海外で以前使えたiDサービスが終了。今後海外旅行で持っておいた方がいい代わりになる国際的電子マネーとは?
海外でも利用できたiDサービス『iD/NFC』が終了
ドコモ公式サイトより引用
以前までは、スマホやカードでタッチして決済が完了するiD/NFCサービスが利用でき、国内で利用しているiDを海外でも利用することができました。しかし、iDによる海外でのNFC決済が2018年7月31日にサービスが終了となりました。
iD/NFCはなぜ海外でも決済できて、iD/NFCではないiDはなぜ国内で利用できて海外で利用できないのでしょうか?
タッチ式決済の非接触通信には規格があり、規格が異なると利用できない!
日本で普及しているiDなどのような、かざすだけで決済できる非接触型近距離無線通信はソニーが開発した『Felica (フェリカ、TypeC)』をベースにしています。
一方、世界で普及しているのは、オランダのNXPセミコンダクターズ(フィリップスの半導体部門が独立)が開発した『Mifare(TypeA)』とアメリカのmotorola(モトローラ)が開発した『TypeB』の2つです。
TypeAとTypeBは日本国内でも利用されており、TypeAはタバコの購入に利用するTaspoカード、TypeBはマイナンバーカード・運転免許証などに利用されています。
TypeA、B、Cと規格が乱立しているため、統一した新しい規格が『NFC』です。NFCは、ソニーとNXPセミコンダクターズが共同提案したTypeA、B、Cそれぞれと互換性を持ち世界基準の規格ですが、まだ国内では普及途中の段階です。
したがって、日本国内で普及しているTypeCであるiDは基本海外では利用できません。マスターカードのコンタクトレス加盟店で、NFC規格のおサイフケータイ対応機種スマートフォンをかざせば海外でも利用できるサービスでした。
国内iPhone7までのApple PayはTypeCに対応しています。海外iPhoneは7まで国内のApple Payの使用ができませんでしたが、iPhone8以降は海外iPhoneもTypeC対応となりました。
相互利用可能な世界・国内で利用できるNFC規格のVisa payWave、Master Card コンタクトレスとは?
現在非接触型タッチ式電子マネーで海外利用できるカードはないのでしょうか? 現在非接触型無線通信型カードで海外利用可能なのは、「Visa payWave」と「Master Card コンタクトレス」が搭載しているカードです。この2つは世界規格のTypeA、B、Cと相互利用可能な「NFC規格」となっており国内でも海外でも利用できるようになっています。
1万円以下ならカードをタッチするだけで決済できるサービスで、少額決済が便利にできます。
現在国内ではどこで利用できる?利用方法は?
店頭やレジにMaster Card コンタクトレス、Visa payWaveのマークがあれば対応可能で、リーダーが光ったらカードをタッチするだけで支払いが終了します。
Visa Pay Wave、Master Card コンタクトレスのようにカード自体でタッチ決済をするシステムはまだまだ未対応の店舗が多いですが、今後増えていくと考えられます。現状Apple PayやGoogle Payに対応している店舗も増えつつあり、キャッシュレス、ないしはカードも持ち歩く必要が無くなる時代も迫っています。
- | 利用できる店舗 | 搭載クレジットカード |
---|---|---|
Visa payWave |
・マクドナルド ・JTB ・表参道ヒルズ ・メガネストアー ・ローソン ・TUTAYA ・IKEA |
・Mastercard ・Orico Card Pay Pass ・イクスピアリカード ※一部プリペイドカードも利用可 ・Mastercardプリペイドカード |
Master Card コンタクトレス |
・マクドナルド ・セブンイレブン ・サブウェイ |
・イオンカード ・OricoCard VISA payWave ・ジャックスカードVisa payWave ※一部デビットカードも利用可 |
Visa pay Wave、Master Card コンタクトレス搭載のおすすめのクレジットカードは?
Visa payWave搭載ならイオンカードセレクト
イオンでは2019年3月から2020年3月にかけて、全国のスーパーやドラッグストアなどでVisa PayWave対応レジを導入し、 今後イオンカードの国際ブランドをVISAで申し込んだ方には自動でVisa PayWaveの機能を付加する予定となっています。
すでにカード会員になった方でも国際ブランドがVISAであれば機能が対応した時点で、Visa PayWave搭載のカードに変更することが可能となっています。
申込資格 | 18歳以上の方 |
---|---|
年会費 | 無料 |
ETCカード | 年会費・発行手数料 無料 |
ポイント | ・ときめきポイント(クレジット機能支払いで付与) ときめきポイントはWAONへの交換、もしくは商品券などへの交換が可能です。 200円→1ポイント(還元率0.5%) イオングループなら200円→2ポイント(還元率1%) ・WAONポイント(プリペイド機能WAON支払い付与) WAONポイントはWAONポイントとしてイオングループで使用可能 200円→1ポイント(0.5%) 「お客様わくわくデー」ポイント2倍 200円→2ポイント(還元率1%) クレジット機能からオートチャージすれば200円→1ポイント (オートチャージ+WAON決済で還元率1%) |
割引サービス | ・毎月20日30日「お客様感謝デー」は5%OFF ・イオンシネマの映画チケットをイオンカード支払いで 会員と同伴1名まで各300円引き |
旅行傷害保険 | なし |
付帯機能 | iD、Apple Pay |
国際ブランド | VISA、 JCB、mastercard 国際ブランドをVISAにすると Visa payWaveが自動的に搭載される予定です。 |
iDに対応しているためApple PayやGoogle Payに登録も可能です。
Master Card コンタクトレスならOrico Card Pay Pass
加入資格 | 18歳以上の方(高校生は除く) |
---|---|
年会費 | 初年度無料 1,250円(税抜) 翌年以降 前年度に1回でもショッピング利用があれば年会費無料 |
家族カード | 無料 |
ETCカード | 無料 |
ポイント | 1,000円→1スマイル 1スマイル→5オリコポイントに交換可能 1オリコポイント→1円のギフト券などに交換可能 ポイント還元率0.5% |
旅行傷害保険 | 海外旅行傷害保険最高2,000万円(自動付帯) 国内旅行傷害保険最高1,000万円(利用条件あり) |
付帯機能 | Mastercardコンタクトレス、iD、QUICKPAY |
国際ブランド | mastercard |
Orico Card Pay Passはオンラインでの申込のみです。ただし、学生・未成年、家族カード申込の場合は郵送で手続きします。
Orico Card Pay Pass は、iDやQUICKPAYにも対応しているためApple PayやGooglePayへの登録も可能です。
オリコカードのポイントサービス「暮らスマイル」は利用金額によって最大2倍に
(還元率は、1スマイル→5オリコポイントに交換し、1オリコポイント1円のギフト券に交換した場合で計算)
年間利用金額に応じて、ポイント倍率が上がります。さらに、1年間待たなくても年間利用金額に達成した月の翌月から倍率が適用されます。
年間利用累計額 | ポイント倍率 | 還元率 |
---|---|---|
50万円未満 | 1倍 | 0.5% |
50万円以上100万円未満 | 1.5倍 | 0.75% |
100万円以上200万円未満 | 1.7倍 | 0.875% |
200万円以上 | 2倍 | 1% |
今後使える場所は増える?海外で普及して、日本への影響は?
2020年に東京オリンピックを控えて外国人の訪日が増加することが予想され、日本政府も現金がなくても決済できるキャッシュレス決済を広めるため、2018年10月消費増税後の9ヶ月間、キャッシュレス決済でポイントをチェーン店で2%、中小型店で5%上乗せする予定となっています。キャッシュレス対応できるレジの導入への補助も行い、現金比率の高い日本をキャッシュレス化に導こうとしています。
これまで海外でiDのスマホ決済を利用していた方は、今後タッチ決済ができるVisa payWaveかMaster Cardコンタクトレスの対象カードを一枚持っておくと便利です。
Visa payWaveやMaster Card コンタクトレスを使用できる国内の店舗は、今後東京オリンピックに向けてイオングループに続き増えていくでしょう。
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