海外での有効なスリ対策はクレジットカード!使える補償内容から海外旅行保険の落とし穴まで徹底解説します
日本では道を普通に歩いていて被害に遭うということはあまり考えられませんが、海外では日本とは比較できないほどに被害件数の大きい犯罪です。
道を歩いていたり、観光していたりするだけでスリに遭ってしまい、油断をしているとあっという間に財布やパスポートを盗られてしまいます。
犯罪に慣れていない日本人は被害に遭いやすいと言われており、人気の観光地では特に注意が必要となります。
そこで、よくある海外でのスリに対する知識と、クレジットカードに付帯している盗難保険や補償されない場合の注意点などを徹底解説します。
・今すぐできるスリ対策
・どんな場面でスリに遭遇してしまうのか
・カードの盗難補償を受ける方法
・スリに遭ってしまったら
海外旅行では、スリに気をつけよう!
トリップアドバイザーの発表した「スリの多い国や場所」の上位5か国と、その主な被害地域や気をつける点は、以下の通りです。
- バルセロナ(スペイン):地下鉄、サグラダ・ファミリア周辺。カタルーニャ広場から港まで続くランブラス通りは特に要注意。
- ローマ(イタリア):電車内、コロッセオ、ヴェネチア広場。観光客で溢れかえる場所では、ポケットをハサミで切り裂いたり、チャックを巧妙に開いてカメラや財布を抜き去る手口が横行している。
- プラハ(チェコ):プラハ城、カレル橋、トラム・メトロなどの交通機関。チャールズ橋を渡っている最中で、ブルタバ川とプラハ城が視界に入るあたりは特に注意を。
- マドリッド(スペイン):地下鉄、王宮。エルラストロの蚤の市と地下鉄はスリの温床。美術館や博物館で作品に気を取られている隙に狙われる可能性も。
- パリ(フランス):メトロ、シャンゼリゼ通り。観光地はどこもスリだらけ。地下鉄内も警戒を。
カバンを切り取って持ち去る暴力的なものから、気付かないうちにスリ取っていく巧妙な手口など、気をつけていても被害に遭ってしまうことがあります。
スリ対策をして、リスクを回避しよう
絶対に被害に遭わないということは言えませんが、できるだけ被害を防止する対策を取って行きましょう。
すぐに取れるスリ対策
@お財布や貴重品などをお尻のポケットなど自分の目に届かない場所に入れないようにしましょう。カバンの中やジャケットの内ポケットなどに入れ、チェーンを入れておくことで警戒していることをアピールすることができます。
A外出するときはできるだけ現金を持ち歩かず、財布を薄くする、荷物を少なくするのも良いでしょう。現金やパスポートなどの貴重品は薄いポシェットなどを服の下に隠し持つなど、余計なものは持ち歩かないというのがスリに目をつけられにくくするコツとなります。
せっかくの旅行だからと明らかなブランド物のバッグを持ち歩いたり、購入したハイブランドをショッパー袋のまま持ち歩くなどもスリの標的となってしまいます。携行品にブランドものを利用するのは控え、高級なものを購入したとわかってしまうショッパーから違う袋に移し替えるなどの対策を行いましょう。
よくあるスリの例を知って注意
@ぶつかられたり、すぐそばで何かを落としたり、何かを吹きかけたりという気を散らすような行動は、スリのチャンスを作るためのことである場合が多いです。
落とし物を一緒に捜してほしいなど、日本人の優しさにつけ込むような気の反らし方もあるので、どんなときでも話しかけられたりしたときには注意をしましょう。
Aスリは単独犯だけではありません。海外では複数人のグループも多く、老人や子どもなど、見た目で判断することもできません。
- 1人目が気をそらし、2人目がバッグのチャックを開け、3人目が盗むといった巧妙なグループ犯。
- 大勢で周囲を囲んで、外から見えなくしている間に盗む手段。
- 少年少女の集団がひったくっていくパターン。
上記のような、日本では考えられない、巧妙な手口や暴力的な手口があります。
B電車のドアが開く直前にスリを行い、電車に駆け乗る・駆け下りるという手口もあるため、閉鎖的な空間や通路脇などでは気をつけましょう。
日本では電車のドアの脇は人気の空間ですが、海外ではスリに気付いてもすぐに逃げやすい危険なゾーンとなります。
C上を見上げることの多い教会や寺院などでは、手元や下に注意が向かなくなってしまうことでスリが狙いやすいとも言われています。
そのようなところでは、バッグの口を持ちながら歩く、荷物をロッカーに預け最小限の荷物で歩くなどの対策を取るのが◎。見物に気を取られすぎず、荷物に注意を払いながら見学するようにしましょう。
安全な日本とは違うという意識を持つことが大切です
海外ではどんなときも警戒をすることが重要です。
特に何かに気を逸らそうとしてきたときや話しかけられたときなどには、バッグの口をしっかりと押さえるなど、防犯になる行動をしたり、警戒しているアピールを見せたりすることで、犯罪を回避することができる可能性があります。
日本人が狙われやすい要因として、安全な国で生活することに慣れていて危機感が薄いということもありますが、現金を持ち歩いていることが多いからというイメージが強いということも理由のひとつです。
そのため、対策のひとつとして持ち歩く現金は最小限にして、支払いの中心をカード決済にするという方法があります。
細々としたチップやバスなどの公共交通機関や屋台での支払い、トイレの利用料金など、少額だとクレジットカード払いを断られてしまったり、現金や小銭が必要な場面があります。
しかし、海外ではクレジットカード払いがかなり生活に浸透しているため、ホテルやレストラン・カフェ・ショッピングなど、多くの場面においてクレジットカードで支払いを済ませることができます。
現金は必要最低限だけ持ち歩いていれば困ってしまうという場面はほとんどなく、現金が足りなくなってしまったときには、海外ATMからクレジットカードで引き出すことなどもできるため、多額の現金を持ち歩くというリスクを負う必要はありません。
スリに遭ってしまった時の対応
どんなに気をつけていても、気を抜いた瞬間に狙われることもあり、「絶対に被害に遭わない!」と断言できることではありません。
お財布には現金だけではなく、クレジットカードなどのカード類も一緒に入っているという方がほとんどでしょう。クレジットカードが盗まれてしまった場合には、不正利用されてしまう恐れがあり、対処が遅れることで被害が大きくなることも考えられます。
スリに遭ってしまったときには、どのような手順でどのような行動を取ったらいいのか、手順と詳細を確認しておきましょう。
クレジットカードの入った財布を盗まれてしまったときの手順
@カード会社に連絡して無効処理の依頼をする。
A警察に盗まれたときの状況や盗まれたものをきちんと説明して被害届を提出し、警察のサインが入った盗難証明書(ポリスレポート)を作成してもらいましょう。
B入っている保険・クレジットカードの付帯保険で携行品損害補償が付いている場合は、保険会社に連絡し、保険の請求をします。
クレジットカードの盗難保険とは
ほとんどのクレジットカードには、カードが盗難されてしまった場合の盗難保険が付いています。
クレジットカードの盗難補償は、盗まれたカードを不正に使われてしまったときに、不正利用されたと認められた全額が対象となる補償で、カードに自動付帯しているものです。
その多くは、カードが盗難されたとカード会社に届けを出してから60日間遡った日までの不正利用が補償となりますが、一刻も早く連絡をすることが重要です。
スキミングなどによってカードが不正利用されたときにも補償対象となるので、後日おかしな請求がないのかを必ず確認しましょう。
一般的に盗難証明書、購入時の金額購入先などを示す書類や領収書が必要となり、日本から持って行ったものならば盗まれたものが写っているものを求められることがあります。
もし盗難保険が付帯していないクレジットカードだったら
もし所持しているカードに盗難保険が付いていなかった場合や海外に現金しか持っていかなかったときに、盗難やスリに遭ってしまったら、携行品損害補償に加入していれば、現金やクレジットカードは補償されるのか、詳細を確認していきましょう。
携行品損害補償というのは、旅行中などの持ち物(バッグ、カメラ、時計、衣類、パスポートなど)が盗難・破損・火災などの偶然な事故により損害を受けた場合、限度額内の補償を受けることができるというものです。
自己負担金のかかるものもありますが、カードで購入した商品が盗難や破損などの損害を被った場合にも補償を受けることができたりするため、現地で購入した商品なども補償の対象となります。
旅行先でスリなどの盗難に遭った場合、お財布やバッグ、キーホルダーなどは補償されますが、現金やクレジットカード・有価証券などは補償対象外となってしまうので、注意が必要です。
補償の対象とならない現金を多めに持ち歩くより、大抵の支払いにおいてクレジットカードを利用することは、スリに目を付けられにくいだけではなく、スリなどの被害に遭った場合でも被害を最小限に抑えることができます。
盗難保険の適用外となる場合
盗難保険が適用されるかどうかは、カードの管理方法次第で変化してしまう恐れがあり、本人の過失や管理不足が認められた場合は、盗難保険が適用されなくなってしまうことがあるので、具体例を確認していきましょう。
盗難保険が適用されない条件の具体的な内容は、以下のようなものがあります。
- 暗証番号を誕生日や電話番号など、予想されやすいものにしていた場合
- 暗証番号を控えたメモなど、暗証番号がわかるものを一緒に盗まれてしまった場合
- 誰かにカードを貸してしまった場合
- 身内などの近い関係の人に暗証番号を教え、利用されてしまった場合
- カードの裏面に名前を書いていなかった場合
- カバンを置き忘れるなど、盗まれる環境に置いてしまった場合
- 警察に届け出をしていなかった場合
- 利用明細を確認せず、補償期間を過ぎてしまった場合
カードの会員側に過失があった場合には、不正利用をされたときにも補償されない可能性があるので、暗証番号は他人に推測しにくいものにしているかどうか、裏面に名前を書いているかなど、カードを正しく利用しているか初心に戻って確認してみましょう。
海外では、クレジットカードで被害を防ごう!
スリに狙われる原因として、「日本人は現金を持ち歩いている」というイメージがあるため、スリの対処法の一つとして、現金をあまり持ち歩かないという方法があります。
盗まれたり落としたらほぼ返ってくることのない現金と違い、クレジットカードであれば、ほぼ自動付帯の盗難保険によって、持ち物以上の被害を抑えることができます。
海外では日本では考えられないほど、スリの被害が多発しており、あちこちで被害報告やその後の苦労などが語られています。
残念ながら被害に遭ってしまった場合、カード会社への素早い連絡や現地の警察での被害届提出など、楽しい旅行に水を差すことになってしまいますが、それ以上の被害を抑えることにつながります。
VISA・Mastercard・JCBなどのクレジットカードには、海外のATMからキャッシング行うことができるものがあったりするため、もしスリに遭って現金をすべて盗られてしまったり、現金が足りなくなってしまった場合に、現金を引き出すという使い方もできます。
ただし、国や店によっては利用できるカードブランドや利用できないカードブランドもあるので、別々のブランドのクレジットカードを複数枚別々に所持しておくのも手でしょう。
もし1枚のカードを盗難されてしまっても、カードの停止届を行い、別のカードを利用して難なく旅行を続けることができます。
海外旅行で犯罪に巻き込まれた場合でも、日頃から正しくカードを利用していることで、不安を軽くすることができ、クレジットカードには海外旅行の傷害保険が付帯しているなど、トラベルに関するサービスが多く用意されているものが多いです。
旅行の前にはクレジットカードの盗難保険や連絡窓口を確認しておき、日本とは違う街歩きやショッピングを、心ゆくまで楽しんでしまいましょう。