。
自己破産で資格制限がある職業がある中で、制限がない職業も存在しています。
資格制限は、お金を扱う職業や資産にかかわる役職や職業に多く該当します。
医師・看護師・介護士、学校の先生や役所の職員などは、一切の制限がありません。
自己破産は、自分の借金をなかったことにできるので、考え方によっては借金まみれの生活に対する救済措置ともいえます。
ですが、職業によって就職はもちろん、現職が停職したり、退職したりすることがあるため、できる限り避ける方が良いものです。
今後のクレジットカードの入会や、ローンの融資額にも影響するため、簡単に自己破産するようなことは絶対にしないようにしましょう。
「ブラックリスト入り」は一部の職業に深刻な影響がある!普段からクレジットカードやローンの支払いには十分に注意して利用するようにしよう
ブラックリスト入りすることは、少額の延滞だったとしても登録されてしまい、最低でも5年、最長で10年も信用度を落とす行為です。
うっかりミスが続いてブラックリスト入りしたとしても、所定の期間が経過しなければ信用を取り戻すことはできません。
金融機関への就職を希望している場合は、社内のデータベースに登録されてしまうことや、アメリカなどの海外の企業に就職を希望している方は、信用情報の提出を求められて、ブラックリスト入りしていることがばれてしまうことも考えられます。
新規でクレジットカードやローンを検討している方は、審査が通らず落ちる可能性が高くなります。
そうなれば、必要に応じてクレジットカードやローンを利用できなくなるため、生活する上でも思うように買い物ができないなど不便です。
ブラックリスト入りすることは、1つもメリットはありません。
日ごろから金融トラブルには注意して生活するようにしましょう。
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