一般的に特典の充実したクレジットカードほど、年会費は高い傾向にあります。

年会費の金額だけを見て、そのようなカードを避けている人も多いと思いますが、特典内容をよく見ると、年会費以上のメリットを得られるケースも多いものです。

例えば、高級ホテルの無料宿泊特典があるなら、少なくとも1万円以上の価値があるのは明白でしょう。

豪華な宿泊特典が満載のマリオットアメックスはそのひとつ。今回は年会費以上の価値のあるマリオットアメックス2種に焦点を当てて、使い方や使って欲しい特典をご紹介します。

SPGアメックスからマリオットアメックスへ

年会費以上のメリットのクレジットカードとして人気なカードといえば、SPGアメックスがよく取り上げられます。

旅行好きの人、特にシェラトンやウェスティンなどのホテルをよく利用する人は特に恩恵を受けられる内容になっていて、毎年年会費以上のホテルに無料で宿泊できる特典がついているのが特長でした。

「でした」というも、実はアメリカン・エキスプレス（アメックス）がMarriott Bonvoyと提携して発行するこちらのカードは、2022年2月24日に新たな2枚のカードとしてリニューアルしています。

Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・カード

Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード

SPGアメックスの人気だった特典はそのままに、気軽に持てる年会費控えめのカードとランクアップできるカードの選択肢が用意されました。

いずれもカード会員になると、世界138の国と地域、7,900軒を超えるMarriott Bonvoy参加ホテルにて、充実したポイントサービスと、「無料宿泊特典」などを含む各種特典が提供されます。

ロイヤルティプログラム会員資格が付与

いずれのマリオットアメックスも、カードを持つだけでMarriott Bonvoyロイヤルティプログラムの上位ステータスが付与される特典があります。

※カード加入日から12月31日まで、以降毎年1年間（1月～12月）をプログラム期間とし、期間中のカードご利用金額達成が必要。

通常ゴールドエリートは1年間25泊以上、プラチナエリートに至っては1年間に50泊以上の宿泊が必要なため、旅行や海外勤務が少ない方にとっては手の届かない上級会員資格となっていました。

ところが、マリオットアメックスの場合はカードを持つだけで会員資格が付与、もしくは日常的なカード利用によって会員資格資格が付与されるのです。

つまり、SPGアメックスの取得だけで、世界中の名だたる高級ホテルの上級会員になれるということです。

かつてSPGアメックスは年会費34,100円(税込)、家族カードには年会費17,050円(税込)がかかりました。

一方、新しく登場したマリオットアメックス2枚は、その上下の年会費となっているのと、家族カードが1枚目年会費無料となっています。

カードフェイス	年会費	家族カード年会費
Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・カード	23,100円(税込)	1枚目無料、2枚目以降11,550円(税込)
Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード	49,500円(税込)	1枚目無料、2枚目以降24,750円(税込)

マリオットの対象ホテルを使う方なら、年会費以上の特典を得られるはずです。

特におトク感が大きいのは、年に1度のカード継続時に無料宿泊券がプレゼントされることです。

プログラム期間中（カードのご入会日/切替日から毎年1年間）に合計150万円以上のカード利用という条件がありますが、日常的に細かくカード利用をしていれば、そう難しい問題ではりません。

スタンダードルームに空室があれば、いわゆるブラックアウト日（特典除外日）なしでこの無料宿泊券が利用可能です。

GWやお盆時期、年末年始などの繁忙期であっても無料宿泊券が使えるので、時期によっては年会費以上の金額の部屋に泊まれます。

たとえば、グレードが中間あたりのホテルでも、お盆時期に1室2名で宿泊する場合、一般のホテル予約サイトで1泊あたり約43,000円（税別）がかかるところ、これが無料になるわけです。

つまり、これだけで年会費の元が取れることになります。

カテゴリー（グレード）が下のホテルや繁忙時期以外では、宿泊料金が年会費を下回ることもありますが、そのほかの特典も考えれば、それでも年会費の元は十分に取れると考えていいでしょう。

Marriott Bonvoyロイヤルティプログラム「ゴールドエリート」の特典を次に紹介します。

マリオットアメックスのポイントの活用

年に1度の継続時のプレゼントだけでなく、貯めたポイントも無料宿泊券に交換できます。こちらにもブラックアウト日はありません。

また、4連泊分の無料宿泊券に交換した場合、5泊目はポイントを使うことなく無料で宿泊できます。これも大変おトクなサービスといえるでしょう。

カテゴリー1のホテルでは4,000P～10,000P、最上級カテゴリー8のホテルでは6.5万～10万Pで無料宿泊券へ交換可能であり、期間とホテルカテゴリーに合わせたポイントで無料宿泊券へ交換できます。

なお、ポイントが特典交換に少し足りない場合は、ポイントを少し購入することもできます。

無料宿泊券獲得に必要なポイント数

アップグレード特典

カード特典のロイヤリティプログラムの上位会員資格でもアップグレードはできますが、最小1,000ポイントのポイントで宿泊する部屋をアップグレードでき、より広い部屋や眺望に優れた部屋をリーズナブルに利用できます。

ポイントを他の会員とシェアして補うのも可能

ポイントは他の会員と1,000ポイントから共有することが可能です。家族やご友人とシェアして、足りないときは補い合い、またプレゼントしてポイントを柔軟に扱うことも望めるシステムとなっています。

ポイントを無料宿泊券に交換できるといっても、ポイントがなかなか貯まらないようでは話になりません。しかし、そのポイント還元率の点でもマリオットアメックスは優秀です。

マリオットアメックスは、マリオット系列ホテルでの宿泊料金、ホテル直営レストランのカード利用で、ポイントが通常の2倍にアップするのです。しかも、こちらのポイントはロイヤルティ会員のボーナスポイントとは別です。

通常利用でもなかなか2％や3％という還元率のカードは存在しないため、この部分だけでも十分にお得なカードの条件を満たしています。

貯めたポイントは、無料宿泊券のほか、航空券やマイル、エンターテイメントのチケットなどにも交換できます。

新規入会＆利用でポイントプレゼントも用意されているので、効率良くポイントが貯めたい方は必ず新規入会キャンペーンを逃さないようにしましょう。

そのほか、このカードには、アメックスの特典も含め、旅行を便利に楽しく彩るためのサービスが付帯します。

マリオットの特典

100米ドルのプロパティクレジット

マリオットアメックスの独自の特典として、「100米ドルのプロパティクレジット」は必見です。下記条件を達成すると、レストランやスパなどMarriott直営の館内施設で使える「100米ドルのプロパティクレジット」を獲得できます。

100米ドルは日本円にして11,000円弱の価値がありますし、回数制限のない特典のため、年会費の元を取りたい方はぜひ利用してください。

会員ランクに応じた特典

Marriott Bonvoyロイヤルティプログラムの会員ランクに応じた特典の一部もご紹介します。

アメックスの特典

空港ラウンジ

国内28空港・海外2空港の空港ラウンジを、カード会員と同伴1名まで無料で利用できます。

最高1億円の海外旅行傷害保険

国際航空券の代金をこのカードで支払うと、最高1億円の海外旅行傷害保険が付帯します。また、このカードで支払っていない場合でも、最高5,000万円の海外旅行傷害保険が付帯します。

エアポート送迎サービス

海外旅行の出発・帰国時に、利用可能地域内で指定された場所と空港との間を、提携タクシー会社で定額料金にて送迎します（成田国際空港、中部国際空港、関西国際空港のみ）。

航空便遅延費用補償

航空便の遅延により臨時に出費した宿泊料金、食事代などを補償します。

ショッピング・プロテクション

カードで購入した商品について、購入日から90日以内に生じた破損・盗難などの損害を、1人年間最高500万円まで補償します。

2種類のマリオットアメックスを年会費以上に使うコツは、無料宿泊特典の利用です。これだけで、年会費の大半をまかなえてしまいます。

また、Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・カードも、Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードも家族カードの年会費が1枚目無料なので、同じ年会費で2人分同じサービスを受けられるよう、作った方がよいでしょう。

以上だけでも十分ですが、ホテルライフを満喫できるゴールドエリートの特典やアメックスの特典もひとつふたつ加えて利用することで、高額な年会費も安く感じられるクレジットカードとなっています。

クレジットカードを選ぶときには、年会費の金額だけを気にするのではなく、その特典の内容もよく調べてみてください。